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藤ヶ嶽・西ノ嶽・いぬくす山(下関市内日上) [県西部の山]

前回(2月24日)周回した際、藤ヶ嶽からの下りルートが期待したほどではなかったので、別ルートで再度歩くことにし、あわせて西ノ嶽・いぬくす山へ縦走してみた。
藤ヶ嶽の南尾根ルートは谷詰めし、植林・雑木尾根を直登する。谷分岐から植林尾根にうまく取り付ければヤブコギなしに最短で上がれる。
西ノ嶽からいぬくす山の縦走路は、途中音無稲荷への分岐を過ごし390mピークを越えながら、主として植林境の尾根を長々とたどる。大谷へ下る分岐を過ごすと山頂に至る。
いぬくす山の尾根ルートの下りは、大字境の分岐がわかりづらいが、これをクリアすれば一気に下れる。(2024.3.4)
IMG_6616駐車地から藤ヶ嶽・西ノ嶽.JPG駐車地から藤ヶ嶽・西ノ嶽
IMG_6618西ノ嶽.JPG西ノ嶽
西ノ嶽・藤ヶ嶽・いぬくす山.jpeg(1,2クリックで拡大)

●駐車地~藤ヶ嶽
亀ヶ原の集落道(旧道)沿いに駐車。近くに浮石義民直訴の地の石碑が建っている。
県道を渡り集落道に入る。亀ヶ原公民館を過ごし最奥民家から狭い舗装の道に変わる。
IMG_6451県道横断部.JPG県道横断部
IMG_6452集落道.JPG集落道
IMG_6453最奥民家前.JPG最奥民家前

当初この先の分岐から、以前下ったことのある点の記ルートで登るつもりだったが、防獣フェンスが張られていたのであきらめ、先へ進むことにする。
谷が詰まってくると舗装が終わり、幅広の山道に変わる。
IMG_6454舗装道終点.JPG舗装道終点
IMG_6455幅広道.JPG幅広道
IMG_6457石垣沿い.JPG石垣沿い

沢を渡り、沢沿いに植林谷を詰めていくと谷が三方へ分かれる。右方向へテープがついていたので少したどってみたが、西ノ嶽へ直登するような感じなので分岐へ戻る。
IMG_6458沢渡り.JPG沢渡り
IMG_6460沢沿い.JPG沢沿い
IMG_6462植林沿い.JPG植林沿い
IMG_6463谷分岐.JPG谷分岐
IMG_6464右谷へのテープ.JPG右谷へのテープ

北に少しあがったところに平坦地があり、炭焼窯跡がある。平坦地の東端から左の植林尾根に取り付く。しばらく直登すると右から雑木林が合わさり、標高280mあたりで高木に出合う。さらに登ると両側が雑木の尾根に変わる。
IMG_6475左の植林尾根・取り付き.JPG平坦地・尾根取り付き
IMG_6630炭焼窯跡.JPG炭焼窯跡
IMG_6478植林尾根.JPG植林尾根
IMG_6479右雑木尾根に変わる.JPG右雑木尾根に変わる
IMG_6482雑木の高木.JPG雑木の高木
IMG_6484雑木尾根.JPG雑木尾根

登り切ると前回歩いた360m支尾根合流点に出て、後ろに北東側の展望が開けてくる。
IMG_6485雑木尾根.JPG雑木尾根
IMG_6487360m支尾根合流点.JPG360m支尾根合流点
IMG_6488伐採跡の尾根.JPG伐採跡の尾根
IMG_6490首かたげ山・西ノ嶽.JPG首かたげ山(左後方)・西ノ嶽

まもなく藤ヶ嶽山頂に着く。
IMG_6491山頂手前.JPG山頂手前
IMG_6492藤ヶ嶽.JPG藤ヶ嶽
IMG_6493四等三角点「ゆうのき」.JPG四等三角点「ゆうのき」

