表山・岩口山・相ノ木山・山鳥ヶ浴頭・天狗坊山(下関市井田) [県西部の山]
先日来、首かたげ山・天狗坊山・西ノ嶽の縦走路を歩いていると、天狗坊山(450m)の分岐に付けられた道標に「相ノ木ライン」と記されているのが目につき、気になっていた。そこで、表山の新ルート開拓をかねて天狗坊山まで縦走してみた。
表山へは西麓の動物ふれ愛ランド側から尾根に取り付く。雑木と植林が半々ぐらいで、めだったヤブはない。登山ルートとしては開拓されていないようで、今のところテープ類はない。三角点の手前で巡視路と合流。表山・岩口山へは巡視路をたどる。
相ノ木山は巡視路を逸れるため未踏だった。最近ヤマップでもコース紹介されているようなので、楽勝かと思い、事前にコースを確かめずに臨んだところ、目立つようなテープ類はなく地図読みを強いられた。明瞭な踏み跡はないものの一部ササヤブを回避すればヤブコギするほどではない。
野々垰から天狗坊山までの縦走は2011年に逆方向で歩いている。途中で巡視路とわかれ、主に植林沿いの尾根歩きが続く。帰路は縦走路の途中から作業道に出て、ショートカットで戻った。(2024.3.27)
相ノ木山・岩口山・表山(上井田より)
巡視路から山鳥ヶ浴頭
(1,2クリックで拡大)
●駐車場~表山(△岩河内)
ヘルシーランドが定休日で車が置けないので、動物ふれ愛ランドの駐車場を借りる。動物慰霊碑を左に過ごし、岩河内橋を渡るとすぐに左の山側に入る。家屋跡なのか瓦が積まれた平坦地の奥から尾根に取り付く。左にはフェンスが張られている。
ふれ愛ランド駐車場・背後は相ノ木山
岩河内橋横の登山口
尾根取り付き
尾根はだだっ広く、崩れやすいのか幾筋も崩壊跡がある。疎林尾根の歩きやすいところを選びながら高みをめざす。
広い雑木疎林尾根
雑木尾根
植林が交じりはじめ、炭焼窯跡をふたつ過ごすと、平坦地を右に少しトラバースして植林境尾根に取り付く。
炭焼窯跡①
雑木交じり植林尾根
炭焼窯跡②
右の植林尾根境
シダがやや交る植林境を登り切ると220mピークに着く。植林頂部となっており、枝越しに岩口山などが望める。
シダ交じり植林境
植林境
220mピーク
岩口山
尾根を東にたどり、200m支尾根分岐点で方向を確認し、南へ向かう。
200m支尾根分岐点
雑木尾根・下り
鞍部
雑木尾根を登っていくと、左に植林が現れ270m支尾根合流点に着く。
雑木尾根・上り
雑木尾根・上り
250m支尾根合流点
植林境・上り
270m支尾根合流点
雑木尾根を登り、白ポールの立つ310m支尾根合流点で植林沿いに変わる。
雑木尾根・上り
310m支尾根合流点・白ポール
緩い勾配の植林尾根をたどり、320m支尾根合流点、白ポールを過ごし、平坦な340m①支尾根合流点に着く。
320m支尾根合流点
白ポール・植林沿い
炭焼窯跡?
雑木交じり・上り
340m①平坦支尾根分岐点
植林の中で方向を定め東方向へ直進していくと、白ポールの立つ340m②支尾根合流点で巡視路と出合う。
植林尾根
340m②平坦支尾根分岐点・巡視路出合い・白ポール
巡視路をたどると、高圧線鉄塔が建ち、三等三角点「岩河内」がすわる表山に着く。
巡視路
巡視路
高圧線鉄塔
三等三角点「岩河内」.
