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高手山・青指の峰・文殊山(周防大島町椋野・東三蒲・西三蒲) [県東部の山]

調べてみると高手山から文殊山の縦走は、平成9年1月、平成23年2月と過去二回歩いていた。
当時から縦走路は明瞭ではなく、正直なところ三度も歩くことになるとは思っていなかった。(2018.12.15)
IMG_6618松尾寺付近から文殊山.JPG松尾寺付近から文殊山
高手山・文殊山.jpeg (1,2クリックで拡大)

●駐車地~高手山
登山口の路肩スペースに駐車。白い手摺りのついた取り付け道をジグザグに登る。
分岐がある上にやや荒れているのでわかりづらい。小尾根上にある重ね岩に出ると溝状の道が現われる。
IMG_6438取り付け道.JPG取り付け道
IMG_6442山道.JPG山道
IMG_6444重ね岩・溝道.JPG重ね岩・溝道
IMG_6445尾根道(山道分岐).JPG尾根道(山道分岐)

巻き道となり分岐を直進し涸れ沢を横切るあたりで、一旦道が不明瞭となる。尾根を左に巻きながら登り切ると竹林の尾根へ出る。
IMG_6446巻き道.JPG巻き道
IMG_6447沢を横切る.JPG涸れ沢を横切る
IMG_6449巻き道.JPG巻き道
IMG_6452巻き道.JPG巻き道
IMG_6453尾根へ出る・竹林.JPG尾根へ出る・竹林

雑木尾根を忠実にたどると340m支尾根合流点で石組を見る。祠跡だろうか。
IMG_6454雑木尾根.JPG雑木尾根
IMG_6455ツル性植物(右へ迂回).JPGツル性植物(右へ迂回)
IMG_6456雑木尾根.JPG雑木尾根
IMG_6457 300m支尾根合流点.JPG300m支尾根合流点
IMG_6458雑木尾根.JPG雑木尾根
IMG_6460 340m支尾根合流点.JPG340m支尾根合流点
IMG_6459石組み(祠跡?).JPG石組み(祠跡?)

ふたたび植林が現われると右の巻き道となり、尾根鞍部へ上がる。
尾根を右へ少したどってみると小岩が重なる小ピークへ着く。
IMG_6461雑木尾根.JPG雑木尾根
IMG_6462植林出合い.JPG植林出合い
IMG_6463植林帯の巻き道.JPG植林帯の巻き道
IMG_6465尾根鞍部.JPG尾根鞍部
IMG_6466雑木尾根を右へ.JPG雑木尾根を右へ
IMG_6467小岩の重なり.JPG小岩の重なり

鞍部へ戻り、ササヤブを左へよけながら植林沿いに登り切り、雑木ヤブを抜けると、ササヤブに囲まれた三等三角点「高手」のある高手山山頂へ着く。そばに「旅立ちに集う」の記念柱がある。展望は得られない。
IMG_6468雑木尾根・上り.JPG雑木尾根・上り
IMG_6469尾根右側のシノダケ.JPG尾根右側のシノダケ
IMG_6470薄い踏み跡.JPG薄い踏み跡
IMG_6471雑木尾根.JPG雑木尾根
IMG_6472山頂部.JPG山頂部
IMG_6473三等三角点.JPG三等三角点

●~420mピーク~410mピーク~「へんろ道」道標出合い
ヤブ気味の不明瞭な雑木尾根を南へ下る。
IMG_6475雑木ヤブ尾根.JPG雑木ヤブ尾根
IMG_6476コン杭.JPGコン杭
IMG_6477雑木尾根.JPG雑木尾根
IMG_6478植林・アオキ.JPG植林・アオキ

370m植林鞍部を登り返し、ササヤブを右へよけながら登り切ると420mピーク(三ツ岩の頭)へ着く。
IMG_6479 370m植林鞍部.JPG370m植林鞍部
IMG_6481植林尾根・上り.JPG植林尾根・上り
IMG_6482植林尾根.JPG植林尾根
IMG_6483アオキ・シノダケのヤブ.JPGアオキ・シノダケのヤブ
IMG_6485右へ迂回しながら登る.JPG右へ迂回しながら登る
IMG_6486 420mピーク(逆方向).JPG420mピーク(逆方向)
IMG_6487ピーク下の平坦尾根.JPGピーク下の平坦尾根

植林境を下り、410mピーク、400mピークを越えていくと、いかりヶ垰で「へんろ道」の石柱を見る。
IMG_6488植林・雑木境を下る.JPG植林・雑木境を下る
IMG_6489 400m植林鞍部.JPG400m植林鞍部
IMG_6490植林・上り.JPG植林・上り
IMG_6491コン杭.JPGコン杭
IMG_6493 410mピーク.JPG410mピーク
IMG_6494コン杭.JPGコン杭
IMG_6496 400mピーク.JPG400mピーク
IMG_6497コン杭.JPGコン杭
IMG_6498 370m鞍部.JPGいかりヶ垰
IMG_6499石柱「へんろ道」.JPG石柱「へんろ道」

