羽波城・元山城・西目山(山口市阿東徳佐中・徳佐下) [県央部の山]
徳佐の山城2城と対岸の西目山を歩く。
羽波(はば)城は中腹の貯水タンクまで舗装道が付いている。山頂部は雑木疎林でややヤブ気味。
元山城は南麓の伐採地から植林尾根を伝って上がった。郭を結ぶ尾根上にはササが被るが濃くはない。
西目山は、南西麓の林道を終点まで歩き植林谷を詰めると、ほとんどヤブこぎなしで上がれる。(2022.6.18)
〈参考資料〉 :『山口県中世城館遺跡総合調査報告書 ― 長門編― 』、HP『城郭放浪記』
羽波城(国道から)
元山城(羽波集落から)
西目山(坪の内集落から)
羽波城・元山城
西目山
. (1,2クリックで拡大)
▲羽波城
●駐車地~権現社~貯水タンク
羽波公民館前の防火水槽のところに駐車スペースがある(駐禁表示箇所を避ける)。
駐車地・羽波公民館
市道を南西方向へ200mほど進み、右折する。
羽波城(左)・羽波集落
民家の裏に石段が見えたので立ち寄ると権現社だった。社殿の左や裏手に石祠もある。
分岐(逆方向)
権現社
社殿
石灯籠
石祠①
石祠②
分岐を右折し林道に入る。トタン小屋を右に過ごし、まもなく林道と分かれて右の舗装道を上がり、山手へ向かう。
林道入口・右へ
林道・トタン小屋
分岐・右へ
植林沿いに登り、右に回り込むと広場(車道終点)に着く。
コン舗装道
コン舗装道(トラバース道)
広場
勾配のある舗装道を登ると鞍部の手前で右に通信塔(NTTドコモの徳佐中基地局)を見る。鞍部から左上方へ向かうと貯水タンクに出合う。
コン道
徳佐中基地局
貯水タンク
●~羽波城~駐車地
貯水タンクを右に回り込み、植林斜面に残る踏み跡をたどると380m鞍部に出る。
タンク沿い
植林斜面の踏み跡
鞍部から上方の植林境尾根
ササの交じる雑木尾根を登り切った平坦地が山頂(郭Ⅰ)である。展望はない。
雑木尾根
山頂(郭Ⅰ)
山頂(逆方向)
山頂尾根を北に少したどると比高3m程度の堀切がある。その先の平坦尾根(郭Ⅱ)を過ぎたところにも堀切を見る。
堀切①(横から)
堀切①(逆方向)
郭Ⅱ
堀切②(横から)
堀切②(逆方向)
さらに下ると、鞍部で赤プラポールを見る。ここで同じルートを戻る。
鞍部・赤プラポール
帰途権現社前を通り、集落道をたどりながら四等三角点「羽波」を少し探してみたが、事前に点の記を調べていなかったこともあり、田圃の畔に埋まっているのか見付けられなかった。
▲元山城
●駐車地~元山城(郭Ⅰ)
坪の内集落に入り、ごみステーションのある路肩スペースに駐車。
県道を300mほど南西へ進み、右上の斜面に伐採地が広がるところで用水路を渡り、幅広の山道に取り付く。
県道沿いの歩道
伐採斜面
用水路を横切る
防獣フェンスのゲートを抜け、左に墓を過ごし、伐採尾根へ上がる。
フェンス・ゲート
墓・伐採尾根に取り付く
伐採されて間がないのでまだ歩きやすいが、そのうちヤブ化するかもしれない。高さ30mほど上がると伐採頂部に着く。
伐採尾根
伐採頂部
西目山(伐採尾根から)・背後は野道山
そのまま雑木尾根を上がってもよいが、右へ少しトラバースして植林境を上がる。
9植林尾根へトラバース
植林境斜面
植林境尾根へ出る
標高360mあたりで堀切①を見る。さらに尾根を登っていくと380m平坦尾根(郭Ⅲ)に出る。
堀切①
堀切①(横から)
植林境
380m平坦ピーク(郭Ⅲ)
少し先で堀切②を横切ると平坦鞍部から登りにかかる。
堀切②(横から)
植林境
小さな堀切③を横切りヤダケが現れると、ササに覆われた400m平坦ピーク(郭Ⅱ)に着く。南西尾根側は急勾配となっている。
堀切③(横から)
ヤダケ現る
平坦ピーク(郭Ⅱ)
郭Ⅱ・ササ
郭Ⅱから南西尾根方向