360度とまではいかないが270度ほどの展望が得られる。
竜王山
いぬくす山・ここヶ添山、背後に鬼ヶ城・狩音山
岩口山
雌笠山・雄笠山
清末・稲積山・神田
四王司山
勝山(右)
●~岩口山(390m)~相ノ木山(385m)
北方向に続く巡視路をたどる。
二つの白ポールを確認するとプラ段の上りとなる。
巡視路・植林沿い
巡視路
白ポール
白ポール・プラ段
三つ目の白ポールを過ごすと、鉄塔が建つ岩口山山頂に達する。
巡視路
白ポール
岩口山山頂・鉄塔
石組?
石組(逆方向)
石杭
四王司山・竜王山・鬼ヶ城・狩音山などが見渡せる。
四王司山
竜王山
鬼ヶ城・狩音山
北東方向の尾根上が少し伐採されているので植林境を下ってみる。
ここからは枝越しに西ノ嶽・華山などが望める。
小伐採地
西ノ嶽・天狗坊山・首かたげ山
山鳥ヶ浴頭
京ヶ嶽・華山
鉄塔の西側から巡視路を下る。北西方向の急斜面上にプラ段がジグザグに付けられている。
巡視路・プラ段
巡視路
巡視路
330m支尾根分岐点・白ポール
白ポールを過ごし、最低鞍部(松ヶ垰)から相ノ木山をめざして登り返す。
白ポール・鞍部
プラ段
巡視路は尾根を右方向にトラバースしながら続く。谷を横切るあたりは少し崩落したらしくそま道状になっている。
巡視路・谷沿い
谷をトラバース
巡視路
山頂南東側の支尾根上に着くと、巡視路は鉄塔が建つ次の支尾根へ向かうが、ここで、この支尾根に取り付き山頂をめざすことにする。すぐ上に電柱が建つ。
支尾根出合い
雑木尾根・電柱
雑木尾根でツルがからむが、ひどいヤブはない。
登り切ると白ポールの立つ平坦地に出る。
雑木尾根
白ポール
さらに上方をめざすと相ノ木山山頂に至る。ここにも白ポールが立つ。私製の山名プレートが木に付けられている。雑木に囲まれ展望は得られない。
山頂手前
相ノ木山山頂・白ポール
山名プレート
●~野々垰
野々垰をめざし下りにかかる。目印らしきテープは見当たらないので、北東尾根を下ってみる。
コン杭の立つ370m支尾根分岐点をさらに北東へ下る。雑木尾根だが左は植林谷となっている。
北東雑木尾根・下り
370m支尾根分岐点・コン杭
雑木尾根・下り
白ポールの立つ330m支尾根分岐点に着く。鉄塔が建つ東方向へ下るつもりだったが、ササヤブに行く手をはばまれる。そこで前方に電柱が見えたので、そのまま北東方向へ少し下ると、電柱「カミイダ72」と出合う。
330m支尾根分岐点・白ポール
ササヤブ
電柱「カミイダ72」
ここから右へ斜面をトラバース気味に下っていくと右の支尾根上で巡視路と出合う。すぐ先の鉄塔(NO.130)まで進む。
下に幅広道
巡視路出合い(逆方向)
前方に鉄塔
鉄塔No.130
鉄塔からは前後に山鳥ヶ浴頭や岩口山、右手に雌笠山・雄笠山などが望める。
山鳥ヶ浴頭
岩口山
雌笠山・雄笠山
野々垰へ向かう。すぐ右に巡視路が下っているが、さらに幅広道が前方に延びているので、これを下ってみる。路肩が丸太で補強されており、巡視路が新設されたようだ。土質が赤土のため雨上がりは滑りやすく、慎重に下っていくと、旧巡視路と合わさり、野々垰近くの舗装道に出た。
巡視路
巡視路
巡視路
舗装道出合い
●~鉄塔No.131~鉄塔No.132~山鳥ヶ浴頭(424m)
野々垰で中電標柱を確認し、巡視路に取り付く。
