△苔谷・五毛山・内山(周南市戸田) [県央部の山]
この山域は20年ほど前に湯野側の林道を利用して東から西へ縦走したので、今回は戸田の苔谷側から逆に歩いてみた。
以前歩いた時は全体的に荒れていて、いい印象は残っていない。今回も植林部は多少歩きよいものの、尾根上は枯れた小枝が散乱しており、人が入った様子はあまりない。帰路は高圧線鉄塔の巡視路をたどって戻ってみたが、こちらも所々不明瞭な箇所があり思いがけず手こずった。(2023.2.20)
下苔谷より△苔谷ピーク方向
(1,2クリックで拡大)
●駐車地~さやが垰
下苔谷集落近くの市道沿いに駐車。上苔谷集落を通りさやが垰まで歩く。
下苔谷橋
石仏
馬頭観音
太鼓ヶ岳方向
途中、盃状穴板石の説明板がある。すぐ上に石仏が2体あり、左の石仏の台座が穴板石らしく、小さな盃状のくぼみがある。
盃状穴板石地蔵入口
案内板
盃状穴板石地蔵
変則四差路に左「神宮あさひの里2km」の道標がある。上に上苔谷自治会館が建ち駐車できそうだ。
四差路
上苔谷自治会館
聖観音(左)
三叉路を右に向かうとすぐ分岐(さやが垰)に着く。「林道古屋線終点」の標柱があり舗装林道が右に下っている。
さやが垰
林道終点標柱(逆方向)
●~△苔谷(清兵衛山?)
標柱から少し手前に戻るところに踏み跡程度の山道が右に上がっているので、これに取り付く。
山道を300mほど左へ巻きながらたどり山頂北側の植林尾根に取り付く。
取り付き
山道
尾根に出る
分岐
小崩落箇所
巻き道
植林尾根に取り付く
尾根上を進み、歩きやすそうな植林境をたどると雑木尾根に出る。
植林尾根
植林境
雑木尾根に出る(左方向)
ややヤブ気味の尾根を左に進み、ヒノキが直列に並ぶところを抜けると四等三角点「苔谷」(清兵衛山か?)の山頂に着く。雑木に囲まれ展望はない。
山頂手前
山頂
四等三角点「苔谷」
●~283mピーク(五毛山)
雑木尾根を東方向へ向かう。だだっ広い尾根が続くので方向を何度も確認しながら進む。低い石積みが横に並んだあたりから南東方向へ進む。
雑木尾根
平坦尾根
石積み
竹交じり雑木平坦尾根
小岩を過ぎ、260m、230mと支尾根分岐点を確認しながら下っていくと、竹が現われ、倒竹が重なる200m鞍部に降り立つ。
小岩
260m支尾根分岐点
植林境尾根
230m支尾根分岐点
踏み跡
200m鞍部手前・倒竹
200m鞍部
雑木まじりの植林尾根沿いに250m、270m支尾根合流点を確認しながら登っていく。茂みに潜んでいたと思われるこげ茶色のイノシシがこちらの物音に驚いたようで、ガサガサと音を立てながら10mほど前を横切り、下方の雑木斜面へ一目散に駆け下りていった。
植林尾根
雑木交じり植林尾根
250m支尾根合流点
植林境
270m支尾根合流点
平坦尾根
植林境を登り切ると283mピークの五毛(ごもう)山に着く。ここも展望はない。目印となるようなものもなさそうだ。
283mピーク手前
283mピーク(五毛山)
●~内山(△古屋)
東方向へ下り、平坦な雑木尾根をたどる。
雑木尾根
雑木尾根
260m、250mと支尾根分岐点で方向を確認しながら進み、緩やかな尾根を登り切ると、平坦なヒノキ植林境に出る。四等三角点「古屋」があるだけの内山山頂である。展望はなし。以前歩いたときは北側の林道から直接ここに上がってきた。
260m支尾根分岐点
250m支尾根分岐点
雑木尾根
雑木尾根
内山山頂
四等三角点「古屋」
●~鉄塔No.32~鉄塔N0.31~下降口
