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三ツ岩山・勝山〈小野尾根ルート・谷ルート〉(下関市井田・小野) [県西部の山]

以前から勝山周辺の地形図を見るたび、北方の大字境に位置する三角点236.4mピークが気になっていたので、勝山と合わせて周回してみた。
井田側から取り付き、急勾配の疎林雑木斜面を上がり、岩尾根上を進み三角点山頂に達する。次は雑木尾根を南麓に下り、中国自動車道をくぐり、勝山の西尾根に取り付く。こちらも勾配のある雑木尾根を登り、山城跡の堀切を確認しながら山頂を踏む。帰路は登山道を南へ急降下し、鞍部から西の疎林谷を下って東山集落へ出た。
登山道以外はほとんど人が入っておらず、急勾配の斜面と自動車道沿いでやや手こずるもののこれといったひどいヤブもなく歩ける。(2024.2.17)
IMG_6144三ツ岩山.JPG西麓から三ツ岩山
IMG_6148勝山.JPG勝山
2024.02.17三ツ岩山・勝山.jpg(1,2クリックで拡大)

●駐車地~△別当(仮称 三ツ岩山)
県道33号沿いのミニ道路公園風のところに車を置く。道路沿いに西へ100mほど進んだところの法面から取り付く。
IMG_6001駐車地.JPG駐車地
IMG_6002取り付き.JPG取り付き

枯れた倒竹がまじる雑木の緩やかな斜面を右へややトラバース気味に登る。最近人が入った形跡はなく明瞭な踏み跡らしきものはないが、疎林なので歩きやすいところを選びながら上をめざす。
IMG_6004枯れた倒竹.JPG枯れた倒竹
IMG_6005雑木疎林の緩斜面.JPG雑木疎林の緩斜面

スギ植林に出合うが長くはない。勾配が次第にきつくなり、手がかりになる木を目で追いながら、なんとか尾根上に出る。
IMG_6006スギ植林.JPGスギ植林
IMG_6007疎林斜面.JPG疎林斜面
IMG_6009疎林急斜面.JPG疎林急斜面
IMG_6011尾根出合い(130m).JPG尾根出合い(標高130m)

尾根上も疎林が続き、勾配も緩むので歩きやすくなる。まもなく岩が目立ちはじめ小規模の岩尾根が続く。
IMG_6015岩尾根.JPG岩尾根
IMG_6016岩尾根.JPG岩尾根
IMG_6018岩尾根を左に巻く.JPG岩尾根を左に巻く
IMG_6019雰囲気がある尾根.JPG雰囲気のある尾根

登り切り岩が重なった先が山頂で、四等三角点「別当」を見る。
少し先に石杭がある。
IMG_6020山頂手前.JPG山頂手前
IMG_6021三ツ岩山山頂.JPG三ツ岩山山頂
IMG_6022四等三角点「別当」.JPG四等三角点「別当」
IMG_6025東側からの山頂・石杭.JPG山頂(東側から)・石杭

山頂からは、枝越しだが南に勝山、西に烏帽子山から老僧山への山並みが望める。
IMG_6023勝山方向.JPG勝山方向
IMG_6024烏帽子山方向.JPG烏帽子山方向

●~中国自動車道出合い
次に勝山をめざすため、南麓に下ることにする。まずは雑木尾根を東に向かい、不明瞭だが支尾根分岐点と思える標高200mあたりで方向を南に定めて下る。
IMG_6026疎林尾根.JPG疎林尾根
IMG_6027疎林尾根.JPG疎林尾根
IMG_6028支尾根分岐点・南へ方向を変える.JPG支尾根分岐点・南へ

まもなくプラ杭を見るとすぐに水平道の先端部に降り立つ。支尾根間を結ぶように付けられた道らしく、以前の斜面掘削か植林伐採時のものかもしれない。
水平道を右へ進むと、次の支尾根上で南へ方向を変え、尾根上を下る道となる。
IMG_6029巻き道に出る.JPG巻き道に出る
IMG_6030支尾根出合い.JPG支尾根出合い

