堤田ノ頭・遠見岩ノ頭・大垰山(周南市四熊) [県央部の山]
法師ヶ岳の東に連なる山並みを歩いてみた。
送電線鉄塔が新設されており、その管理道や巡視路を利用して歩ける。新設鉄塔は北東方向へ続いていて、巡視路・標柱設置など周辺整備もこれからさらに進められるものと思われる。(2022.2.14)
鉄塔No.25・No.26
No.27・No.28
(1,2クリックで拡大)
●駐車地~大津ノ垰
井谷集落に入り、通信塔そばの県道路肩スペースに駐車。県道を南下し、集落道が右へ二手に分岐するところで左道の方へ入る。すぐに農道に変わり、民家下の第19番札所の分岐を直進し、諏訪神社に立ち寄る。
石段を上がると境内の奥に石祠が2基座っている。岩上に据えられた狛犬はめずらしい。
農道分岐(左道へ進む)
石垣沿い
19番札所
石段・鳥居
石祠2基
岩上の狛犬
分岐へ戻り、棚田の立派な石垣沿いに農道を進む。小屋を二つ過ごすと植林沿いの山道となり、登り切ると峠(大津ノ垰)へ達する。
峠の最高処はササが少し被っているが、明瞭な道が地形図の破線道と同様南側の武井方面へ下っている。
石垣沿いの農道
小屋①
法師ヶ岳
小屋➁
支尾根を横切る
丸木橋
幅広山道が続く
石垣沿い
大津ノ垰
武井方面へ続く道
(注)
現在の峠名は不明だが地下上申絵図四熊村に記載の名を採った。なお、以下に記載する山名は特に断らない限り四熊村の地下上申絵図及び境目書を基に判断したものである。
後日武井側から峠まで歩いてみた。竹林に入ると倒竹があり荒れているものの難渋するほどではない。標高210m付近でササ・イバラヤブに阻まれるが十数メートル程度なのでなんとか抜けられる。
舗装切れ
林道左折
倒竹
倒竹から解放
ササ・イバラ箇所
林道
●~258mピーク(堤田ノ頭)~鉄塔No.29~鉄塔No.30
峠から左手の竹林に取り付き258mピークをめざす。歩きやすそうなところを選んで、尾根をやや左に回り込みながら登り切ると竹林上の平坦なピークに出る。
左の竹林斜面
258m平坦ピーク
(注)
当ピークは、安部正道著『周防アルハイク』の法師ヶ岳の周辺山岳図では大津原とされている。地下上申境目書には、四熊村では「大づの原」、上々村(現在の大字下上)では「大津の原」の名が見える。絵図ともにらみ合わせて判断すると、大津の原は、峠(大津ノ垰)の南側の谷を含めた周辺の緩やかな斜面をさすと思われる。
現在の大字四熊と大字下上は大津の垰を境としているが、地下上申絵図・境目書によると、峠の南の谷(大づの原)が境だったとみられる。したがって、258mピークは、四熊村側では「堤田ノ頭」、南西の240mピークは「横山」にあたると判断した。
上々村の絵図には258mピークにあたる山名の記載はない。
258mピークから南側へ踏み跡をたどると作業道に出て、眼下に新設の鉄塔「新徳山南陽線No.29」が現れる。南側の斜面が広く切り開かれている。鉄塔まで幅広の作業道を下る。
巡視路へ出る・鉄塔No.29
鉄塔No.29
さらに作業道を歩いて下方の鉄塔No.30まで足をのばす。送電線が南西の嶽山方向へ延びている。送電線は南東方向へも続いており巡視路が下っている。
巡視路(作業道)
鉄塔No.30
嶽山
(注)
後日、南東側の巡視路を歩いてみた。
山陽自動車道沿いに舗装管理道があがっており、トンネル出入り口上部の終点に駐車が可能。ここから巡視路に取り付く。コンクリート階段を登り切り、少し上がったところから竹林尾根に取り付いて登っていくと鉄塔「川崎支線No.1」に出合う。立派な石垣が残る棚田跡沿いに登り、左にトラバースしながら進むと鉄塔No.30が建つ展望地へ出る。
巡視路取り付きの駐車地
竹林沿い
分岐・プラ段
竹林沿い
鉄塔(川崎支線No.1)
石垣沿い
巻き道
鉄塔(新徳山南陽線No,30)
●~鉄塔No.28(遠見岩ノ頭)
鉄塔No.30から鉄塔No.29まで作業道を戻る。さらに緩い尾根を登り切って下ると、管理用の駐車地とみられる舗装広場に出る。(広場の西端から巻き道を進むと峠へ上がる山道と合流する)
作業道
舗装広場(駐車地)
巻き道・竹林沿い
巻き道・山道合流点.
