首かたげ山・天狗坊山〈林道阿内線・林道川頭線ルート〉(下関市阿内・井田) [県西部の山]
この山域は過去いくつかのルートを歩いたが、山名が不確かなこともあり、その後遠ざかっていた。このたび、「防長地下上申」をあたってみることにより、ある程度山名が判明したので、久しぶりに歩いてみた。
阿内側より遠望
(クリックで拡大)
専念寺を起点とし、林道阿内高地線に入る。入口に不法投棄防止のため車止めがある。
林道入口、車止め
広域農道の高架橋下あたりで舗装道が終わる。砂利道を進み、林道が小広場となる入口あたりから、右の竹林の中に巡視路が分かれる。林道はさらに直進方向へ延びており、また、地形図上の破線道は倒木で潰れているため、この取り付きを見付けるのがポイントとなる。入口には現在のところテープ類など目印となるものはない。
林道小広場
巡視路取り付き(登山口)
巡視路に入り、鉄塔を右に過ごし、立石観音の道標で右折する。
立石観音道標
そのまま谷沿いに進むと高地峠に着く。
高地峠
左折し、ヒノキ植林尾根をよじ登るが、境界部の雑木低木がヤブ化しており、歩きづらい。平坦尾根となりしばらく進むと少しは歩きやすくなる。
植林尾根
植林境尾根
植林境尾根
岩が出たヤブ気味の植林尾根斜面となり、幹をつかみながら登り切ると、首かたげ山山頂に出る。三角点は植林境から数メートル雑木尾根を進んだところにある。展望は木の間越しにわずかにある程度。
山頂手前斜面(逆方向)
首かたげ山山頂
山頂三角点
そのまま緩やかな雑木尾根を下って、登り返すと、あっけなく天狗坊山に着く。ここもヒノキ植林境のピークとなっており、境界ポールが立つほか特徴的なものはない。天狗が羽を休めたというが、昔、大木か何かあったのだろうか。
雑木尾根
天狗坊山山頂
植林境の尾根を進み、501mピークの手前ピークあたりで振り返ると、背後に大きく展望が広がる。首かたげ山が近い。
手前ピークから首かたげ山
手前ピークから突然ヤブが行く手を阻みうろたえるが、倒木帯を左によけながら進めばよい。
手前ピークやぶ
まもなく501mピークに達する。以前は雑木の中の静かな空間だったと記憶するが、現在は低木ヤブに囲まれ落ち着かず、展望もない。南に少し下ると樹間からわずかに展望が得られる。
501mピーク
そのまま南西方向へ大字境の雑木尾根を下る。
雑木尾根
尾根が左右に分岐するところでヒノキ植林境となるので、分岐を右に取る。
植林境尾根
次の尾根分岐は分かりずらく、気付かないと直進してしまうが、境界石柱を目印に、方向を定め、ヒノキ植林境を外さないように下るとよい。
支尾根分岐(境界石柱)
鞍部で左の杉植林谷へ降りる。
スギ植林谷を下る
踏み跡をたどって行くと、ヤブの中に「公社造林八ヶ久保事業地」看板を見て、林道川頭線に出会う。
林道合流点(下山口)
林道川頭線看板
林道から車道に出て、駐車地まで戻る。なお、畑集落に入るあたりに車止めが設置されており、一般車両は入れないので注意を要する。
■山名考
「首かたげ山」は、「防長地下上申」の阿内村の項に、「首かたげ山の頭」や「首かたげ山浴」が出てくる。阿内側の麓から眺めると、東(右)側が急斜面となり、確かに首を右に傾けたように見えなくもない。
「天狗坊山」は、同書内日村の項に見える。隣村境目書の記述以外に、由来書の部分に項目を立て、「天狗坊山 中村ニ有り 但往古より天狗羽を休メ申山と申伝候事」とある。さらに、境目書部分には天狗坊山の次に「西嶽」の記載があり、これが501mピークにあたるのではないかと思われる。
また、南側の小野村(井田村)の項には501mピークを「木落山」、次のピークを「川頭山」と記し、大字境のピークは川頭山の尾筋として山名は記されていない。「川頭」の名は「林道名」にも見え、このあたりの地名と思われる。
なお、時代が下った江戸末期の「豊浦藩村浦明細書」では、内日下村の項に「首かたぎ山」の名が見えるが、「天狗坊山」の名は出てこない。
