高照寺山〈長宝寺Bルート〉(岩国市周東町祖生) [県東部の山]
1月7日に登ったルート以外にも尾根ルートがあるのではないかと推測し、11日にもう一度歩いてみたが、不覚にも取り付きを間違えてしまったため、今回はそのリベンジである。またその際偶然見つけた石積み(炭焼窯跡?)に至るルートを確認する目的もある。
寺の東側に派生する支尾根に取り付いたところ、所々旧山道が残ってはいるものの不明瞭箇所も多く、その上測量時の切り開きが迷路のように縦横に付けられているため、旧山道と切り開きをつなぎながら登ることになる。測量杭の番号を確認しながら歩いたので、まるで測量士になったような気分の一日となった。
おおむね直登と水平道が測量時の切り開きで、斜めの巻き道が旧山道である。11日に歩いたルートのうち参考となる部分も加えてルート図を作成し、測量番号も記した。
今回は山頂を踏まず、国土交通省祖生無線中継所手前から林道を下り、途中から測量テープを参考に尾根上に付けられた切り開きを一気に下った。いくつか分岐はあるもののひどいヤブ漕ぎ箇所はない。
麓を巻く林道に出ると、途中の分岐で旧参道と思われる近道を取り、石仏をいくつか確認しながら直接長宝寺に出た。(2014.01.16)
長宝寺山門
(クリックで拡大)
長宝寺の駐車場に車を置かせてもらう。
山門を通り、掃き清められた境内を抜けると林道となる。
境内から望む氷室岳・矢櫃山
林道
左に歴代住職の墓を過ごすと山道に変わる。
歴代住職墓地
山道に変わる
竹林が現われやや荒れてくるがまもなく尾根で右からの明瞭な山道と出会う。こちらからも尾根伝いに上がれる。駐車地もある。
やや荒れた山道
山道出合い
ここで右の谷方向への巻き道と尾根道が分かれる。
右の巻き道
尾根道
尾根道を取り、勾配が緩むとタケが現われ右の巻き道となる。
巻き道となる
竹林を抜けスギ林に変わると、左に山道が分岐する。(分岐点の測量杭:77-970)
竹林の巻き道
右スギ林沿い
左折して巻き道を登るとヤブが現われるあたりで右上の切り開きを登る。(分岐点の測量杭:77-959)
左の巻き道に入る
ヤブ気味となる
測量杭77-959
左は伐採荒地と思われるヤブ沿いに雑木の疎林尾根を直登する。
雑木疎林尾根の直登
右下からの山道と出会うあたりで赤ペンキで矢印が描かれた境石を確認する。(分岐点の測量杭:77-937)
境石・矢印
次に左へ水平に10mほど進むと別の境石を見る。
左方向の水平道
境石
ここで上方へ付けられた切り開きを直登する。はじめは切り開きが不明瞭だが、まもなく明瞭となる。
切り開きを直登
明瞭な切り開き
切り開きの水平道と出会い右に取ると、右下からの山道と出会い、上方へも直登の切り開きが付けられている。(分岐点の測量杭:77-190、191)
右下方向へ下る道
上方の道を取ると早いが、石積み箇所への道を探索する目的があるので、ここは別の道を探す。手前がヤブになって分かりづらいが、右上方に向かう山道があるので、これを見つけて右の谷方向へ巻き道状にたどる。
右の巻き道
右の巻き道
水平道と出会い(分岐点の測量杭:76-206)、右に取ると、谷に出会う前に分かりづらいが左斜め上方に向かう切り開きがある。(分岐点の測量杭:76-211)
左の水平道
測量杭「76-206」
左上方への切り開き
測量杭「76-211」
これを登ると直登の切り開きに出る。(分岐点の測量杭:76-214)
ここから左下の谷方向へ少し下ったところに石積みがある。炭焼窯跡と思われるが、高さが1.5mはあり通常見かけるものより随分高い。始めて見た時は住居か何かだろうかと思ったが、やはり炭焼窯跡と見るのが自然だろう。周辺は雑木疎林の緩やかな広い谷となっている。