尾根上に続く舗装道を下り、鞍部を左に取り、溜池への道を左に分けて下っていくと、右に路肩が広くなった駐車地があり、斜面を巡視路が上がっている。登り切ると鉄塔No.28が建つ210mピーク(遠見岩ノ頭)に着く。
最高処には鉄塔建設時のものとみられる岩が積まれている。嫌に整然としており、もともと当地に積まれていたのかもしれない。 地下上申の山名から、ここに遠望用(魚見?)の石積みがあり、その名残りではないかと想像してみた。
舗装管理道
溜池への道が左に分岐
溜池
鉄塔No.28下の幅広路肩
作業道(巡視路)
鉄塔No.28・石積み
法師ヶ岳
北東方向
(注)
同鉄塔から鉄塔No.29の方向へ巡視路が延びていることに気付いた。そこで後日再訪し、No.28とNo.29の間の巡視路をたどってみたところ、途中の舗装広場を介して舗装管理道や作業道とは別に尾根沿いに付けられていることが判明した。(トラック図には黄緑色で表示)
〇鉄塔No.28~舗装広場
鉄塔No29方向の巡視路
竹林沿い
前方に鉄塔No.29
伐採斜面
舗装広場手前の巡視路分岐
〇鉄塔No.29~舗装広場
巡視路入口(右)
巡視路
切り開き斜面
巡視路
舗装広場
●~いのう垰~鉄塔No.27~鉄塔No.26
管理舗装道へ戻り下っていくと市道に出合う。(市道は拡幅工事のため通行止めとなっている)右折して少し登ると峠で左に新設の舗装管理道が分かれる。(峠の現在名は不明だが、地下上申では四熊村・上々村とも「いのう垰」となっている)
舗装管理道
市道合流点
市道分岐点(いのう垰)・管理道左へ
舗装管理道に入り登っていくと平坦ピーク(たたら山)の広場へ着く。ここで舗装道は左の尾根へ下るので、たどっていくと広場の先に鉄塔No.27が建つ。
舗装広場(たたら山)・管理道分岐
左の管理道
鉄塔No.27・舗装広場
法師ヶ岳
広場まで戻り、尾根上に続く幅広く伐採された作業道兼巡視路を下り、鞍部を登り返すと鉄塔No.26に出合う。
作業道(巡視路)
竹林沿い
鉄塔No.26
●~△尾屋根(大垰山)~鉄塔No.25
東方向に伐採斜面の切り開きがあり鉄塔No.25が見通せるが、巡視路は尾根上に付けられている。巡視路をたどり小ピークに出ると、右手2,3m入ったところに四等三角点「尾屋根」がある。展望はない。
(注)
「四熊村」・「上村・上々村」の地下上申絵図・境目書によれば、三角点ピークは四熊村の「まつりが浴山」、上々村の「大垰山」にあたると判断される。
『周防アルハイク』の周辺山岳図では同ピークを「井谷山」としている。
地下上申では、四熊川南北両岸の山を上村では「井谷山」、四熊村では「せとぐち山」とし、同名の山が両岸の直上にあるとしている。南岸においては両村とも井谷山(あるいはせとぐち山)のほか大垰との間に一山ないし二山の山があることから、三角点ピークの山は井谷山(あるいはせとぐち山)ではないと判断した。
なお、点の記によると当三角点地番の字名は「瀬戸口」である。三角点名の「尾屋根」の出処は調べてみたが不明。
切り開き伐採斜面・前方に鉄塔No.25
東側の巡視路・竹林沿い
雑木沿い
四等三角点「尾屋根」
さらに巡視路を進み、次の小ピークを右に過ごすと鉄塔No.25に出合う。北面の展望が開け、北東方向に鉄塔No.24が望める。
右へ東ピークへの踏み跡分岐
東ピーク
鉄塔No.25
法師ヶ岳・四熊ヶ岳
北側鉄塔No.24への切り開き
●~駐車地
巡視路の続きを探したが見あたらないので鉄塔No.26へ戻ると、北側の支尾根上へ巡視路が下っていた。
巡視路は左の谷へ下り、植林谷を抜けると耕地へ出る。
北尾根の巡視路
左の谷へ
谷を下る
植林沿い
耕作地へ出る
耕作地出合い(逆方向)
農道(破線道)をたどり、民家前の小川にかかる小コン橋(防獣フェンスあり)を渡らず、小川沿いに土手を右に進むと県道へ出る。
耕作地沿い
コン橋
小川沿い
県道出合い(逆方向)
途中「やまぐち棚田20選」の棚田を眺めながら駐車地へ戻る。
石仏
やまぐちの棚田20選看板
棚田