明瞭な巡視路をたどり、鉄塔No.131の建つ250mピークに着く。
巡視路取り付き・標柱
巡視路
白ポール・鞍部
巡視路
鉄塔No.131・250mピーク
巡視路を北に向かい。鞍部で標柱を確認し、幅広の巡視路をたどる。こちらの巡視路も付け替えられたようだが、やや年数が経っている。まもなく植林境の280m鞍部に出る。
巡視路
巡視路・標柱
巡視路
280m鞍部
右へジグザグに登ると310m支尾根合流点に出て標柱を見る。尾根伝いに進むと鉄塔No.132が建つ321mピークに着く。
巡視路
標柱
鉄塔No.132・321mピーク
前方の山鳥ヶ浴頭のほか、清末方面、雌笠山・雄笠山などが見渡せる。
清末方面、背後に蓮台寺山・石山など
雌笠山・雄笠山
山鳥ヶ浴頭
400mピーク(ここヶ添山)
北に続く巡視路をたどり、鞍部を登り返すと、右へトラバースする巡視路とわかれ前方の雑木尾根に取り付く。
巡視路・鞍部
尾根取り付き・巡視路わかれ
すぐに白ポールを過ごし、雑木尾根を登り切ると370m支尾根合流点に着く。
白ポール
雑木尾根・上り
360m支尾根合流点
雑木尾根・上り
370m支尾根合流点・植林出合い
すぐ先の鞍部から左谷のすぐ下に作業道を見る。
鞍部
下方に林道
さらに植林境尾根を登り、400m、410m支尾根分岐点を過ごすと424mの山鳥ヶ浴頭に着く。植林頂部のピークだが展望は得られない。
植林境・上り
400m支尾根合流点
植林境・鞍部
植林境・上り
410m支尾根合流点
山鳥ヶ浴頭・コン杭(倒)
プレート
●~天狗坊山(450m)
天狗坊山をめざし植林沿いに尾根を進む。400m支尾根分岐点からやや灌木が交る尾根を下ると、鞍部で左後方に林道終点が見え、そちらへ踏み跡が続いている。
植林尾根・灌木交じり
390m鞍部
左に林道が見える
なだらかな植林沿いの尾根が続き、白ポールを二つ過ごし、登り切ると天狗坊山に着く。
植林平坦尾根
白ポール・380m支尾根合流点
平坦尾根
白ポール
植林尾根・上り
410m支尾根合流点
緩やかな上り
山頂手前
天狗坊山・白ポール.
●~林道川頭線~駐車地
天狗坊山で折り返す。途中右谷に数か所作業道が見えたが、標高差が結構あるので下るのをあきらめる。結局作業道への最短地点、山鳥ヶ浴頭北西鞍部まで戻り、踏み跡をたどって作業道へ出た。作業道は造成してそれほど年月を経ていないようだ。
踏み跡・前方に作業道
作業道終点出合い
作業道終点(逆方向)
作業道を下り、分岐は直進してみる。
作業道分岐・直進する
作業道
谷を回り込んだところで崩落箇所がある。現在は道が確保されているが、時間の問題かもしれない。
崩落箇所(上部)
さらに次のヘアピンカーブで崩落箇所の下に出ると、道は完全に崩落し、土砂と倒木で埋まっていた。今のところ踏み跡が付いていて歩けるが、さらに崩壊が進む可能性はある。
崩落箇所(下部)
崩落箇所(逆方向)
作業道を途中分岐もなく下り切ると、林道と出合うところで伐採木がバリケード状に重なっていたので、よけながら林道に出る。
作業道
ヘアピンカーブ箇所
作業道
林道川頭線
伐採木のバリケード
林道川頭線出合い
林道を左に進み、舗装道に出ると右に向かい、奥山工場からの車道に出合う。
林道
ここヶ添山