石積み(右斜め方向)
石積み(左斜め方向)
石積み(左側面)
石積み(後部)
上方から石積み方向
これより数m後方に墓石らしきものがある。墓碑銘はないが明らかに人工的に置かれたものである。さらに後方には石積みが壊れたような感じで石が散らばっている。
墓石(左側面)
墓石(右側面)
散在する石
元の尾根に戻り切り開きを直登すると、左上方への切り開きを過ごす。(分岐点の測量コン杭:77-540)
コン杭と左上方への切り開き
さらにヒノキ林境の切り開きを急登すると、車道のカーブ地点へ出る。
植林境の切り開き
車道に出る
「山頂900m先」の道標がある分岐を左に取り、ハング・パラグライダー基地を左に過ごす。今日は中高年も交えた男女7、8人がパラグライダーを楽しんでいる。
車道分岐・道標
640mピークに建つ航空用の玖珂無線標識所手前で管理道へ進む。
管理道分岐
管理道
国土交通省祖生無線中継所の手前鞍部で左折し林道を下る。
鞍部の造林地看板
右に林道を分け、右へ大きくカーブするところで林道を離れ、ヒノキ植林の尾根へ下る。
林道分岐
林道からの取り付き
植林斜面
測量テープを参考にしながら緩い尾根を外さないように下る。
植林尾根・測量テープ
植林斜面・テープ
植林境となり岩を左へ回り込んで下ると、林道終点部へ出る。
植林境
植林尾根
岩
林道終点
林道と反対方向に切り開きがあり、左折して進むと、すぐ右に支尾根の切り開きがあり、ヒノキ林境沿いに下る。
左方向の切り開き
ヒノキ林境尾根
竹林が現れるとまもなく左水平方向の切り開きへ少し進み、再びヒノキ林境を下る。
竹林が現われる
左方向の切り開き
ヒノキ林境
雑木林の尾根に変わり、複数方向への分岐点で右下方向を取る。
雑木尾根
切り開き分岐
水平道を左右に分けさらに下ると、右から溝状の山道と出会う。
雑木尾根
右からの山道
直進の切り開き
左折しそのまま山道を下る。
溝状の山道
溝状の山道
ふたたび右から山道を合わせるとまもなく林道へ出る。
右からの山道
林道出合い
麓を巻く林道を進み、標高210mあたりで地形図にない林道が横切り左上方へ向かっているので、これをたどることにする。
林道分岐(左方向)
林道分岐(右の麓方向)
林道へ入るととすぐ左に石仏があり、この林道が参道であることを知る。その後も石仏が点在し、「十六丁」などの文字が確認できるものもある。
石仏
石仏
林道
石仏「十六丁」
分岐を右に取り、途中石仏群へ立ち寄る。
林道分岐
石仏群
寺の手前で沢を渡ると、民家近くの舗装参道へ出る。
林道
沢渡り
舗装参道へ出る
なお、分岐を直進すると、石仏「二十七丁」や八十八箇所めぐりの道を左に過ごし、寺駐車場の上部へ出る。
石仏「二十七丁」
八十八箇所巡り
■余談
『周東町史』(昭和54年刊)によると、長宝寺は「古くは真言宗で今の寺地より四町ばかり嶺にあったが、中古臨済宗に改宗し、……慶長16年(1611)ごろ野火によって消失し、……現在地に再建した」とあり、現在の寺から石積み箇所まで水平距離で約400m程度であり、石積み箇所あたりが旧寺地ではないかと興味をそそられる。
また同書の民話・伝説の項には、「女郎岩」の話が載っており、その冒頭に「今から400年あまりも昔のことである。祖生の里・高照寺山の中腹に、浮世離れのした仙人風の生活を営む新左衛門という男が住んでいた」という記述がある。これも想像をかきたてる話だ。
寺の東側に派生する支尾根に取り付いたところ、所々旧山道が残ってはいるものの不明瞭箇所も多く、その上測量時の切り開きが迷路のように縦横に付けられているため、旧山道と切り開きをつなぎながら登ることになる。測量杭の番号を確認しながら歩いたので、まるで測量士になったような気分の一日となった。