棚田
送電線鉄塔が新設されており、その管理道や巡視路を利用して歩ける。新設鉄塔は北東方向へ続いていて、巡視路・標柱設置など周辺整備もこれからさらに進められるものと思われる。(2022.2.14)
鉄塔No.25・No.26
No.27・No.28
(1,2クリックで拡大)
●駐車地~大津ノ垰
井谷集落に入り、通信塔そばの県道路肩スペースに駐車。県道を南下し、集落道が右へ二手に分岐するところで左道の方へ入る。すぐに農道に変わり、民家下の第19番札所の分岐を直進し、諏訪神社に立ち寄る。
石段を上がると境内の奥に石祠が2基座っている。岩上に据えられた狛犬はめずらしい。
農道分岐(左道へ進む)
石垣沿い
19番札所
石段・鳥居
石祠2基
岩上の狛犬
分岐へ戻り、棚田の立派な石垣沿いに農道を進む。小屋を二つ過ごすと植林沿いの山道となり、登り切ると峠(大津ノ垰)へ達する。
峠の最高処はササが少し被っているが、明瞭な道が地形図の破線道と同様南側の武井方面へ下っている。
石垣沿いの農道
小屋①
法師ヶ岳
小屋➁
支尾根を横切る
丸木橋
幅広山道が続く
石垣沿い
大津ノ垰
武井方面へ続く道
(注)
現在の峠名は不明だが地下上申絵図四熊村に記載の名を採った。なお、以下に記載する山名は特に断らない限り四熊村の地下上申絵図及び境目書を基に判断したものである。
後日武井側から峠まで歩いてみた。竹林に入ると倒竹があり荒れているものの難渋するほどではない。標高210m付近でササ・イバラヤブに阻まれるが十数メートル程度なのでなんとか抜けられる。
舗装切れ
林道左折
倒竹
倒竹から解放
ササ・イバラ箇所
林道
●~258mピーク(堤田ノ頭)~鉄塔No.29~鉄塔No.30
峠から左手の竹林に取り付き258mピークをめざす。歩きやすそうなところを選んで、尾根をやや左に回り込みながら登り切ると竹林上の平坦なピークに出る。
左の竹林斜面
258m平坦ピーク
(注)
当ピークは、安部正道著『周防アルハイク』の法師ヶ岳の周辺山岳図では大津原とされている。地下上申境目書には、四熊村では「大づの原」、上々村(現在の大字下上)では「大津の原」の名が見える。絵図ともにらみ合わせて判断すると、大津の原は、峠(大津ノ垰)の南側の谷を含めた周辺の緩やかな斜面をさすと思われる。
現在の大字四熊と大字下上は大津の垰を境としているが、地下上申絵図・境目書によると、峠の南の谷(大づの原)が境だったとみられる。したがって、258mピークは、四熊村側では「堤田ノ頭」、南西の240mピークは「横山」にあたると判断した。
上々村の絵図には258mピークにあたる山名の記載はない。
258mピークから南側へ踏み跡をたどると作業道に出て、眼下に新設の鉄塔「新徳山南陽線No.29」が現れる。南側の斜面が広く切り開かれている。鉄塔まで幅広の作業道を下る。
巡視路へ出る・鉄塔No.29
鉄塔No.29
さらに作業道を歩いて下方の鉄塔No.30まで足をのばす。送電線が南西の嶽山方向へ延びている。送電線は南東方向へも続いており巡視路が下っている。
巡視路(作業道)
鉄塔No.30
嶽山
(注)
後日、南東側の巡視路を歩いてみた。
山陽自動車道沿いに舗装管理道があがっており、トンネル出入り口上部の終点に駐車が可能。ここから巡視路に取り付く。コンクリート階段を登り切り、少し上がったところから竹林尾根に取り付いて登っていくと鉄塔「川崎支線No.1」に出合う。立派な石垣が残る棚田跡沿いに登り、左にトラバースしながら進むと鉄塔No.30が建つ展望地へ出る。
巡視路取り付きの駐車地
竹林沿い
分岐・プラ段
竹林沿い
鉄塔(川崎支線No.1)
石垣沿い
巻き道
鉄塔(新徳山南陽線No,30)
●~鉄塔No.28(遠見岩ノ頭)
鉄塔No.30から鉄塔No.29まで作業道を戻る。さらに緩い尾根を登り切って下ると、管理用の駐車地とみられる舗装広場に出る。(広場の西端から巻き道を進むと峠へ上がる山道と合流する)
作業道
舗装広場(駐車地)
巻き道・竹林沿い
巻き道・山道合流点.