舗装道出合い
舗装道
相ノ木山・奥山工場
車止め
見返り橋・市道出合い
■旧村境について
当山域の山名同定のため、関係する旧4村(小野・阿内・山田・員光)について地下上申の境目書と絵図を調べたところ、村境に食い違いのあることが判明した。村境の位置によっては山名同定に影響を与える可能性があるので精査してみた。
(1)村境の相違点
当山域での旧村(大字)の位置関係をおおまかに言うと、西に小野村(うち小村の井田村)、東に阿内(おうち)・山田・員光(かずみつ)の3村が並ぶ。
これら4村境の相違点についての調査結果を以下に示す。
(注)地下上申絵図については、小野村・阿内村は地下図に拠った。員光村・山田村は合併した図となっており清図及び地下図があるが、藩によって調整された清図に拠った。
①小野村(井田村)
・境目書・絵図とも阿内村及び員光村との境を相ノ木山と岩口山間の鞍部(松ヶ垰)としており、山田村との境の記載がない。
・絵図には岩口山山頂部に「これより山田村」の説明書きがある。
②阿内村
・境目書では小野村との境を「野々垰」、山田村との境を「野々垰山」としており、小野・阿内・山田の3村境が一致していない。
・絵図では小野・阿内・山田の3村境を「野々垰山」としている。
③山田村
・境目書では小野・阿内・山田の3村境を「野々垰」、小野・山田・員光の3村境を「松ヶ垰」としている。
・絵図では、小野・阿内・山田の3村境を「野々垰山」、小野・山田・員光の3村境を「松ヶ垰」としている(ただし「松ヶ垰山」の可能性もある)。
④員光村
・境目書・絵図とも、小野・山田・員光の3村境を「松ヶ垰」としている(ただし「松ヶ垰山」の可能性もある)。
(2)村境の推定
境目書における「〇〇垰から尾筋を下り」といった記述や、絵図では垰から尾根筋の線を描いたところがあることから、「垰」と「垰山」の混乱が生じ、村境の食い違いの一因となっていると思われる。
そこで、上記(1)の各村境間の相違点を調整し、下記のとおり推定してみた。
①小野・阿内・山田の3村境・・・上記(1)①・②・③の調整
・阿内村及び山田村の絵図の記載に合わせ、「野々垰山」とする。
②小野・山田・員光の3村境・・・上記(1)①・③・④の調整
・山田村及び員光村の境目書・絵図に合わせ、「松ヶ垰」とする(ただし「松ヶ垰山」の可能性もある)。
これらを整理すると以下の図となる。また、小野・山田・員光の3村境を「松ヶ垰山」と判断すれば、現在の大字境とすべて一致する。
■山名について
※上記で推定した村境をもとに、次の3山の山名を同定した。
▲表山(△岩河内・359.5m)
地下上申の員光村隣村境目書や、『豊浦藩村浦明細書』の「員光山田神田三ヶ村明細書」村境の項に「表山」の名が見える。
員光・山田村地下図では、表山の小野村側を岩口山と注記しているが、員光・山田村清図によれば、東麓の中村から尾根続きの山であることは明らかであり、当ピークを表山とした。
※ヤマップなどでは、現在当ピーク北側390mを表山としているので注意を要する。
▲岩口山(390m)
小野村の隣村境目書・地下図に「岩口山」とある。西側の谷を「岩河内」と言い、字名も岩河内である。麓の橋にも名がある。(「いわごうち山」がなまって「いわくち山」となったのだろうか?)