植林境を東に向けて下る。支尾根分岐点あたりの幹にピンクテープが巻かれている。左方向へ下れば鉄塔No.31の尾根に下れそうだが、植林尾根で方向取りが難しそうなので、そのまま植林境を南東方向へ下ることにする。
植林境
ピンクテープ(支尾根分岐点)
尾根上に小枝が重なり歩きにくいところをよけながらどんどん下っていくと、前方樹間に鉄塔が現われ巡視路に出る。すぐ先に鉄塔No.32が建つ。周りの樹木に阻まれ展望はよくない。
植林境
植林境
植林境
巡視路合流・鉄塔No.32
鉄塔No.32
巡視路を北に下り、谷を回り込みながら東尾根沿いに進む。三つ目の標柱で尾根と合わさり、さらに下ると鞍部近くで標柱を見る。平坦尾根を進むと鉄塔No.31に出合う。ここではじめて東側の展望が開ける。
中電標柱・巡視路
標柱
標柱・尾根合流点
標柱
鉄塔No.31
214.8mピーク
一旦麓まで下ることにしたが、倒木のマツが下降口を塞いでいたためてこずった。
尾根を左へ回り込み谷を下る(地形図上では谷が不明瞭)。枯れ枝や土砂で巡視路が不明瞭なところがある。
巡視路下降口・マツ倒木
巡視路
巡視路
標柱を見て少し下ると少し開けたところへ出る。トタン柵をまたぎ、民家沿いに細道をたどると新幹線のガードのところで県道に出合う。
標柱
下方が開ける
トタン柵
巡視路出口(逆方向)
●~鉄塔No.31~鉄塔N0.32~鉄塔No.33~鉄塔N0.34
ここで折り返し巡視路をたどって鉄塔N0.32まで戻る。南西方向に建つ鉄塔N0.33をめざすが、巡視路の連結箇所が不明瞭で探しまわる。鉄塔の南下斜面に巡視路をみつけ、これをたどる。
南尾根上の標柱から右(西)へ向かい、棚田跡の植林谷を回り込む。
巡視路
標柱(逆方向)
巡視路
標柱
スギ谷(棚田跡)沿い
石垣沿い
尾根上に標柱を見て尾根を南へ下ると鉄塔N0.33に出合う。展望はなし。
標柱
巡視路
鉄塔No.33
標柱まで戻り、西へ巡視路を進む。右斜面に小穴(坑口跡のような?)を過ごし、棚田跡の竹林谷を回り込みながら進む。
標柱まで戻る
タケ沿い
右斜面に小穴
巡視路・プラ段
巡視路
次の竹林谷を回り込むとひどい倒竹帯となる。これでも巡視路だろうかと疑い始めると巡視路を示す火の用心の黄マークが付けてある。
竹林沿い
倒竹・黄マーク
仕方なく必死で倒竹をくぐり抜けながら進むと雑木尾根に変わり道が不明瞭となる。
巡視路?
巡視路?
とにかく水平方向に進めば鉄塔近くに出るだろうと進んでいくと、黄マークの切れ端が足元に落ちており、左の少し開けたあたりに標柱が見えた。標柱から西と南方向に少し切り開きがあり、これから判断すると倒竹帯の途中から西へ巡視路の迂回路が付けてあるようだ(ただし明瞭かどうか?)。
標柱の上方
標柱から上方(西)・黄マーク
標柱から南へ巡視路をたどり、二つ目のコン杭を見ると、左(南)方向に標柱があり、その先に鉄塔No.34を見る。展望はなし。
巡視路
コン杭
コン杭
巡視路
標柱
鉄塔No.34
●~林道岡田線終点~駐車地
標柱まで戻り、西へ向かう。次の尾根上で標柱に出合うと谷へ下る。
巡視路
標柱
倒竹の多い荒れた谷でまたしても巡視路が消失する。わずかにプラスチック階段が残っている所があることから巡視路が谷を下っているのは間違いなさそうだ。
黄マーク
倒竹谷
倒竹谷
巡視路は林道に向かうだろうと踏んで、右の尾根寄りに下っていき、林道と高度が同じになるあたりで右へトラバースしようと考えていたら、突然水平道に出て、黄マークがそば木に付けられていた。
右の支尾根側寄りへ
水平道・黄マーク