●~西ノ嶽
次は西ノ嶽をめざす。前回とは逆方向で南東へ向かう。すでに報告済みなので以下写真のみとする。
前回見落とした450m鞍部南側に残る枯れ松の大木と、470m支尾根合流点のコン杭を新たに加えた。枯れ松は前回報告した「柱松」のなごりだろうか?
IMG_6494伐採尾根.JPG伐採尾根
IMG_6495340m支尾根分岐点.JPG340m支尾根分岐点
IMG_6496鞍部手前.JPG鞍部手前
IMG_6497330m伐採鞍部.JPG330m伐採鞍部
IMG_6498伐採尾根.JPG伐採尾根
IMG_6499伐採尾根頂部の展望.JPG伐採尾根頂部の展望.
IMG_6500丸尾山方向・背後に笠ヶ岳・.JPG丸尾山方向・背後に笠ヶ岳
IMG_6501雑木尾根.JPG雑木尾根
IMG_6502雑木尾根.JPG雑木尾根
IMG_6503390m支尾根合流点.JPG390m支尾根合流点
IMG_6504鞍部.JPG鞍部
IMG_6505雑木尾根.JPG雑木尾根
IMG_6506石杭(倒)・コン杭.JPG石杭(倒)・コン杭
IMG_6507雑木尾根.JPG雑木尾根
IMG_6508コン杭.JPGコン杭
IMG_6509450m支尾根合流点・コン杭(倒).JPG450m支尾根合流点・コン杭(倒)
IMG_6510枯れマツ.JPG枯れマツ
IMG_6511平坦尾根・コン杭.JPG平坦尾根・コン杭
IMG_6512470m支尾根合流点・コン杭.JPG470m支尾根合流点・コン杭
IMG_6513平坦尾根.JPG平坦尾根
IMG_6514植林境尾根・上り.JPG植林境尾根・上り
IMG_6515山頂手前.JPG山頂手前
IMG_6516西ノ嶽山頂.JPG西ノ嶽山頂
IMG_6518山名プレート.JPG山名プレート

●~いぬくす山
次に2キロほど南に位置するいぬくす山をめざすことにする。12年前に河内側から西ノ嶽へ上がったときは、中間の340m①鞍部から南の林道へ下りたが、今回は長丁場の縦走となる。

山頂から南に下るとすぐ、東と南のそれぞれの分岐に私設道標を見る。また、西へ急勾配で下る尾根にもテープが付けられているようだ。先ほどの下方の谷分岐で見たテープが続いているのかもしれない。標高差300mはあるので、こちらから上がるのはかなりしんどいだろう。
IMG_6519道標(首かたげ山方面).JPG道標(首かたげ山方面)
IMG_6520道標(音無稲荷・水源地北端方面).JPG道標(音無稲荷・水源地北端方面)

尾根上にコン杭と石杭があり、煩雑だが確認できた範囲でルート図へ記載した。また、途中ところどころテープが付けられている。
以下主な留意点のみ記載する。

〇~340m②鞍部
雑木尾根を下ると440m②支尾根分岐点で植林境尾根に変わる。
IMG_6521雑木尾根.JPG雑木尾根
IMG_6522450m・コン杭.JPG450m・コン杭
IMG_6523440m①平坦ピーク.JPG440m①平坦ピーク
IMG_6524440m②植林頂部・右へ.JPG440m②植林頂部・右へ
IMG_6525植林境.JPG植林境
IMG_6526430m支尾根分岐点.JPG430m支尾根分岐点
IMG_6527植林境.JPG植林境

400m支尾根分岐点で右に音無稲荷へ続く尾根ルートが分かれる。私設道標あり。
IMG_6529道標.JPG道標
IMG_6528400m支尾根分岐点・石杭.JPG支尾根分岐点・石杭
IMG_6530植林境・石杭.JPG植林境・石杭
IMG_6532380m支尾根分岐点.JPG380m支尾根分岐点
IMG_6534植林境.JPG植林境

340m①鞍部及び340m②鞍部では左(東)の谷から作業道が付いている。下方の林道川頭線から分岐したものだろう。
IMG_6536340m鞍部①・作業道出合い.JPG340m鞍部①・作業道出合い
IMG_6537鞍部・石杭.JPG鞍部・石杭
IMG_6538植林境上り・石杭.JPG植林境上り・石杭
IMG_6539360mピーク・石杭.JPG360mピーク・石杭
IMG_6540植林境下り.JPG植林境下り
IMG_6541340m鞍部②.JPG340m鞍部②
IMG_6542鞍部から作業道方向.JPG鞍部から作業道方向