員光・山田村清図では「松ヶ垰山」としている。
員光・山田村地下図では当ピークに山名の記載はなく、小野村側を相ノ木山と注記しているが、これは誤りだろう。
ここでは、小野村側の呼称「岩口山」を採用した。
▲相ノ木山(385m)
小野村の隣村境目書・地下図に「相ノ木山」が見える。
阿内村の隣村境目書・地下図及び員光・山田村清図では「野々垰山」としている。
ここでは小野村側の呼称「相ノ木山」を採用した。
▲山鳥ヶ浴頭
小野村の隣村境目書と地下図に山名がある。
河内村側の絵図等には山名の記載がないことから、「山鳥ヶ浴」は小野村側の谷名と推測される。
▲天狗坊山
2月24日の山行記録の説明を参照。
表山へは西麓の動物ふれ愛ランド側から尾根に取り付く。雑木と植林が半々ぐらいで、めだったヤブはない。登山ルートとしては開拓されていないようで、今のところテープ類はない。三角点の手前で巡視路と合流。表山・岩口山へは巡視路をたどる。
相ノ木山は巡視路を逸れるため未踏だった。最近ヤマップでもコース紹介されているようなので、楽勝かと思い、事前にコースを確かめずに臨んだところ、目立つようなテープ類はなく地図読みを強いられた。明瞭な踏み跡はないものの一部ササヤブを回避すればヤブコギするほどではない。
野々垰から天狗坊山までの縦走は2011年に逆方向で歩いている。途中で巡視路とわかれ、主に植林沿いの尾根歩きが続く。帰路は縦走路の途中から作業道に出て、ショートカットで戻った。(2024.3.27)
相ノ木山・岩口山・表山(上井田より)
巡視路から山鳥ヶ浴頭
(1,2クリックで拡大)
●駐車場~表山(△岩河内)
ヘルシーランドが定休日で車が置けないので、動物ふれ愛ランドの駐車場を借りる。動物慰霊碑を左に過ごし、岩河内橋を渡るとすぐに左の山側に入る。家屋跡なのか瓦が積まれた平坦地の奥から尾根に取り付く。左にはフェンスが張られている。
ふれ愛ランド駐車場・背後は相ノ木山
岩河内橋横の登山口
尾根取り付き
尾根はだだっ広く、崩れやすいのか幾筋も崩壊跡がある。疎林尾根の歩きやすいところを選びながら高みをめざす。
広い雑木疎林尾根
雑木尾根
植林が交じりはじめ、炭焼窯跡をふたつ過ごすと、平坦地を右に少しトラバースして植林境尾根に取り付く。
炭焼窯跡①
雑木交じり植林尾根
炭焼窯跡②
右の植林尾根境
シダがやや交る植林境を登り切ると220mピークに着く。植林頂部となっており、枝越しに岩口山などが望める。
シダ交じり植林境
植林境
220mピーク
岩口山
尾根を東にたどり、200m支尾根分岐点で方向を確認し、南へ向かう。
200m支尾根分岐点
雑木尾根・下り
鞍部
雑木尾根を登っていくと、左に植林が現れ270m支尾根合流点に着く。
雑木尾根・上り
雑木尾根・上り
250m支尾根合流点
植林境・上り
270m支尾根合流点
雑木尾根を登り、白ポールの立つ310m支尾根合流点で植林沿いに変わる。
雑木尾根・上り
310m支尾根合流点・白ポール
緩い勾配の植林尾根をたどり、320m支尾根合流点、白ポールを過ごし、平坦な340m①支尾根合流点に着く。
320m支尾根合流点
白ポール・植林沿い
炭焼窯跡?
雑木交じり・上り
340m①平坦支尾根分岐点
植林の中で方向を定め東方向へ直進していくと、白ポールの立つ340m②支尾根合流点で巡視路と出合う。
植林尾根
340m②平坦支尾根分岐点・巡視路出合い・白ポール
巡視路をたどると、高圧線鉄塔が建ち、三等三角点「岩河内」がすわる表山に着く。
巡視路
巡視路
高圧線鉄塔
三等三角点「岩河内」.
360度とまではいかないが270度ほどの展望が得られる。
竜王山
いぬくす山・ここヶ添山、背後に鬼ヶ城・狩音山
岩口山
雌笠山・雄笠山
清末・稲積山・神田
四王司山
勝山(右)
●~岩口山(390m)~相ノ木山(385m)
北方向に続く巡視路をたどる。
二つの白ポールを確認するとプラ段の上りとなる。
巡視路・植林沿い
巡視路
白ポール
白ポール・プラ段
三つ目の白ポールを過ごすと、鉄塔が建つ岩口山山頂に達する。
巡視路
白ポール
岩口山山頂・鉄塔
石組?