途中左に道を分け、さらに下るとすぐに道が不明瞭となる。かまわず雑木尾根を下っていくと、前方が小さなガケ状の段状地となったところであきらめ、左方向へ小尾根を下る。
IMG_6031道が左谷へ分岐.JPG左谷への分岐道
IMG_6032道が怪しくなる.JPG道が怪しくなる
IMG_6033平坦地に出る.JPG平坦地に出る
IMG_6034左の小尾根へ下る(前方に段状地).JPG前方に段状地で左へ向かう

下方に自動車道を走る車の音が聞こえはじめ、最後は雑木疎林の谷へ降り立つ。
IMG_6035小尾根を下る.JPG小尾根を下る
IMG_6036左の谷へ下る.JPG左の谷へ降り立つ

自動車道沿いに右(西)へ向かうと広場に出て、さらにやや草被りの荒れ地を抜けていくと企業の職員用と思われる駐車場に出合う。駐車場沿いに左に向かうと自動車道のガード「小月42」に出合う。
IMG_6037広場に出る・左に自動車道.JPG広場に出る
IMG_6038企業駐車場出合い.JPG駐車場出合い
IMG_6039自動車道ガード「小月44」.JPGガード「小月42」

●~勝山
ガードを抜け、フェンス沿いに西へ100mほど行くと行き止まりとなる。仕方なく左のシダが被るガケ状の斜面を少しよじ登ると自動車道の法面上に出る。
IMG_6041フェンスと水路沿いに進む.JPGフェンス沿いに進む
IMG_6042フェンス行き止まり.JPG行き止まり
IMG_6043自動車道の法面上へ出る.JPG自動車道法面上へ出る

法面上の水平道を少し進み、注意しながら斜面を少し下るとふたたびフェンス沿いの道を進む。まもなく幅広の管理道となり、左に林道跡が分岐するところでガード「小月44」に出合う。
IMG_6044フェンス沿いに斜面を下る(逆方向).JPGフェンス沿いに斜面を下る(逆方向)
IMG_6046フェンス沿いの広い管理道.JPGフェンス沿いの広い管理道
IMG_6052左に林道跡?が分岐.JPG左に林道跡?が分岐
IMG_6047ガード「小月44」.JPGガード「小月44」

一旦ガードをくぐって自動車道の北側に出てみると、前方が大きく開け、烏帽子山から老僧山の山並みと、先ほど登った三ツ岩山が見渡せる。眼下には伐採斜面と林道らしきものが見える。こちらをエスケープルートにできそうだなと思いながらガードを戻る。
IMG_6049烏帽子山~老僧山に続く稜線(1).JPG烏帽子山~老僧山に続く稜線(1)
IMG_6050烏帽子山~老僧山に続く稜線(2).JPG稜線(2)
IMG_6048三ツ岩山.JPG三ツ岩山
IMG_6051下に林道?.JPG下に林道?

管理道を先に進むと上り勾配の道に変わり、登り切って水平道に変わるところから勝山へ続く尾根に取り付く。
IMG_6053フェンス沿いの管理道を登る.JPG管理道を登る
IMG_6054尾根取り付き.JPG尾根取り付き

だだっ広い雑木斜面を登っていくと、支尾根が合わさるあたりで大きなヌタ場を見る。
IMG_6055広い尾根.JPG広い尾根
IMG_6056ヌタ場①.JPGヌタ場①

落石防護柵をいくつか過ごしながら、次第に勾配がきつくなると標高170mあたりで落石防護用のワイヤーロープ箇所を右に過ごす。
IMG_6057落石防護柵.JPG落石防護柵
IMG_6058疎林斜面.JPG疎林斜面
IMG_6060落石防止のワイヤーロープ.JPGワイヤーロープ

急勾配の斜面をさらに頑張ると、標高240mの尾根合流点で勾配がやっと緩む。
IMG_6061急勾配.JPG急勾配
IMG_6062急勾配.JPG急勾配
IMG_6063尾根合流点(240m).JPG尾根合流点(240m)

ヌタ場を過ごすと、平坦地があり、わずかに石垣風のものを認める。
IMG_6064ヌタ場②.JPGヌタ場②
IMG_6066平坦地(曲輪?).JPG平坦地
IMG_6068石垣?.JPG石垣?