〇~390mピーク
南東方向へ350mの小ピークを越えると、360mや380mの支尾根分岐点で方向を変えながら、390mピークまで植林境主体の緩い尾根が続く。
IMG_6543植林境上り.JPG植林境上り
IMG_6545350m平坦ピーク・石杭(倒).JPG350m平坦ピーク・石杭(倒)
IMG_6546340m鞍部.JPG340m鞍部
IMG_6547植林境上り.JPG植林境上り
IMG_6548コン杭.JPGコン杭
IMG_6549360m支尾根分岐点.JPG360m支尾根分岐点
IMG_6550コン杭(倒).JPGコン杭(倒)
IMG_6551石杭.JPG石杭
IMG_6552コン杭.JPGコン杭
IMG_6553石杭(倒).JPG石杭(倒)
IMG_6554380m支尾根合流点.JPG380m支尾根合流点.
IMG_6555コン杭.JPGコン杭
IMG_6556390mピーク.JPG390mピーク
IMG_6557390m支尾根分岐点・石杭.JPG390m支尾根分岐点・石杭
IMG_6558雑木尾根下り.JPG雑木尾根下り
IMG_6559380m支尾根分岐点・石杭.JPG380m支尾根分岐点・石杭

〇~いぬくす山
380m支尾根分岐点手前の鞍部で、雑木斜面を左へトラバースしながら360m鞍部へ下る。下降地点にはテープがいくつも付けてある。
先の道標によると、360m鞍部から右(西)の大谷へ下るルートもあるようだが、谷方向のテープ類は見えない。
IMG_6560380m鞍部・トラバース地点.JPG380m鞍部・トラバース地点
IMG_6561トラバース下り.JPGトラバース下り
IMG_6562360m鞍部.JPG360m鞍部
IMG_6563鞍部石杭.JPG鞍部石杭
IMG_6564西方の植林谷(大谷).JPG西方の植林谷(大谷)

鞍部から小尾根に上がり(石杭がある)、370m支尾根合流点に出て、植林境をたどると、いぬくす山山頂に着く。
IMG_6565西方の植林谷(大谷).JPG西方の植林谷(大谷)
IMG_6566370m支尾根合流点・コン杭.JPG370m支尾根合流点・コン杭
IMG_6567植林境尾根.JPG植林境尾根
IMG_6569山頂手前.JPG山頂手前
IMG_6570いぬくす山山頂.JPGいぬくす山山頂

山頂は狭く、三等三角点「大谷」が座る。展望は得られない。
山頂直下(東側)に高さ4、5mの岩がある。ほかに特徴となるものは見あたらない。
IMG_6571三等三角点「大谷」.JPG三等三角点「大谷」
IMG_6573山頂下(東側)の岩.JPG山頂下(東側)の岩

●~駐車地
この先にもテープは散見できるものの、あまり歩かれてはいないようだ。
植林境尾根を下り、370mピークで方向を変えると、左植林斜面となる。
IMG_6574植林境下り.JPG植林境下り
IMG_6576360m鞍部.JPG360m鞍部
IMG_6577植林尾根上り.JPG植林尾根上り
IMG_6578370mピーク・プラポール.JPG370mピーク・プラポール

下方の谷の木にテープがある(植林管理用?)が、構わずそのまま尾根を直進。350m支尾根分岐点で植林境に沿ってふたたび方向を変えて下る。
IMG_6579植林境.JPG植林境
IMG_6580350m支尾根分岐点.JPG350m支尾根分岐点
IMG_6581植林境.JPG植林境

注意していたが支尾根分岐点を見過ごし、そのまま大字境の尾根を下ってしまった。戻ってみると、分岐点が少しシダヤブになっていて、古い赤テープが幹に巻いてある。
IMG_6585340m支尾根分岐点・シダヤブ.JPG340m支尾根分岐点・シダヤブ