ササ被りの平坦尾根を北へ進むと、ガケ状に一段高くなったところが411mピーク(郭Ⅰ)である。植林に囲まれ展望はない。
平坦尾根
411mピーク(郭Ⅰ)
郭Ⅰ(南側)
郭Ⅰ(北側)
●~駐車地
東方向へ平坦尾根を植林境までたどってみた。植林境から下方はガケ状となり、堀切があるようだ。
郭Ⅰから東尾根方向
東尾根(切岸上から下方)
411mピークまで戻り北方向へ下ってみる。堀切状の鞍部を横切り、植林境を進む。
郭Ⅰから北尾根へ下る
堀切④(横から)
390m、400m①、400m②、380mピークをたどり、下り切ると350m鞍部に降り立つ。
390mピーク
平坦尾根
400mピーク②
植林境・下り
380mピーク
植林境・下り
350m鞍部
ヌタ場
ササが少なそうなので右谷側へ下ってみる。植林谷から竹林となる。
植林谷
竹林出合い
最後は倒竹をよけながら下り、防獣フェンスのゲートを抜けて民家裏に出る。
倒竹をよける
フェンス
ゲート・民家
草被りの山道・市道出合い
石祠
途中日限地蔵尊(徳佐八十八ケ所53番・54番札所)に立ち寄りながら駐車地へ戻る。
日限地蔵尊道標
53番・54番札所
駐車地の近くに小社があったのでこちらにも寄ってみた。鳥居の木額を見ると足王社(?)と荒神社のようだ。背後に石段があるので元々の本殿は上方にあると思われる。
足王社?・荒神社
木額
▲西目山
●駐車地~舗装道終点~林道終点広場
国道315号沿いのチェーン着脱場に駐車。南東方向へ200mほど進み、舗装車道へ左折。
右に牛舎(飼料工場か?)を過ごしながら進むと、民家前で終点となる。
舗装車道分岐
舗装車道
車道終点・民家
民家横から未舗装林道に入り、すぐ先の分岐を左に取る。
林道入口
林道分岐・左へ
ササが現れるが、溝を横切るとまもなく歩きやすくなる。
林道・ササ被り
溝を横切る
左に間伐展示林の看板をみるとまもなく林道終点広場に着く。
間伐展示林看板
林道終点広場
●~西目山~駐車地
植林尾根を直登しても上がれそうだが、左の植林谷に入る。ヤブもなく歩きやすい。
植林谷
植林谷
植林谷・急登
登り切ると山頂近くの西尾根に出る。右折し植林境を少し登ると440m支尾根合流点で、左折するとすぐに四等三角点「西目山」の山頂に着く。三角点の隣には石杭がある。樹林に囲まれ展望は期待できない。
尾根へ出る
440m支尾根合流点
西目山山頂
四等三角点・石杭
帰路は植林境を急降下で下りた。
植林境・急降
植林境
植林境
■古城等について
▲元山城
『地下上申』に次の記述がある。
「古城山 壱ケ所 坪ノ内に有之
但吉見家陶御取相之節、陶出城之由申伝へ、城山段床凡弐間四方程、尤此尾続西ノ方に二ノ丸とも相見候段有之候事」
『風土注進案』には、「元山城」として、大久保村から西の蔵田村まで峰続きに道があったことや、阿武川を堰き止めて水を引き堀を構えたこと(「坪の内」の地名の由来という)などが記されている。
▲羽波城
『地下上申』に次の記述がある。
「古城山 壱ケ所 羽波御立山頭に有之
但断右に同し、尤段床広サ凡壱間四方程」
▲西目山
同名の山は、県内では防府の西目山が知られている。地下上申等を調べても徳佐地域では三角点名以外に西目山の名は見当たらない。南西麓の字名「西目谷」と何らかの関係があると思われるが、三角点設置の際、便宜上付けられた可能性もある。
同山は徳佐中と徳佐下の大字境にあり、点の記によると三角点地番の字名は西麓の「台」となっている。地下上申や風土注進案には御立山として台山がある。東西に長い台状の山を台山とすれば、西目山はその東端に位置し、台山の一角と見てもよいかもしれない。ここでは一応三角点名の西目山をそのまま採った。