緩い勾配の雑木尾根をたんたんと登っていく。
IMG_6070雑木平坦尾根.JPG雑木平坦尾根
IMG_6072雑木尾根.JPG雑木尾根
IMG_6074雑木尾根.JPG雑木尾根

途中明瞭な堀切跡を確認しながら進み、堀切③を渡り、ややヤブ気味の雑木斜面を少しよじ登ると「ふるさと展望台」と名付けられた小さな展望地に出る。
IMG_6076堀切①.JPG堀切①
IMG_6077堀切①横から.JPG堀切①横から
IMG_6078雑木尾根.JPG雑木尾根
IMG_6079堀切②.JPG堀切②
IMG_6080雑木尾根.JPG雑木尾根
IMG_6081堀切③.JPG堀切③
IMG_6082堀切③横から.JPG堀切③横から
IMG_6083展望台手前の雑木ヤブ斜面.JPG展望台手前の雑木ヤブ斜面

まもなく二人連れの若者がやってきたので、展望写真をあわてて撮ると山頂へ向かった。
IMG_6089青山.JPG青山
IMG_6088烏帽子山.JPG烏帽子山
IMG_6087烏帽子山~老僧山の縦走路.JPG烏帽子山~老僧山の縦走路
IMG_6086老僧山の背後に竜王山・鬼ヶ城・狩音山.JPG老僧山、背後に竜王山・鬼ヶ城・狩音山
IMG_6084天狗坊山・表山.JPG天狗坊山・表山方向
IMG_6090山頂への平坦部.JPG山頂への平坦部(郭跡)

久しぶりの山頂は人もなく静かだった。展望を確認した後、下山にかかる。
IMG_6091勝山山頂.JPG勝山山頂
IMG_6092山頂.JPG山頂
IMG_6093説明板.JPG説明板
IMG_6094北方向の展望(表山・後方に華山).JPG北方向の展望(表山、後方に華山)
IMG_6095北東方向.JPG北東方向
IMG_6096四王司山.JPG四王司山

●~東山集落
石垣を見学した後、正面コースとの分岐を右に取る。
IMG_6097下山道.JPG下山道
IMG_6099石垣.JPG石垣
IMG_6098コース分岐①.JPGコース分岐

郭跡からロープが設置された岩場をジグザグに下っていくと「天狗の岩屋」がある。
IMG_6100郭.JPG郭跡
IMG_6102ロープ箇所.JPGロープ箇所
IMG_6103天狗の岩屋.JPG天狗の岩屋

二組の登山者とすれ違いながら大王寺近道と青山への縦走路の分岐に着く。
IMG_6105登山道.JPG登山道
IMG_6106石杭.JPG石杭
IMG_6107コース分岐.JPGコース分岐

ここから西側の谷へ下る。
踏み跡はないが雑木疎林でヤブコギはない。地形図上の破線道が始まるあたりから涸れ沢沿いに右岸側を歩くようになる。
IMG_6110疎林谷.JPG疎林谷
IMG_6111疎林谷.JPG疎林谷
IMG_6113涸れ沢沿い.JPG涸れ沢沿い
IMG_6114山道らしくなる.JPG山道らしくなる

ヒノキ林沿いに変わると明瞭な山道が現われ、まもなく沢を渡り(①)左岸に移る。
IMG_6115植林沿いの山道.JPG植林沿いの山道
IMG_6116沢渡り①.JPG沢渡り①

再び沢を渡り(➁)巻き道に変わると、やがて雑木林沿いとなり、右に棚田跡が続く。
IMG_6117沢渡り.JPG沢渡り②
IMG_6118雑木林沿いに変わる.JPG雑木林沿いに変わる

沢を渡り(③)巻き道を下っていくと、公社造林勝山事業地の看板を見てすぐに林道と合わさる。
IMG_6119沢渡り③.JPG沢渡り③
IMG_6120山道.JPG山道
IMG_6121林道出合い・造林看板.JPG林道出合い・造林看板
IMG_6122林道出合い(逆方向)・左が山道.JPG林道出合い(逆方向)・左が山道

畜舎などを過ごしながら林道を下り、「ガード48」をくぐり自動車道を抜けていくと集落道に出る。
IMG_6123林道.JPG林道
IMG_6126ガード「小月48」.JPGガード「小月48」
IMG_6127集落道出合い.JPG集落道出合い
IMG_6129東山集落から三ツ岩山.JPG東山集落から三ツ岩山
IMG_6130勝山.JPG勝山