地元で現在どのように呼ばれているか確認していないが、特になければ、いずれも由緒があり趣のある山名なので、復活してはどうだろう。
阿内側より遠望
(クリックで拡大)
専念寺を起点とし、林道阿内高地線に入る。入口に不法投棄防止のため車止めがある。
林道入口、車止め
広域農道の高架橋下あたりで舗装道が終わる。砂利道を進み、林道が小広場となる入口あたりから、右の竹林の中に巡視路が分かれる。林道はさらに直進方向へ延びており、また、地形図上の破線道は倒木で潰れているため、この取り付きを見付けるのがポイントとなる。入口には現在のところテープ類など目印となるものはない。
林道小広場
巡視路取り付き(登山口)
巡視路に入り、鉄塔を右に過ごし、立石観音の道標で右折する。
立石観音道標
そのまま谷沿いに進むと高地峠に着く。
高地峠
左折し、ヒノキ植林尾根をよじ登るが、境界部の雑木低木がヤブ化しており、歩きづらい。平坦尾根となりしばらく進むと少しは歩きやすくなる。
植林尾根
植林境尾根
植林境尾根
岩が出たヤブ気味の植林尾根斜面となり、幹をつかみながら登り切ると、首かたげ山山頂に出る。三角点は植林境から数メートル雑木尾根を進んだところにある。展望は木の間越しにわずかにある程度。
山頂手前斜面(逆方向)
首かたげ山山頂
山頂三角点
そのまま緩やかな雑木尾根を下って、登り返すと、あっけなく天狗坊山に着く。ここもヒノキ植林境のピークとなっており、境界ポールが立つほか特徴的なものはない。天狗が羽を休めたというが、昔、大木か何かあったのだろうか。
雑木尾根
天狗坊山山頂
植林境の尾根を進み、501mピークの手前ピークあたりで振り返ると、背後に大きく展望が広がる。首かたげ山が近い。
手前ピークから首かたげ山
手前ピークから突然ヤブが行く手を阻みうろたえるが、倒木帯を左によけながら進めばよい。
手前ピークやぶ
まもなく501mピークに達する。以前は雑木の中の静かな空間だったと記憶するが、現在は低木ヤブに囲まれ落ち着かず、展望もない。南に少し下ると樹間からわずかに展望が得られる。
501mピーク
そのまま南西方向へ大字境の雑木尾根を下る。
雑木尾根
尾根が左右に分岐するところでヒノキ植林境となるので、分岐を右に取る。
植林境尾根
次の尾根分岐は分かりずらく、気付かないと直進してしまうが、境界石柱を目印に、方向を定め、ヒノキ植林境を外さないように下るとよい。
支尾根分岐(境界石柱)
鞍部で左の杉植林谷へ降りる。
スギ植林谷を下る
踏み跡をたどって行くと、ヤブの中に「公社造林八ヶ久保事業地」看板を見て、林道川頭線に出会う。
林道合流点(下山口)
林道川頭線看板
林道から車道に出て、駐車地まで戻る。なお、畑集落に入るあたりに車止めが設置されており、一般車両は入れないので注意を要する。
■山名考
「首かたげ山」は、「防長地下上申」の阿内村の項に、「首かたげ山の頭」や「首かたげ山浴」が出てくる。阿内側の麓から眺めると、東(右)側が急斜面となり、確かに首を右に傾けたように見えなくもない。
「天狗坊山」は、同書内日村の項に見える。隣村境目書の記述以外に、由来書の部分に項目を立て、「天狗坊山 中村ニ有り 但往古より天狗羽を休メ申山と申伝候事」とある。さらに、境目書部分には天狗坊山の次に「西嶽」の記載があり、これが501mピークにあたるのではないかと思われる。
また、南側の小野村(井田村)の項には501mピークを「木落山」、次のピークを「川頭山」と記し、大字境のピークは川頭山の尾筋として山名は記されていない。「川頭」の名は「林道名」にも見え、このあたりの地名と思われる。
なお、時代が下った江戸末期の「豊浦藩村浦明細書」では、内日下村の項に「首かたぎ山」の名が見えるが、「天狗坊山」の名は出てこない。
地元で現在どのように呼ばれているか確認していないが、特になければ、いずれも由緒があり趣のある山名なので、復活してはどうだろう。