●~青指の峰
植林境の明瞭な道を登ると410mの小鞍部で雑木ヤブとなる。右に巻き道があったのでたどってみると、懸崖の谷に合わさるところで炭焼窯跡があり行き止まりとなる。
IMG_6502植林境.JPG植林境
IMG_6503溝道.JPG溝道
IMG_6504 410m鞍部.JPG410m鞍部
IMG_6505右の巻き道(そま道).JPG右の巻き道(そま道)
IMG_6507谷出合い.JPG谷出合い
IMG_6506炭焼窯跡.JPG炭焼窯跡

小鞍部へ戻り、雑木ヤブ尾根に入るとすぐに溝状の山道が現われる。
道が不明瞭となるが忠実に尾根をたどる。
IMG_6508溝道.JPG溝道
IMG_6509溝道.JPG溝道
IMG_6510植林境尾根.JPG植林境尾根
IMG_6511コン杭.JPGコン杭
IMG_6512雑木尾根.JPG雑木尾根
IMG_6513 450m支尾根合流点.JPG450m支尾根合流点

植林尾根でコン杭を見て、右に明瞭な巻き道があるのでたどってみると尾根上で終わる。尾根をそのまま登ると植林頂部で左からの踏み跡と出合う。以前と同様、巻き道を取らず植林尾根を上がった方がよかったようだ。
IMG_6514植林境尾根.JPG植林境尾根
IMG_6515コン杭.JPGコン杭
IMG_6517右の巻き道.JPG右の巻き道
IMG_6518支尾根上へ出る.JPG支尾根上へ出る
IMG_6521雑木・植林尾根・上り.JPG雑木・植林尾根・上
IMG_6522尾根出合い(植林頂部).JPG尾根出合い(植林頂部)

いくつかコン杭「町界」を見ながら、雑木や植林尾根を登っていくと550mピーク①の青指の峰山頂へ着く。記憶のままの落ち着いた感じの山頂である。展望はない。
IMG_6524植林尾根.JPG植林尾根
IMG_6525コン杭.JPGコン杭
IMG_6527 540m支尾根合流点.JPG540m支尾根合流点
IMG_6528コン杭.JPGコン杭
IMG_6529 550mピーク①(青指峰).JPG550mピーク①(青指の峰)

●~560mピーク~車道出合い
550mの小ピークをさらに二つ過ぎると平坦鞍部あたりから踏み跡もなく、不明瞭となる。
IMG_6530 550mピーク②.JPG550mピーク②
IMG_6531 550mピーク③.JPG550mピーク③
IMG_6532植林境尾根.JPG植林境尾根
IMG_6534小岩・コン杭(逆方向).JPG小岩・コン杭(逆方向)
IMG_6535雑木鞍部.JPG雑木鞍部

アオキのヤブが現われ、歩きやすいところを選びながら尾根を離れないように進む。平坦尾根からアオキヤブの斜面を左にトラバースしながら登ると左の支尾根へ出る。植林のヤブ尾根を右へ少し進むと560mピークに着く。植林尾根の一角で展望はない。
IMG_6536アオキヤブ.JPGアオキヤブ
IMG_6537コン杭・ヒノキ.JPGコン杭・ヒノキ
IMG_6538 550m支尾根合流点.JPG550m支尾根合流点
IMG_6539雑木・アオキ斜面を左巻き加減に登る.JPG雑木・アオキ斜面を左巻き加減に登る
IMG_6540植林・アオキ尾根上へ出る.JPG植林・アオキ尾根上へ出る
IMG_6541 560mピーク.JPG560mピーク

少し先に直径3m弱ぐらいの小穴が二つ並んでいる。以前も気になっていたが、何の穴だろうか。
植林尾根を進み、雑木ヤブに変わると右下に車道が見えたので、道路法面を3mほど下って車道へ出た。(もう少し我慢してヤブ尾根を進むと法面を下らずに済む)
IMG_6542植林境尾根.JPG植林境尾根
IMG_6543小穴.JPG小穴
IMG_6544車道手前の雑木ヤブ.JPG車道手前の雑木ヤブ
IMG_6545下降地点の斜面・車道.JPG下降地点の斜面・車道

