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城山・丸山(下関市菊川町田部・上大野) [県西部の山]

白山下山後、北麓の城山に向かう。
城山は地下上申に山名があったので歩いてみた。現在山頂部には鉄塔が建っており、城跡であったとしても原形はとどめていないとみられる。
丸山は低山であり簡単に上がれると思ったが、取り付きに手間取り、鹿除けネットが張り巡らされているため、思いがけず手こずった。(2024.4.13)
IMG_8426城山.JPG城山
IMG_8425丸山.JPG丸山

城山・丸山.jpeg(1,2クリックで拡大)

●駐車地~城山
県道と市道交差部の空き地に駐車。
県道を東に300mほど進むと左に上の原集会所があり、道路を隔てたところに上方の水道施設へ向かうコンクリート道・階段がある。そのすぐ右の斜面に新設の巡視路が付いており、これを上がる。
IMG_8427コン道入口.JPGコン道入口
IMG_8428巡視路入口.JPG巡視路入口

ジグザグに登っていき、尾根上の直線道を進む。右に鉄塔を過ごすとすぐに巡視路分岐に出る。左の最高処が城山山頂である。ここまで、城の遺構らしきものは確認できない。
IMG_8429巡視路.JPG巡視路
IMG_8432尾根上の巡視路.JPG尾根上の巡視路
IMG_8434巡視路分岐・右に鉄塔.JPG巡視路分岐・右に鉄塔
IMG_8433城山最高処.JPG城山山頂

山頂部の半面は鉄塔No.152の設置のため原形を消失したとみられるが、地下上申の記述では北西部が表のようなので、一応鉄塔のまわりをフェンス沿いに歩いてみた。
歩いた限りでは城跡と思しきものは確認できなかった。
IMG_8436鉄塔No.152.JPG鉄塔No.152
IMG_8440鉄塔(北西側から).JPG鉄塔(北西側から)
IMG_8441北西尾根(下方).JPG北西尾根(下方)
IMG_8442西尾根から上方.JPG西尾根から上方

●~丸山北峰
続いて北側の丸山をめざす。低山ながら南面は絶壁のように切り立っており、とても取付けそうにない。山頂部にはコンクリート製の貯水槽のようなものが見える。
勾配が緩そうな東麓の方で取り付きを探すことにした。
舗装道に入り、鉄道軌道敷跡を横切って、民家を過ごす。
北東麓の民家横あたりからが一番取り付きやすそうだったが、民家の敷地を通るようで気が引けたので、そのまま舗装道を進むと、木屋川まで出てしまった。
IMG_8447舗装道(長門鉄道軌道趾)横断地点・丸山.JPG装道(長門鉄道軌道趾)横断地点・丸山
IMG_8449北東麓の民家・車道.JPG北東麓の民家・車道

仕方なく丸山北峰の北側まで進むと、「丸山樋門」があった。この北峰先端部あたりから取り付くことにする。すぐ先の小さなコン橋で水路を渡って、雑木斜面に取り付く。
IMG_8450丸山樋門.JPG丸山樋門
IMG_8452コン橋.JPGコン橋
IMG_8453取り付き.JPG取り付き

測量に入ったらしく、いくつかピンクテープが残っている。人かケモノかわからないような踏み跡があちこちにジグザグでついている。歩きやすいところを選んで枝につかまりながらなんとか登り切ると平坦尾根に出る。疎林尾根を進むとすぐに北峰の山頂に着く。樹木に囲まれ展望は得られない。
IMG_8454疎林斜面.JPG疎林斜面
IMG_8455疎林斜面.JPG疎林斜面
IMG_8456尾根へ出る.JPG尾根へ出る
IMG_8457丸山北峰山頂.JPG丸山北峰山頂

●~丸山~駐車地
丸山をめざして尾根を南に向かう。右の斜面はガケ状に切り立っている。尾根の先端部に出ると、シカ除けネットに出合う。眼前に丸山が見える。
「ヒューツ」 突然ネットの内側から鋭い鹿の鳴き声が響いた。
ゲートが見あたらないのでまた下まで降りるしかないかと思っていると、左手にネットの大きな隙間があったので、これを通らせてもらう。内側に鹿が跋扈しているところをみると、すでにネットは用をなしていないように思える。
IMG_8458雑木尾根・右の急峻な崖.JPG雑木尾根・右の急峻な崖
IMG_8459雑木尾根.JPG雑木尾根
IMG_8460ネット出合い・丸山.JPGネット出合い・丸山
IMG_8461ネット(浄水センター方向).JPGネット(浄水センター方向)