おおむね直登と水平道が測量時の切り開きで、斜めの巻き道が旧山道である。11日に歩いたルートのうち参考となる部分も加えてルート図を作成し、測量番号も記した。
今回は山頂を踏まず、国土交通省祖生無線中継所手前から林道を下り、途中から測量テープを参考に尾根上に付けられた切り開きを一気に下った。いくつか分岐はあるもののひどいヤブ漕ぎ箇所はない。
麓を巻く林道に出ると、途中の分岐で旧参道と思われる近道を取り、石仏をいくつか確認しながら直接長宝寺に出た。(2014.01.16)
長宝寺山門
(クリックで拡大)
長宝寺の駐車場に車を置かせてもらう。
山門を通り、掃き清められた境内を抜けると林道となる。
境内から望む氷室岳・矢櫃山
林道
左に歴代住職の墓を過ごすと山道に変わる。
歴代住職墓地
山道に変わる
竹林が現われやや荒れてくるがまもなく尾根で右からの明瞭な山道と出会う。こちらからも尾根伝いに上がれる。駐車地もある。
やや荒れた山道
山道出合い
ここで右の谷方向への巻き道と尾根道が分かれる。
右の巻き道
尾根道
尾根道を取り、勾配が緩むとタケが現われ右の巻き道となる。
巻き道となる
竹林を抜けスギ林に変わると、左に山道が分岐する。(分岐点の測量杭:77-970)
竹林の巻き道
右スギ林沿い
左折して巻き道を登るとヤブが現われるあたりで右上の切り開きを登る。(分岐点の測量杭:77-959)
左の巻き道に入る
ヤブ気味となる
測量杭77-959
左は伐採荒地と思われるヤブ沿いに雑木の疎林尾根を直登する。
雑木疎林尾根の直登
右下からの山道と出会うあたりで赤ペンキで矢印が描かれた境石を確認する。(分岐点の測量杭:77-937)
境石・矢印
次に左へ水平に10mほど進むと別の境石を見る。
左方向の水平道
境石
ここで上方へ付けられた切り開きを直登する。はじめは切り開きが不明瞭だが、まもなく明瞭となる。
切り開きを直登
明瞭な切り開き
切り開きの水平道と出会い右に取ると、右下からの山道と出会い、上方へも直登の切り開きが付けられている。(分岐点の測量杭:77-190、191)
右下方向へ下る道
上方の道を取ると早いが、石積み箇所への道を探索する目的があるので、ここは別の道を探す。手前がヤブになって分かりづらいが、右上方に向かう山道があるので、これを見つけて右の谷方向へ巻き道状にたどる。
右の巻き道
右の巻き道
水平道と出会い(分岐点の測量杭:76-206)、右に取ると、谷に出会う前に分かりづらいが左斜め上方に向かう切り開きがある。(分岐点の測量杭:76-211)
左の水平道
測量杭「76-206」
左上方への切り開き
測量杭「76-211」
これを登ると直登の切り開きに出る。(分岐点の測量杭:76-214)
ここから左下の谷方向へ少し下ったところに石積みがある。炭焼窯跡と思われるが、高さが1.5mはあり通常見かけるものより随分高い。始めて見た時は住居か何かだろうかと思ったが、やはり炭焼窯跡と見るのが自然だろう。周辺は雑木疎林の緩やかな広い谷となっている。
石積み(右斜め方向)
石積み(左斜め方向)
石積み(左側面)
石積み(後部)
上方から石積み方向
これより数m後方に墓石らしきものがある。墓碑銘はないが明らかに人工的に置かれたものである。さらに後方には石積みが壊れたような感じで石が散らばっている。
墓石(左側面)
墓石(右側面)
散在する石
元の尾根に戻り切り開きを直登すると、左上方への切り開きを過ごす。(分岐点の測量コン杭:77-540)
コン杭と左上方への切り開き