●~660mピーク~文殊山
車道を左に取る。文殊山を左に巻きなら車道を歩く。地形図の実線道は旧林道が記載されているらしく、現在の車道とはまるで違っている。周辺にはほかにも実線道が記載されているが、現状と違っているものが多い。
文殊山と嘉納山間の縦走路と出合い、右の幅広登山道を進む。
IMG_6546車道.JPG車道
IMG_6548縦走路出合い.JPG縦走路出合い
IMG_6550登山道・道標.JPG登山道・道標

650mの尾根合流点で登山道をはずれ、北東の660mピークに立ち寄ることにする。右のササを少し分けると植林帯へ抜け出る。そばに倒れた石柱を見る。
尾根沿いに北東方向へ向かう。尾根上には土塁とおぼしき土盛りが続く。ところどころ石積みが現われている。
平坦な山頂は植林に囲まれ展望は得られない。山頂の北側の尾根にはアオキが密生している。以前よりヤブ化が進んだようだ。
IMG_6551椿ヶ峰取り付き.JPG650mの尾根合流点
IMG_6552石柱(倒).JPG倒れた石柱
IMG_6555土塁.JPG土塁
IMG_6556コン杭・土塁.JPGコン杭・土塁
IMG_6557椿ヶ峰山頂部.JPG660mピーク
IMG_6558山頂先のアオキヤブ.JPGピーク先のアオキヤブ

登山道へ戻り、約100mで文殊山山頂に着く。今回も昼を回っていたが、一組の年配の男女が展望台で眺望を楽しんでいた。
頂上付近に植えられたサザンカが満開を迎えていた。
IMG_6560文殊山山頂手前の分岐.JPG文殊山山頂手前の分岐
IMG_6562文殊山山頂・三角点.JPG文殊山山頂・四等三角点
IMG_6577琴石山・サザンカ.JPG琴石山・サザンカ

●~文殊堂 
文殊堂コースを久し振りで下る。コンクリートの擬木段が続く。
岩屋に立ち寄り、文殊堂へ下る。
IMG_6578登山道.JPG登山道
IMG_6579登山道.JPG登山道
IMG_6580水場.JPG水場
IMG_6581道標.JPG道標
IMG_6582登山道.JPG登山道
IMG_6583岩屋.JPG岩屋
IMG_6584岩屋の石仏.JPG岩屋の石仏
IMG_6585車道出合い.JPG車道出合い
IMG_6586文殊堂.JPG文殊堂
IMG_6588文殊堂.JPG文殊堂
IMG_6587説明板.JPG説明板

●~文殊ヶ滝
車道を東方向へ進む。倒木や落石がところどころあるので、車の通行は難しそうだ。
車道と出合い、右へ少し進むと、文殊山へ向かう車道が右へ分かれる。分岐に以前なかった「文殊の滝(千歳の滝)」の道標が立っている。直進しコンクリート舗装の林道を進む。
IMG_6589車道.JPG車道
IMG_6590車道合流点.JPG車道合流点
IMG_6591分岐.JPG分岐
IMG_6592文殊の滝(千歳の滝)道標.JPG文殊の滝道標
IMG_6593舗装林道.JPG舗装林道

300mほど先で同じ道標が滝の下降口にあったので下りてみた。
トラロープが付けられた遊歩道が続いている。石垣が築かれた棚田跡沿いにどんどん下っていく。すぐに滝があると思っていたら、なかなか現われない。標高差70mばかり下ったところで、やっと落差20mばかりの滝が眼前に姿を現わした。
IMG_6594滝下降口.JPG滝下降口
IMG_6595遊歩道.JPG遊歩道
IMG_6596.JPG遊歩道
IMG_6599.JPG文殊の滝
IMG_6602遊歩道(逆方向).JPG遊歩道(逆方向)

●~松尾寺~駐車地
林道へ戻り先を進む。やや荒れておりこの先車の通行は無理のようだ。
舗装が終わると少し先で突然林道が終わる。前回もここで林道が切れていた。
前回と同様、植林斜面を下って、標高差40mほど下まで通じている林道へ降りてみた。急斜面の上に土がもろく、緊張しながら下った。(そのまま尾根を下ると林道の終点へ下れるので、こちらをとった方が無難。)
IMG_6604林道.JPG林道
IMG_6605竹林沿い.JPG竹林沿い
IMG_6606林道終点部.JPG林道終点部
IMG_6609植林斜面.JPG植林斜面
IMG_6610急な斜面(逆方向).JPG急な斜面(逆方向)
IMG_6612林道出合い(逆方向).JPG林道出合い(逆方向)
IMG_6613林道.JPG林道
IMG_6614林道.JPG林道
IMG_6616作業道(へんろ道)分岐.JPG作業道(へんろ道)分岐
IMG_6617車道出合い.JPG車道出合い