羽波(はば)城は中腹の貯水タンクまで舗装道が付いている。山頂部は雑木疎林でややヤブ気味。
元山城は南麓の伐採地から植林尾根を伝って上がった。郭を結ぶ尾根上にはササが被るが濃くはない。
西目山は、南西麓の林道を終点まで歩き植林谷を詰めると、ほとんどヤブこぎなしで上がれる。(2022.6.18)
〈参考資料〉 :『山口県中世城館遺跡総合調査報告書 ― 長門編― 』、HP『城郭放浪記』
羽波城(国道から)
元山城(羽波集落から)
西目山(坪の内集落から)
羽波城・元山城
西目山
. (1,2クリックで拡大)
▲羽波城
●駐車地~権現社~貯水タンク
羽波公民館前の防火水槽のところに駐車スペースがある(駐禁表示箇所を避ける)。
駐車地・羽波公民館
市道を南西方向へ200mほど進み、右折する。
羽波城(左)・羽波集落
民家の裏に石段が見えたので立ち寄ると権現社だった。社殿の左や裏手に石祠もある。
分岐(逆方向)
権現社
社殿
石灯籠
石祠①
石祠②
分岐を右折し林道に入る。トタン小屋を右に過ごし、まもなく林道と分かれて右の舗装道を上がり、山手へ向かう。
林道入口・右へ
林道・トタン小屋
分岐・右へ
植林沿いに登り、右に回り込むと広場(車道終点)に着く。
コン舗装道
コン舗装道(トラバース道)
広場
勾配のある舗装道を登ると鞍部の手前で右に通信塔(NTTドコモの徳佐中基地局)を見る。鞍部から左上方へ向かうと貯水タンクに出合う。
コン道
徳佐中基地局
貯水タンク
●~羽波城~駐車地
貯水タンクを右に回り込み、植林斜面に残る踏み跡をたどると380m鞍部に出る。
タンク沿い
植林斜面の踏み跡
鞍部から上方の植林境尾根
ササの交じる雑木尾根を登り切った平坦地が山頂(郭Ⅰ)である。展望はない。
雑木尾根
山頂(郭Ⅰ)
山頂(逆方向)
山頂尾根を北に少したどると比高3m程度の堀切がある。その先の平坦尾根(郭Ⅱ)を過ぎたところにも堀切を見る。
堀切①(横から)
堀切①(逆方向)
郭Ⅱ
堀切②(横から)
堀切②(逆方向)
さらに下ると、鞍部で赤プラポールを見る。ここで同じルートを戻る。
鞍部・赤プラポール
帰途権現社前を通り、集落道をたどりながら四等三角点「羽波」を少し探してみたが、事前に点の記を調べていなかったこともあり、田圃の畔に埋まっているのか見付けられなかった。
▲元山城
●駐車地~元山城(郭Ⅰ)
坪の内集落に入り、ごみステーションのある路肩スペースに駐車。
県道を300mほど南西へ進み、右上の斜面に伐採地が広がるところで用水路を渡り、幅広の山道に取り付く。
県道沿いの歩道
伐採斜面
用水路を横切る
防獣フェンスのゲートを抜け、左に墓を過ごし、伐採尾根へ上がる。
フェンス・ゲート
墓・伐採尾根に取り付く
伐採されて間がないのでまだ歩きやすいが、そのうちヤブ化するかもしれない。高さ30mほど上がると伐採頂部に着く。
伐採尾根
伐採頂部
西目山(伐採尾根から)・背後は野道山
そのまま雑木尾根を上がってもよいが、右へ少しトラバースして植林境を上がる。
9植林尾根へトラバース
植林境斜面
植林境尾根へ出る
標高360mあたりで堀切①を見る。さらに尾根を登っていくと380m平坦尾根(郭Ⅲ)に出る。
堀切①
堀切①(横から)
植林境
380m平坦ピーク(郭Ⅲ)
少し先で堀切②を横切ると平坦鞍部から登りにかかる。
堀切②(横から)
植林境
小さな堀切③を横切りヤダケが現れると、ササに覆われた400m平坦ピーク(郭Ⅱ)に着く。南西尾根側は急勾配となっている。
堀切③(横から)
ヤダケ現る
平坦ピーク(郭Ⅱ)
郭Ⅱ・ササ
郭Ⅱから南西尾根方向
ササ被りの平坦尾根を北へ進むと、ガケ状に一段高くなったところが411mピーク(郭Ⅰ)である。植林に囲まれ展望はない。