石組(逆方向)
石杭
四王司山・竜王山・鬼ヶ城・狩音山などが見渡せる。
四王司山
竜王山
鬼ヶ城・狩音山
北東方向の尾根上が少し伐採されているので植林境を下ってみる。
ここからは枝越しに西ノ嶽・華山などが望める。
小伐採地
西ノ嶽・天狗坊山・首かたげ山
山鳥ヶ浴頭
京ヶ嶽・華山
鉄塔の西側から巡視路を下る。北西方向の急斜面上にプラ段がジグザグに付けられている。
巡視路・プラ段
巡視路
巡視路
330m支尾根分岐点・白ポール
白ポールを過ごし、最低鞍部(松ヶ垰)から相ノ木山をめざして登り返す。
白ポール・鞍部
プラ段
巡視路は尾根を右方向にトラバースしながら続く。谷を横切るあたりは少し崩落したらしくそま道状になっている。
巡視路・谷沿い
谷をトラバース
巡視路
山頂南東側の支尾根上に着くと、巡視路は鉄塔が建つ次の支尾根へ向かうが、ここで、この支尾根に取り付き山頂をめざすことにする。すぐ上に電柱が建つ。
支尾根出合い
雑木尾根・電柱
雑木尾根でツルがからむが、ひどいヤブはない。
登り切ると白ポールの立つ平坦地に出る。
雑木尾根
白ポール
さらに上方をめざすと相ノ木山山頂に至る。ここにも白ポールが立つ。私製の山名プレートが木に付けられている。雑木に囲まれ展望は得られない。
山頂手前
相ノ木山山頂・白ポール
山名プレート
●~野々垰
野々垰をめざし下りにかかる。目印らしきテープは見当たらないので、北東尾根を下ってみる。
コン杭の立つ370m支尾根分岐点をさらに北東へ下る。雑木尾根だが左は植林谷となっている。
北東雑木尾根・下り
370m支尾根分岐点・コン杭
雑木尾根・下り
白ポールの立つ330m支尾根分岐点に着く。鉄塔が建つ東方向へ下るつもりだったが、ササヤブに行く手をはばまれる。そこで前方に電柱が見えたので、そのまま北東方向へ少し下ると、電柱「カミイダ72」と出合う。
330m支尾根分岐点・白ポール
ササヤブ
電柱「カミイダ72」
ここから右へ斜面をトラバース気味に下っていくと右の支尾根上で巡視路と出合う。すぐ先の鉄塔(NO.130)まで進む。
下に幅広道
巡視路出合い(逆方向)
前方に鉄塔
鉄塔No.130
鉄塔からは前後に山鳥ヶ浴頭や岩口山、右手に雌笠山・雄笠山などが望める。
山鳥ヶ浴頭
岩口山
雌笠山・雄笠山
野々垰へ向かう。すぐ右に巡視路が下っているが、さらに幅広道が前方に延びているので、これを下ってみる。路肩が丸太で補強されており、巡視路が新設されたようだ。土質が赤土のため雨上がりは滑りやすく、慎重に下っていくと、旧巡視路と合わさり、野々垰近くの舗装道に出た。
巡視路
巡視路
巡視路
舗装道出合い
●~鉄塔No.131~鉄塔No.132~山鳥ヶ浴頭(424m)
野々垰で中電標柱を確認し、巡視路に取り付く。
明瞭な巡視路をたどり、鉄塔No.131の建つ250mピークに着く。
巡視路取り付き・標柱
巡視路
白ポール・鞍部
巡視路
鉄塔No.131・250mピーク
巡視路を北に向かい。鞍部で標柱を確認し、幅広の巡視路をたどる。こちらの巡視路も付け替えられたようだが、やや年数が経っている。まもなく植林境の280m鞍部に出る。
巡視路
巡視路・標柱
巡視路
280m鞍部
右へジグザグに登ると310m支尾根合流点に出て標柱を見る。尾根伝いに進むと鉄塔No.132が建つ321mピークに着く。
巡視路
標柱
鉄塔No.132・321mピーク
前方の山鳥ヶ浴頭のほか、清末方面、雌笠山・雄笠山などが見渡せる。
清末方面、背後に蓮台寺山・石山など
雌笠山・雄笠山
山鳥ヶ浴頭
400mピーク(ここヶ添山)
北に続く巡視路をたどり、鞍部を登り返すと、右へトラバースする巡視路とわかれ前方の雑木尾根に取り付く。