巻き道をたどると標柱があったが、すぐ先でひどい倒竹ヤブとなる。竹の間を必死で潜り抜けていくと突然林道に抜け出た。林道終点を確認し逆にたどってみたら、倒竹ヤブのところから右上へ迂回路があり林道終点の一段高い所に出た。目印もないので逆方向から入るのでなければ、初めての者は迷うだろう。
標柱
倒竹
手前右上に迂回路
一段下の林道終点部(逆方向)
林道を辿って駐車地へ戻る。民家が下方に見えはじめると前からうり坊がひょこひょこやってきた。こちらに気づくとびくっとした顔をし、あわてて下の畑へ消えていった。親の姿がいないところをみるとやっと独り立ちしたばかりだろうか。
林道
倒竹
林道
石仏
■山名等について
『地下上申』戸田村・湯野村の隣村境目書だけでは山の特定が難しかったので、地下上申絵図もあたってみた。支尾根の描写が簡略なこともあり手こずったが、判断経緯を以下のとおり報告したい。
このたび歩いた大字境の山は、隣村境目書には戸田村・湯野村のいずれにも4座の山名記載があるのに、絵図では戸田村2座、湯野村3座しか記載されていない。また、両村とも西端の「さやが垰」と、中間の「湯野の垰」の二つの峠の記載がある。
村ごと西から具体的に並べてみると、
戸田村:●さやが垰、さやが垰山、清兵衛山、●ごもう山、●ゆのの垰、●内山
湯野村:●さやが垰、さやが垰山、●だいが迫山、●やしき山、●ゆのの垰、●石丸山
※●印は絵図記載の山名等
また、地形図上では319.4m、283m、251.8mの三つのピークを山塊として3座と数えることができる。
「さやが垰」は現状と同じとしてよいだろう。「湯野の垰」は当初地形図に破線道の表示がある200m鞍部かと考えたが、絵図では283mピークと251.8mピークの間あたりを横切っているように思われる。
そこで戸田村の絵図上では湯野の垰の東側に内山、西側に五毛山があることからこれらの2座が特定できる。
残る西端の1座については、地下上申の戸田村側では「さやが垰山」と「清兵衛山」とが残るが、絵図にはいずれも記載されていない。そこで「さやが垰山」は「さやが垰」手前の平坦尾根あたりを示すものと考え、319.4mピークを「清兵衛山」と推定した。
『地下上申』より時代が下がる『風土注進案』には、合壁山として「苔谷山」、山野として「内山」の名が見える。苔谷山の位置は不明だが三角点「苔谷」の山としてもよいかもしれない。
なお、湯野村側の山名についても同様に「さやが垰山」を対象から外し、残る3山を西側からわりふることができる。
以前歩いた時は全体的に荒れていて、いい印象は残っていない。今回も植林部は多少歩きよいものの、尾根上は枯れた小枝が散乱しており、人が入った様子はあまりない。帰路は高圧線鉄塔の巡視路をたどって戻ってみたが、こちらも所々不明瞭な箇所があり思いがけず手こずった。(2023.2.20)
下苔谷より△苔谷ピーク方向
(1,2クリックで拡大)
●駐車地~さやが垰
下苔谷集落近くの市道沿いに駐車。上苔谷集落を通りさやが垰まで歩く。
下苔谷橋
石仏
馬頭観音
太鼓ヶ岳方向
途中、盃状穴板石の説明板がある。すぐ上に石仏が2体あり、左の石仏の台座が穴板石らしく、小さな盃状のくぼみがある。
盃状穴板石地蔵入口
案内板
盃状穴板石地蔵
変則四差路に左「神宮あさひの里2km」の道標がある。上に上苔谷自治会館が建ち駐車できそうだ。
四差路
上苔谷自治会館
聖観音(左)
三叉路を右に向かうとすぐ分岐(さやが垰)に着く。「林道古屋線終点」の標柱があり舗装林道が右に下っている。
さやが垰
林道終点標柱(逆方向)
●~△苔谷(清兵衛山?)