さらにヒノキ林境の切り開きを急登すると、車道のカーブ地点へ出る。
植林境の切り開き
車道に出る
「山頂900m先」の道標がある分岐を左に取り、ハング・パラグライダー基地を左に過ごす。今日は中高年も交えた男女7、8人がパラグライダーを楽しんでいる。
車道分岐・道標
640mピークに建つ航空用の玖珂無線標識所手前で管理道へ進む。
管理道分岐
管理道
国土交通省祖生無線中継所の手前鞍部で左折し林道を下る。
鞍部の造林地看板
右に林道を分け、右へ大きくカーブするところで林道を離れ、ヒノキ植林の尾根へ下る。
林道分岐
林道からの取り付き
植林斜面
測量テープを参考にしながら緩い尾根を外さないように下る。
植林尾根・測量テープ
植林斜面・テープ
植林境となり岩を左へ回り込んで下ると、林道終点部へ出る。
植林境
植林尾根
岩
林道終点
林道と反対方向に切り開きがあり、左折して進むと、すぐ右に支尾根の切り開きがあり、ヒノキ林境沿いに下る。
左方向の切り開き
ヒノキ林境尾根
竹林が現れるとまもなく左水平方向の切り開きへ少し進み、再びヒノキ林境を下る。
竹林が現われる
左方向の切り開き
ヒノキ林境
雑木林の尾根に変わり、複数方向への分岐点で右下方向を取る。
雑木尾根
切り開き分岐
水平道を左右に分けさらに下ると、右から溝状の山道と出会う。
雑木尾根
右からの山道
直進の切り開き
左折しそのまま山道を下る。
溝状の山道
溝状の山道
ふたたび右から山道を合わせるとまもなく林道へ出る。
右からの山道
林道出合い
麓を巻く林道を進み、標高210mあたりで地形図にない林道が横切り左上方へ向かっているので、これをたどることにする。
林道分岐(左方向)
林道分岐(右の麓方向)
林道へ入るととすぐ左に石仏があり、この林道が参道であることを知る。その後も石仏が点在し、「十六丁」などの文字が確認できるものもある。
石仏
石仏
林道
石仏「十六丁」
分岐を右に取り、途中石仏群へ立ち寄る。
林道分岐
石仏群
寺の手前で沢を渡ると、民家近くの舗装参道へ出る。
林道
沢渡り
舗装参道へ出る
なお、分岐を直進すると、石仏「二十七丁」や八十八箇所めぐりの道を左に過ごし、寺駐車場の上部へ出る。
石仏「二十七丁」
八十八箇所巡り
■余談
『周東町史』(昭和54年刊)によると、長宝寺は「古くは真言宗で今の寺地より四町ばかり嶺にあったが、中古臨済宗に改宗し、……慶長16年(1611)ごろ野火によって消失し、……現在地に再建した」とあり、現在の寺から石積み箇所まで水平距離で約400m程度であり、石積み箇所あたりが旧寺地ではないかと興味をそそられる。
また同書の民話・伝説の項には、「女郎岩」の話が載っており、その冒頭に「今から400年あまりも昔のことである。祖生の里・高照寺山の中腹に、浮世離れのした仙人風の生活を営む新左衛門という男が住んでいた」という記述がある。これも想像をかきたてる話だ。
2014-01-23 02:12
コメント(2)
奥行きはいくらありますか。平面形は円形ですか長方形ですか?
おそらく宗教祭祀に関するものではないかと思います。経塚でしょうか。もしかして火屋かも知れません。
by yamakan (2014-01-23 18:17)
そうですか、経塚や火屋(火葬場?)の可能性がありますか?
形は後方が土盛り状となり不明瞭ですが、一辺が2m程度の方形と思われます。
今回は谷を遡行しなかったので他に炭焼窯風なものには出くわしませんでしたが、比較してみたら面白いかもしれませんね。
なお石積み箇所へ至るには、麓からより上方の車道から下った方が、急勾配ですがみやすいでしょう。
by gomen (2014-01-24 00:35)