尾根上に続く舗装道を下り、鞍部を左に取り、溜池への道を左に分けて下っていくと、右に路肩が広くなった駐車地があり、斜面を巡視路が上がっている。登り切ると鉄塔No.28が建つ210mピーク(遠見岩ノ頭)に着く。
最高処には鉄塔建設時のものとみられる岩が積まれている。嫌に整然としており、もともと当地に積まれていたのかもしれない。 地下上申の山名から、ここに遠望用(魚見?)の石積みがあり、その名残りではないかと想像してみた。
舗装管理道
溜池への道が左に分岐
溜池
鉄塔No.28下の幅広路肩
作業道(巡視路)
鉄塔No.28・石積み
法師ヶ岳
北東方向
(注)
同鉄塔から鉄塔No.29の方向へ巡視路が延びていることに気付いた。そこで後日再訪し、No.28とNo.29の間の巡視路をたどってみたところ、途中の舗装広場を介して舗装管理道や作業道とは別に尾根沿いに付けられていることが判明した。(トラック図には黄緑色で表示)
〇鉄塔No.28~舗装広場
鉄塔No29方向の巡視路
竹林沿い
前方に鉄塔No.29
伐採斜面
舗装広場手前の巡視路分岐
〇鉄塔No.29~舗装広場
巡視路入口(右)
巡視路
切り開き斜面
巡視路
舗装広場
●~いのう垰~鉄塔No.27~鉄塔No.26
管理舗装道へ戻り下っていくと市道に出合う。(市道は拡幅工事のため通行止めとなっている)右折して少し登ると峠で左に新設の舗装管理道が分かれる。(峠の現在名は不明だが、地下上申では四熊村・上々村とも「いのう垰」となっている)
舗装管理道
市道合流点
市道分岐点(いのう垰)・管理道左へ
舗装管理道に入り登っていくと平坦ピーク(たたら山)の広場へ着く。ここで舗装道は左の尾根へ下るので、たどっていくと広場の先に鉄塔No.27が建つ。
舗装広場(たたら山)・管理道分岐
左の管理道
鉄塔No.27・舗装広場
法師ヶ岳
広場まで戻り、尾根上に続く幅広く伐採された作業道兼巡視路を下り、鞍部を登り返すと鉄塔No.26に出合う。
作業道(巡視路)
竹林沿い
鉄塔No.26
●~△尾屋根(大垰山)~鉄塔No.25
東方向に伐採斜面の切り開きがあり鉄塔No.25が見通せるが、巡視路は尾根上に付けられている。巡視路をたどり小ピークに出ると、右手2,3m入ったところに四等三角点「尾屋根」がある。展望はない。
(注)
「四熊村」・「上村・上々村」の地下上申絵図・境目書によれば、三角点ピークは四熊村の「まつりが浴山」、上々村の「大垰山」にあたると判断される。
『周防アルハイク』の周辺山岳図では同ピークを「井谷山」としている。
地下上申では、四熊川南北両岸の山を上村では「井谷山」、四熊村では「せとぐち山」とし、同名の山が両岸の直上にあるとしている。南岸においては両村とも井谷山(あるいはせとぐち山)のほか大垰との間に一山ないし二山の山があることから、三角点ピークの山は井谷山(あるいはせとぐち山)ではないと判断した。
なお、点の記によると当三角点地番の字名は「瀬戸口」である。三角点名の「尾屋根」の出処は調べてみたが不明。
切り開き伐採斜面・前方に鉄塔No.25
東側の巡視路・竹林沿い
雑木沿い
四等三角点「尾屋根」
さらに巡視路を進み、次の小ピークを右に過ごすと鉄塔No.25に出合う。北面の展望が開け、北東方向に鉄塔No.24が望める。
右へ東ピークへの踏み跡分岐
東ピーク
鉄塔No.25
法師ヶ岳・四熊ヶ岳
北側鉄塔No.24への切り開き
●~駐車地
巡視路の続きを探したが見あたらないので鉄塔No.26へ戻ると、北側の支尾根上へ巡視路が下っていた。
巡視路は左の谷へ下り、植林谷を抜けると耕地へ出る。
北尾根の巡視路
左の谷へ
谷を下る
植林沿い
耕作地へ出る
耕作地出合い(逆方向)
農道(破線道)をたどり、民家前の小川にかかる小コン橋(防獣フェンスあり)を渡らず、小川沿いに土手を右に進むと県道へ出る。
耕作地沿い
コン橋
小川沿い
県道出合い(逆方向)
途中「やまぐち棚田20選」の棚田を眺めながら駐車地へ戻る。
石仏
やまぐちの棚田20選看板
棚田
棚田
2022-03-11 00:41
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