巡視路・鞍部
尾根取り付き・巡視路わかれ
すぐに白ポールを過ごし、雑木尾根を登り切ると370m支尾根合流点に着く。
白ポール
雑木尾根・上り
360m支尾根合流点
雑木尾根・上り
370m支尾根合流点・植林出合い
すぐ先の鞍部から左谷のすぐ下に作業道を見る。
鞍部
下方に林道
さらに植林境尾根を登り、400m、410m支尾根分岐点を過ごすと424mの山鳥ヶ浴頭に着く。植林頂部のピークだが展望は得られない。
植林境・上り
400m支尾根合流点
植林境・鞍部
植林境・上り
410m支尾根合流点
山鳥ヶ浴頭・コン杭(倒)
プレート
●~天狗坊山(450m)
天狗坊山をめざし植林沿いに尾根を進む。400m支尾根分岐点からやや灌木が交る尾根を下ると、鞍部で左後方に林道終点が見え、そちらへ踏み跡が続いている。
植林尾根・灌木交じり
390m鞍部
左に林道が見える
なだらかな植林沿いの尾根が続き、白ポールを二つ過ごし、登り切ると天狗坊山に着く。
植林平坦尾根
白ポール・380m支尾根合流点
平坦尾根
白ポール
植林尾根・上り
410m支尾根合流点
緩やかな上り
山頂手前
天狗坊山・白ポール.
●~林道川頭線~駐車地
天狗坊山で折り返す。途中右谷に数か所作業道が見えたが、標高差が結構あるので下るのをあきらめる。結局作業道への最短地点、山鳥ヶ浴頭北西鞍部まで戻り、踏み跡をたどって作業道へ出た。作業道は造成してそれほど年月を経ていないようだ。
踏み跡・前方に作業道
作業道終点出合い
作業道終点(逆方向)
作業道を下り、分岐は直進してみる。
作業道分岐・直進する
作業道
谷を回り込んだところで崩落箇所がある。現在は道が確保されているが、時間の問題かもしれない。
崩落箇所(上部)
さらに次のヘアピンカーブで崩落箇所の下に出ると、道は完全に崩落し、土砂と倒木で埋まっていた。今のところ踏み跡が付いていて歩けるが、さらに崩壊が進む可能性はある。
崩落箇所(下部)
崩落箇所(逆方向)
作業道を途中分岐もなく下り切ると、林道と出合うところで伐採木がバリケード状に重なっていたので、よけながら林道に出る。
作業道
ヘアピンカーブ箇所
作業道
林道川頭線
伐採木のバリケード
林道川頭線出合い
林道を左に進み、舗装道に出ると右に向かい、奥山工場からの車道に出合う。
林道
ここヶ添山
舗装道出合い
舗装道
相ノ木山・奥山工場
車止め
見返り橋・市道出合い
■旧村境について
当山域の山名同定のため、関係する旧4村(小野・阿内・山田・員光)について地下上申の境目書と絵図を調べたところ、村境に食い違いのあることが判明した。村境の位置によっては山名同定に影響を与える可能性があるので精査してみた。
(1)村境の相違点
当山域での旧村(大字)の位置関係をおおまかに言うと、西に小野村(うち小村の井田村)、東に阿内(おうち)・山田・員光(かずみつ)の3村が並ぶ。
これら4村境の相違点についての調査結果を以下に示す。
(注)地下上申絵図については、小野村・阿内村は地下図に拠った。員光村・山田村は合併した図となっており清図及び地下図があるが、藩によって調整された清図に拠った。
①小野村(井田村)
・境目書・絵図とも阿内村及び員光村との境を相ノ木山と岩口山間の鞍部(松ヶ垰)としており、山田村との境の記載がない。
・絵図には岩口山山頂部に「これより山田村」の説明書きがある。
②阿内村
・境目書では小野村との境を「野々垰」、山田村との境を「野々垰山」としており、小野・阿内・山田の3村境が一致していない。
・絵図では小野・阿内・山田の3村境を「野々垰山」としている。
③山田村