松尾寺へ立ち寄り、すぐに西へ旧参道を下る。
IMG_6619松尾寺.JPG松尾寺
IMG_6620旧参道.JPG旧参道
IMG_6621石仏・石段.JPG石仏・石段
IMG_6624倒竹.JPG倒竹

鞍部で倒竹帯となり、前回取った右道は倒竹で潰れているようなので、そのまま尾根を登り返すと、大きな石灯篭に出合う。
IMG_6625鞍部.JPG鞍部
IMG_6627大きな石灯篭.JPG大きな石灯篭

北へ方向を変えながら下ると竹林帯となり、墓地へ降り立つ。
これも前回とった尾根方向は荒れているように思えたので、墓地へ通ずる道を探して周辺を歩き回る。(トラック図では省略している。)
IMG_6628竹林尾根.JPG竹林尾根
IMG_6630平坦道.JPG平坦道
IMG_6631竹林.JPG竹林
IMG_6633墓地.JPG墓地

結局、墓地から左方向の巻き道をたどり、みかん畑を抜けていくと車道へ抜けた。広域農道へ出て、日暮れが迫るのを気にしながら駐車地へ戻る。
IMG_6634みかん畑・コン小道.JPGみかん畑・コン小道
IMG_6640トタン小屋・山道分岐.JPGトタン小屋・山道分岐
IMG_6641竹林・コン小道.JPG竹林・コン小道

■山名について

◆文殊山・椿ヶ峰・眺望(みやり)ヶ峰
現在の地形図では、四等三角点「文殊山」の662.5mピーク(Aピークとする)が文殊山とされている。また、三蒲・屋代・久賀の旧三村境はこれより約100m東にある650m平坦ピーク(Bピークとする)である。さらに、この旧村境ピークの北東約150mには660mピーク(Cピークとする)がある。
旧書を調べると、これら三つのピークの呼び名に混同が見られる。

『防長地下上申』では、旧村境のBピークは、三蒲村と屋代村では「椿ヶ峰」、久賀村では「ひばた之頭」と呼よばれていたようだが、文殊山の名は見えない。

『防長風土注進案』を見ると各村で呼び名が違っている。
久賀村では、Bピークは「眺望(ミヤリ)峯」とされ、「三蒲屋代両村において椿ヶ峯という」と注記があり、「南は鹿ヶ城に続き、北は青指の峯に続き、西は三蒲村文殊山に続き」とあることから、Aピークを文殊山としていると思われる。
また、屋代村では、Bピークは「椿ヶ峯」とされ、「三蒲村にては文殊山という」と注記があり、山川形勢の項には「久賀にてミヤリといい三蒲にて文殊頭という」と付記されていることから、ABC三つのピークを同一山と見ていると思われる。
さらに、三蒲村では、Bピークは「文殊山」とされ、「椿峯」は「文殊山より来たり椋野諸山に続き」とあることから、椋野側(北方向)に続くピーク、すなわちCピークと見ていると推測される。

これらから、もともとABC三つのピークは同一視され「椿ヶ峰」と呼ばれていたのが、中腹に文殊堂があることから新たに「文殊山」の呼称が現われ、近接した三つのピークがあることで混同が生じたものとみられる。
そこで、いかにしてこれらの混同が生じたかを分析してみたい。

①まず三つのピークの呼び名をそれぞれ、Aピークは文殊山、Bピークは椿ヶ峰、Cピークは眺望ヶ峰と仮定する。
②次に旧三村境のBピークが一番低いことから、隣接のAピークまたはBピークと同一視されたと仮定する。

以上の二つの仮定により、各村での山の呼び名を分析してみると、

久賀村では、BピークとCピークを同一視し眺望ヶ峰と呼び、Aピークを文殊山としている。
屋代村では、両隣のピークを合わせたA・B・Cピークを同一視し、椿ヶ峰と呼んでいる。
三蒲村では、AピークとBピークを同一視し文殊山と呼び、Cピークを椿ヶ峰としている。

久賀村と屋代村は上記①と②の仮定で説明がつく。
三蒲村の場合は、もともとは屋代村と同様ABCピークを同一視して椿ヶ峰と呼んでいたものが、A・Bピークを文殊山と呼ぶことになったため、Cピークのみ椿ヶ峰の呼び名が残ったのではないかと推測する。

◆高手山
三蒲・椋野の旧村境にあり、『地下上申』を見ると、三蒲村では「高手之頭」、椋野村では「黒岩之岡」がこの山にあたると思われる。また、『風土注進案』には、「高手山」、「黒岩ノ岡」が見える。

◆青指(あおさし)の峰
三蒲・椋野・久賀の旧村境にあり、『地下上申』や『風土注進案』にもその名が見える。


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