標柱から少し手前に戻るところに踏み跡程度の山道が右に上がっているので、これに取り付く。
山道を300mほど左へ巻きながらたどり山頂北側の植林尾根に取り付く。
取り付き
山道
尾根に出る
分岐
小崩落箇所
巻き道
植林尾根に取り付く
尾根上を進み、歩きやすそうな植林境をたどると雑木尾根に出る。
植林尾根
植林境
雑木尾根に出る(左方向)
ややヤブ気味の尾根を左に進み、ヒノキが直列に並ぶところを抜けると四等三角点「苔谷」(清兵衛山か?)の山頂に着く。雑木に囲まれ展望はない。
山頂手前
山頂
四等三角点「苔谷」
●~283mピーク(五毛山)
雑木尾根を東方向へ向かう。だだっ広い尾根が続くので方向を何度も確認しながら進む。低い石積みが横に並んだあたりから南東方向へ進む。
雑木尾根
平坦尾根
石積み
竹交じり雑木平坦尾根
小岩を過ぎ、260m、230mと支尾根分岐点を確認しながら下っていくと、竹が現われ、倒竹が重なる200m鞍部に降り立つ。
小岩
260m支尾根分岐点
植林境尾根
230m支尾根分岐点
踏み跡
200m鞍部手前・倒竹
200m鞍部
雑木まじりの植林尾根沿いに250m、270m支尾根合流点を確認しながら登っていく。茂みに潜んでいたと思われるこげ茶色のイノシシがこちらの物音に驚いたようで、ガサガサと音を立てながら10mほど前を横切り、下方の雑木斜面へ一目散に駆け下りていった。
植林尾根
雑木交じり植林尾根
250m支尾根合流点
植林境
270m支尾根合流点
平坦尾根
植林境を登り切ると283mピークの五毛(ごもう)山に着く。ここも展望はない。目印となるようなものもなさそうだ。
283mピーク手前
283mピーク(五毛山)
●~内山(△古屋)
東方向へ下り、平坦な雑木尾根をたどる。
雑木尾根
雑木尾根
260m、250mと支尾根分岐点で方向を確認しながら進み、緩やかな尾根を登り切ると、平坦なヒノキ植林境に出る。四等三角点「古屋」があるだけの内山山頂である。展望はなし。以前歩いたときは北側の林道から直接ここに上がってきた。
260m支尾根分岐点
250m支尾根分岐点
雑木尾根
雑木尾根
内山山頂
四等三角点「古屋」
●~鉄塔No.32~鉄塔N0.31~下降口
植林境を東に向けて下る。支尾根分岐点あたりの幹にピンクテープが巻かれている。左方向へ下れば鉄塔No.31の尾根に下れそうだが、植林尾根で方向取りが難しそうなので、そのまま植林境を南東方向へ下ることにする。
植林境
ピンクテープ(支尾根分岐点)
尾根上に小枝が重なり歩きにくいところをよけながらどんどん下っていくと、前方樹間に鉄塔が現われ巡視路に出る。すぐ先に鉄塔No.32が建つ。周りの樹木に阻まれ展望はよくない。
植林境
植林境
植林境
巡視路合流・鉄塔No.32
鉄塔No.32
巡視路を北に下り、谷を回り込みながら東尾根沿いに進む。三つ目の標柱で尾根と合わさり、さらに下ると鞍部近くで標柱を見る。平坦尾根を進むと鉄塔No.31に出合う。ここではじめて東側の展望が開ける。
中電標柱・巡視路
標柱
標柱・尾根合流点
標柱
鉄塔No.31
214.8mピーク
一旦麓まで下ることにしたが、倒木のマツが下降口を塞いでいたためてこずった。
尾根を左へ回り込み谷を下る(地形図上では谷が不明瞭)。枯れ枝や土砂で巡視路が不明瞭なところがある。
巡視路下降口・マツ倒木
巡視路
巡視路
標柱を見て少し下ると少し開けたところへ出る。トタン柵をまたぎ、民家沿いに細道をたどると新幹線のガードのところで県道に出合う。
標柱
下方が開ける
トタン柵
巡視路出口(逆方向)
●~鉄塔No.31~鉄塔N0.32~鉄塔No.33~鉄塔N0.34
ここで折り返し巡視路をたどって鉄塔N0.32まで戻る。南西方向に建つ鉄塔N0.33をめざすが、巡視路の連結箇所が不明瞭で探しまわる。鉄塔の南下斜面に巡視路をみつけ、これをたどる。
南尾根上の標柱から右(西)へ向かい、棚田跡の植林谷を回り込む。
巡視路
標柱(逆方向)
巡視路
標柱
スギ谷(棚田跡)沿い
石垣沿い
尾根上に標柱を見て尾根を南へ下ると鉄塔N0.33に出合う。展望はなし。
標柱
巡視路
鉄塔No.33
標柱まで戻り、西へ巡視路を進む。右斜面に小穴(坑口跡のような?)を過ごし、棚田跡の竹林谷を回り込みながら進む。
標柱まで戻る
タケ沿い
右斜面に小穴
巡視路・プラ段
巡視路
次の竹林谷を回り込むとひどい倒竹帯となる。これでも巡視路だろうかと疑い始めると巡視路を示す火の用心の黄マークが付けてある。
竹林沿い
倒竹・黄マーク
仕方なく必死で倒竹をくぐり抜けながら進むと雑木尾根に変わり道が不明瞭となる。
巡視路?