・境目書では小野・阿内・山田の3村境を「野々垰」、小野・山田・員光の3村境を「松ヶ垰」としている。
・絵図では、小野・阿内・山田の3村境を「野々垰山」、小野・山田・員光の3村境を「松ヶ垰」としている(ただし「松ヶ垰山」の可能性もある)。
④員光村
・境目書・絵図とも、小野・山田・員光の3村境を「松ヶ垰」としている(ただし「松ヶ垰山」の可能性もある)。
(2)村境の推定
境目書における「〇〇垰から尾筋を下り」といった記述や、絵図では垰から尾根筋の線を描いたところがあることから、「垰」と「垰山」の混乱が生じ、村境の食い違いの一因となっていると思われる。
そこで、上記(1)の各村境間の相違点を調整し、下記のとおり推定してみた。
①小野・阿内・山田の3村境・・・上記(1)①・②・③の調整
・阿内村及び山田村の絵図の記載に合わせ、「野々垰山」とする。
②小野・山田・員光の3村境・・・上記(1)①・③・④の調整
・山田村及び員光村の境目書・絵図に合わせ、「松ヶ垰」とする(ただし「松ヶ垰山」の可能性もある)。
これらを整理すると以下の図となる。また、小野・山田・員光の3村境を「松ヶ垰山」と判断すれば、現在の大字境とすべて一致する。
■山名について
※上記で推定した村境をもとに、次の3山の山名を同定した。
▲表山(△岩河内・359.5m)
地下上申の員光村隣村境目書や、『豊浦藩村浦明細書』の「員光山田神田三ヶ村明細書」村境の項に「表山」の名が見える。
員光・山田村地下図では、表山の小野村側を岩口山と注記しているが、員光・山田村清図によれば、東麓の中村から尾根続きの山であることは明らかであり、当ピークを表山とした。
※ヤマップなどでは、現在当ピーク北側390mを表山としているので注意を要する。
▲岩口山(390m)
小野村の隣村境目書・地下図に「岩口山」とある。西側の谷を「岩河内」と言い、字名も岩河内である。麓の橋にも名がある。(「いわごうち山」がなまって「いわくち山」となったのだろうか?)
員光・山田村清図では「松ヶ垰山」としている。
員光・山田村地下図では当ピークに山名の記載はなく、小野村側を相ノ木山と注記しているが、これは誤りだろう。
ここでは、小野村側の呼称「岩口山」を採用した。
▲相ノ木山(385m)
小野村の隣村境目書・地下図に「相ノ木山」が見える。
阿内村の隣村境目書・地下図及び員光・山田村清図では「野々垰山」としている。
ここでは小野村側の呼称「相ノ木山」を採用した。
▲山鳥ヶ浴頭
小野村の隣村境目書と地下図に山名がある。
河内村側の絵図等には山名の記載がないことから、「山鳥ヶ浴」は小野村側の谷名と推測される。
▲天狗坊山
2月24日の山行記録の説明を参照。
2024-04-03 23:52
コメント(2)
こんにちは。本日、白山山頂下でお話したピークハンターの海彦山彦です。あのあと、4座を登り14時には帰途につきました。早速ブログの最新記事のみ拝見させていただきました。例の天狗坊山の件も含め、とても参考になりました。他のブログも含め、今後の山行の参考にさせていただきます。私のHPはとても拙いものですが、九州の山の参考になれば幸いです。今後とも情報交換よろしくお願いします。
by 海彦山彦 (2024-04-06 16:58)
さっそくのコメントありがとうございます。
あれから4座も?まさに驚異ですね。わたしの方はだんだんカメに近づきつつあります。あのあと西麓に降り、支尾根を登り返しながら麓を半周して戻りました。
貴HP拝見しました。下関市内の未踏の山がいくつもあったので、これも驚きです。また訪問させていただきます。お連れの若い方にもよろしく。
by gomen (2024-04-06 19:07)