平坦尾根
411mピーク(郭Ⅰ)
郭Ⅰ(南側)
郭Ⅰ(北側)
●~駐車地
東方向へ平坦尾根を植林境までたどってみた。植林境から下方はガケ状となり、堀切があるようだ。
郭Ⅰから東尾根方向
東尾根(切岸上から下方)
411mピークまで戻り北方向へ下ってみる。堀切状の鞍部を横切り、植林境を進む。
郭Ⅰから北尾根へ下る
堀切④(横から)
390m、400m①、400m②、380mピークをたどり、下り切ると350m鞍部に降り立つ。
390mピーク
平坦尾根
400mピーク②
植林境・下り
380mピーク
植林境・下り
350m鞍部
ヌタ場
ササが少なそうなので右谷側へ下ってみる。植林谷から竹林となる。
植林谷
竹林出合い
最後は倒竹をよけながら下り、防獣フェンスのゲートを抜けて民家裏に出る。
倒竹をよける
フェンス
ゲート・民家
草被りの山道・市道出合い
石祠
途中日限地蔵尊(徳佐八十八ケ所53番・54番札所)に立ち寄りながら駐車地へ戻る。
日限地蔵尊道標
53番・54番札所
駐車地の近くに小社があったのでこちらにも寄ってみた。鳥居の木額を見ると足王社(?)と荒神社のようだ。背後に石段があるので元々の本殿は上方にあると思われる。
足王社?・荒神社
木額
▲西目山
●駐車地~舗装道終点~林道終点広場
国道315号沿いのチェーン着脱場に駐車。南東方向へ200mほど進み、舗装車道へ左折。
右に牛舎(飼料工場か?)を過ごしながら進むと、民家前で終点となる。
舗装車道分岐
舗装車道
車道終点・民家
民家横から未舗装林道に入り、すぐ先の分岐を左に取る。
林道入口
林道分岐・左へ
ササが現れるが、溝を横切るとまもなく歩きやすくなる。
林道・ササ被り
溝を横切る
左に間伐展示林の看板をみるとまもなく林道終点広場に着く。
間伐展示林看板
林道終点広場
●~西目山~駐車地
植林尾根を直登しても上がれそうだが、左の植林谷に入る。ヤブもなく歩きやすい。
植林谷
植林谷
植林谷・急登
登り切ると山頂近くの西尾根に出る。右折し植林境を少し登ると440m支尾根合流点で、左折するとすぐに四等三角点「西目山」の山頂に着く。三角点の隣には石杭がある。樹林に囲まれ展望は期待できない。
尾根へ出る
440m支尾根合流点
西目山山頂
四等三角点・石杭
帰路は植林境を急降下で下りた。
植林境・急降
植林境
植林境
■古城等について
▲元山城
『地下上申』に次の記述がある。
「古城山 壱ケ所 坪ノ内に有之
但吉見家陶御取相之節、陶出城之由申伝へ、城山段床凡弐間四方程、尤此尾続西ノ方に二ノ丸とも相見候段有之候事」
『風土注進案』には、「元山城」として、大久保村から西の蔵田村まで峰続きに道があったことや、阿武川を堰き止めて水を引き堀を構えたこと(「坪の内」の地名の由来という)などが記されている。
▲羽波城
『地下上申』に次の記述がある。
「古城山 壱ケ所 羽波御立山頭に有之
但断右に同し、尤段床広サ凡壱間四方程」
▲西目山
同名の山は、県内では防府の西目山が知られている。地下上申等を調べても徳佐地域では三角点名以外に西目山の名は見当たらない。南西麓の字名「西目谷」と何らかの関係があると思われるが、三角点設置の際、便宜上付けられた可能性もある。
同山は徳佐中と徳佐下の大字境にあり、点の記によると三角点地番の字名は西麓の「台」となっている。地下上申や風土注進案には御立山として台山がある。東西に長い台状の山を台山とすれば、西目山はその東端に位置し、台山の一角と見てもよいかもしれない。ここでは一応三角点名の西目山をそのまま採った。
2022-06-21 00:39
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