ここをクリアし雑木尾根を少し下ると、ふたたび植林境に出て歩きやすくなる。
IMG_6586雑木尾根.JPG雑木尾根
IMG_6587雑木尾根.JPG雑木尾根
IMG_6588植林出合い.JPG植林出合い
IMG_6589310m支尾根分岐点.JPG310m支尾根分岐点
IMG_6590植林境.JPG植林境
IMG_6591植林境.JPG植林境
IMG_6592植林境.JPG植林境

220m支尾根分岐点で植林境が終わり、雑木尾根を直進する。
IMG_6593220m支尾根分岐点.JPG220m支尾根分岐点
IMG_6594雑木尾根.JPG雑木尾根
IMG_6595雑木尾根.JPG雑木尾根

150m鞍部あたりで緩い尾根となり、そのまま尾根上を進む。
IMG_6596150m平坦鞍部.JPG150m平坦鞍部

右に溝状の幅広道が現われ、下っていくと左に炭焼窯跡とおぼしき小穴を見る。
IMG_6597幅広道出合い.JPG幅広道出合い
IMG_6599炭焼窯跡?.JPG炭焼窯跡?(逆方向)

幅広道を下りササヤブをすぐ抜けると、民家横でトタン柵をまたぐ。
IMG_6600幅広道.JPG幅広道
IMG_6601ササヤブ.JPGササヤブ
IMG_6602トタン柵.JPGトタン柵

左の低い防獣フェンス沿いに畔を進み、水源地近くの集落道へ出る。
IMG_6603防獣フェンス沿いに畔を歩く.JPG防獣フェンス沿いに畔を歩く
IMG_6604集落道出合い・水源地(逆方向).JPG集落道出合い・水源地(逆方向)

一之瀬公民館に立ち寄る。入口に一石一字塔の石仏と庚申塚がある。
IMG_6606一之瀬公民館.JPG一之瀬公民館
IMG_6607石仏(一字一石塔)・庚申塚.JPG石仏(一字一石塔)・庚申塚

交通量のある県道を避けながら集落道を歩いて駐車地へ向かう。
IMG_6608一ノ瀬からいぬくす山方向(中央奥わずかにのぞく).JPG一ノ瀬からいぬくす山方向(右)
IMG_6609西ノ嶽(中央).JPG西ノ嶽(中央)

駐車地近くに「浮石義民直訴之碑」が建つ。浮石は旧豊田町だが、浮石での直訴を逃したので、内日で幕府巡見史を待ち構え、なんとか直訴を達成したという。
IMG_6615石碑「浮石義民直訴之地」.JPG石碑「浮石義民直訴之地」
IMG_6614説明板.JPG説明板


■山名について

▲いぬくす山
小野村の地下上申絵図(地下図)ではこの山の西側(内日上側)の谷に「大谷」と記されており、現在の地形図で破線道がついている谷と判断され、山の位置の根拠とした。

山名については、地下上申隣村境目書には「いふくす山」とあり、山口県風土誌でも「イフクス山」とある。
「いふくす」とは聞きなれない言葉で昔の方言かもしれないと思い、調べてみたが適当な言葉がみつからない。
絵図に書かれた字をよく見ると、「いふくす山」の「ふ」の字は「ぬ」の字に読める。「婦(ふ)」のくずし字は「ぬ」によく似ていることから、ひょっとしたら「ふ」でなく「ぬ」が正しいのではないかと思いついた。
そこで隣村境目書の原文にあたったところ、こちらは「婦」のくずし字と思われる。
また大字井田の小字名を調べると、山地番に「犬楠(いぬくす)」があった。
これらから山名は絵図で読めるとおり「いぬくす山」と読むのが正しく、境目書・風土誌は何らかの事情で読み誤ったのではないかと推測した。

「いぬぐす(いぬくす)」とはタブノキの別名で、タブノキはクスノキ科である。クスノキほどには用途がないのでイヌグスと呼んだようである。
藤ヶ嶽の俗称という「ユウノキ」の例もあるように、このあたりは樹木を山名にすることが多かったのだろうか。

以上により、ここでは山の名として「いぬくす山」をとることとした。
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