●~ガード「小月44」~駐車地
ガード「小月44」北側の伐採地へのアクセスが気になったので、帰路立ち寄ってみた。
上方第3橋梁のガードのあるところから東に延びる舗装道に入る。200mほど進んだところにゲートがあり、その先は企業専用道と思われる。右に割状の山道が分かれるので、これを進む。
IMG_6131上方第3橋梁.JPG上方第3橋梁
IMG_6132分岐・左は企業道路?.JPG分岐・左は企業道路?
IMG_6133堀割道(右)・林道?(左).JPG堀割道(右)・林道?(左)
IMG_6134堀割道.JPG堀割道

枯れた倒竹がやや邪魔になるが、歩く分には支障はない。上方で平坦道となり自動車道のフェンス沿いに進むと、先刻のガード「小月44」のところに出る。
IMG_6135倒竹の堀割道.JPG倒竹の堀割道
IMG_6137堀割道.JPG堀割道
IMG_6138フェンス沿いの草被り平坦道.JPGフェンス沿いの草被り平坦道
IMG_6139三ツ岩山.JPG三ツ岩山

斜面を下ってみると平坦地に出る。林道と思っていたが、歩いてみると棚田跡の造成地で、棚田の石垣が段状のまま残っており、車は入れない。石垣をいくつか下りながら戻るとゲートのところに出た。
IMG_6140伐採斜面(逆方向).JPG伐採斜面(逆方向)
IMG_6142棚田跡(逆方向).JPG棚田跡(逆方向)

駐車地まで戻っていると、駐車地手前で三ツ岩山の斜面側に二ヶ所コンクリート階段が付けられていた。利用されている様子はないが、ここから山に取りつけるかもしれない。

■三ツ岩山について
三角点ピークについて、地元での現在の呼称は不明である。地下上申絵図(小野村地下図)にも当該箇所に山名の記載はない。
そこで絵図より時代が下がる豊浦藩村浦明細書を調べたところ、井田村・小野村の項に次の記述があった。
・井田村境
「南之方 小野村小くら山三ツ岩山鼻より前はだやま奥畑山之尾峯伝ひ道祖峠に下り(以下略)」
・小野村境
「東南ノ方 小倉山三ツ岩山鼻に登り前はた山に渡り奥畑峯に登り勝山北之側に取付(以下略)」
  また、点の記では山頂の土地の字名が「弥次郎」とあることから、周辺の字名をあたったところ、小野側では耕地・山林とも「弥二郎」があり、井田側では耕地に「東弥二郎」「西弥二郎」「小倉(こぐら)」、山林に「小倉」「小倉ヶ鼻」「弥次郎」があった。
とりあえずこれらを参考に山名をどうするか検討。字名から「弥次郎山」あるいは「小倉山」でもよいと思ったが、豊浦藩村浦明細書を根拠にすることにして、前はた(はだ)山と奥畑山は勝山側の山名と判断し、三ツ岩山の名をとることとした。
なお、山口県地方史研究第100号に縄田弘志さんが「勝山城址の出城遺構について」を寄稿されており、毛利氏が勝山城を攻めた際の付城(つけじろ※)だったのではないかということである。山頂東側に竪溝や腰郭などが認められるようだが、下山の際気が付かなかった。
※敵の城を攻める時、それと相対して築く城。
コメント(2) 

コメント 2

yamakan

勝山には40歳の誕生日に登りました。人生の行方を黙考しましたが、爾来、馬齢を重ね、最近では、近くの山の名前も思い出せなくなりました。猛暑で山中にて倒れないよう十分御留意ください。
by 山勘 (2017-08-03 06:19)
さらに7年経ち、腰は曲がり、登れる山は若山、四熊ヶ岳ぐらいになりました。
by yamakan (2024-02-28 06:24) 

gomen

四熊ヶ岳に登れればまだまだ大丈夫です。わたしも体力・気力や記憶力の衰えを感じるこのごろですが、まあぼちぼちやりましょう。
by gomen (2024-02-28 19:19) 

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