踏み跡をたどってヒノキ幼木の間を抜けていくと鞍部に出る。踏み跡は左へも下っている。
IMG_8462幼樹沿いの踏み跡.JPG幼木沿いの踏み跡
IMG_8463丸山・鞍部.JPG丸山・鞍部

ここは直進し、さらに尾根伝いに作業道跡に付けられたらしい踏み跡をたどる。ササがびっしり生えているが、よく刈られているので今のところ歩くには支障ない。
IMG_8466踏み跡.JPG踏み跡

作業道跡の分岐があるが、構わず直登すると山頂近くで作業道跡の平坦地へ出る。
IMG_8467踏み跡.JPG踏み跡
IMG_8468平坦地へ出る・右に作業道が続く.JPG平坦地へ出る・右に作業道跡が続く
IMG_8471丸山北峰・高畑山.JPG丸山北峰・高畑山

右に進み、行き止まりの少し手前でわずかに踏み跡が残る斜面をよじ登ると貯水槽らしきコンクリートの構造物があり、ここが山頂である。
IMG_8472平坦作業道・取り付き.JPG平坦作業道・取り付き
IMG_8475コン貯水槽.JPG丸山山頂・コン貯水槽

構造物が邪魔しない北半面の展望が大きく広がる。
IMG_8476中の嶽.JPG高地山・中の嶽
IMG_8477六万坊山.JPG六万坊山
IMG_8478金蔵山・六部山・鳴滝山.JPG金蔵山・六部山・鳴滝山
IMG_8479京ヶ嶽・華山.JPG京ヶ嶽・西の嶽・華山
IMG_8480高畑山.JPG高畑山

下の鞍部まで戻り、東方向へ踏み跡をたどって下る。鞍部で左からのネットと一旦出合い、右の谷沿いを下る。
IMG_8485平坦道分岐.JPG平坦道分岐
IMG_8486ネット出合い・鞍部.JPGネット出合い・鞍部

ヒノキ幼木沿いに下っていくと、下り切ったところでネットと再び出合う。前方は植林造成跡の空き地となっている。
IMG_8487植林境.JPG植林境
IMG_8488ネット・ゲート・空き地.JPGネット・ゲート・空き地

ゲートを抜け、ネット沿いに空き地の端を進む。もう一度ゲートを抜けると軌道敷跡沿いの小さな広場に出る。軌道敷跡の舗装道を右に進み、民家横から県道へ出る。
IMG_8491ネット沿い.JPGネット沿い
IMG_8492ゲート.JPGゲート
IMG_8493広場・舗装道(軌道敷趾)出合い.JPG広場・舗装道(軌道敷趾)出合い
IMG_8495県道出合い(逆方向).JPG県道出合い(逆方向)


■山名について

▲城山
地下上申の上田部村下田部村石高由来境目書では、「城山 大野境に有り 但上の平地之所凡十坪程有之、二段めハ茶臼の縁の如ク廻り段有之候、北西之方表と相見候、是ハ小山にて御座候、其外名所ハ無御座、往古何某の居住とも申伝ハ無御座候事」とあり、隣村境目書にも「城山」が見え、絵図には「古城山」と記されている。
また、田部の山林字名に「古城山(こしろやま)」がある。
ただ、大野村側の境目書には城山の記載はなく、絵図にもないが、村境の尾末に「平尾山(?)」らしき山名が記されている。
田部村の絵図には村境が尾末で二筋記されており、西側の小尾根の方を境とすれば大野村側では城山が村境から外れることになる。大野村の境目書に城山の記載がないのはこのことが理由かもしれない。
なお、『豊浦藩村浦明細書』田部村明細書の村境の項に、「茶臼山」との記載がある。

▲丸山
地下上申には山名は見あたらないが、絵図には大野村・田部村の両村に丸山の山名が見える。
また、上大野の耕地・山林の字名にも「丸山」がある。
なお、現在の大字境は丸山の尾根筋としているが、絵図での村境は両村とも山の西側としており、大野村側の山となっている。このため、境目書に記述がないのだろう。

菊川町史(三)に古墳時代初期とみられる丸山遺跡についての記述がある。1990年の集中豪雨による災害で丸山西側斜面が崩壊し、崩落土の中から土器三点が出土したという。
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