巡視路?
とにかく水平方向に進めば鉄塔近くに出るだろうと進んでいくと、黄マークの切れ端が足元に落ちており、左の少し開けたあたりに標柱が見えた。標柱から西と南方向に少し切り開きがあり、これから判断すると倒竹帯の途中から西へ巡視路の迂回路が付けてあるようだ(ただし明瞭かどうか?)。
標柱の上方
標柱から上方(西)・黄マーク
標柱から南へ巡視路をたどり、二つ目のコン杭を見ると、左(南)方向に標柱があり、その先に鉄塔No.34を見る。展望はなし。
巡視路
コン杭
コン杭
巡視路
標柱
鉄塔No.34
●~林道岡田線終点~駐車地
標柱まで戻り、西へ向かう。次の尾根上で標柱に出合うと谷へ下る。
巡視路
標柱
倒竹の多い荒れた谷でまたしても巡視路が消失する。わずかにプラスチック階段が残っている所があることから巡視路が谷を下っているのは間違いなさそうだ。
黄マーク
倒竹谷
倒竹谷
巡視路は林道に向かうだろうと踏んで、右の尾根寄りに下っていき、林道と高度が同じになるあたりで右へトラバースしようと考えていたら、突然水平道に出て、黄マークがそば木に付けられていた。
右の支尾根側寄りへ
水平道・黄マーク
巻き道をたどると標柱があったが、すぐ先でひどい倒竹ヤブとなる。竹の間を必死で潜り抜けていくと突然林道に抜け出た。林道終点を確認し逆にたどってみたら、倒竹ヤブのところから右上へ迂回路があり林道終点の一段高い所に出た。目印もないので逆方向から入るのでなければ、初めての者は迷うだろう。
標柱
倒竹
手前右上に迂回路
一段下の林道終点部(逆方向)
林道を辿って駐車地へ戻る。民家が下方に見えはじめると前からうり坊がひょこひょこやってきた。こちらに気づくとびくっとした顔をし、あわてて下の畑へ消えていった。親の姿がいないところをみるとやっと独り立ちしたばかりだろうか。
林道
倒竹
林道
石仏
■山名等について
『地下上申』戸田村・湯野村の隣村境目書だけでは山の特定が難しかったので、地下上申絵図もあたってみた。支尾根の描写が簡略なこともあり手こずったが、判断経緯を以下のとおり報告したい。
このたび歩いた大字境の山は、隣村境目書には戸田村・湯野村のいずれにも4座の山名記載があるのに、絵図では戸田村2座、湯野村3座しか記載されていない。また、両村とも西端の「さやが垰」と、中間の「湯野の垰」の二つの峠の記載がある。
村ごと西から具体的に並べてみると、
戸田村:●さやが垰、さやが垰山、清兵衛山、●ごもう山、●ゆのの垰、●内山
湯野村:●さやが垰、さやが垰山、●だいが迫山、●やしき山、●ゆのの垰、●石丸山
※●印は絵図記載の山名等
また、地形図上では319.4m、283m、251.8mの三つのピークを山塊として3座と数えることができる。
「さやが垰」は現状と同じとしてよいだろう。「湯野の垰」は当初地形図に破線道の表示がある200m鞍部かと考えたが、絵図では283mピークと251.8mピークの間あたりを横切っているように思われる。
そこで戸田村の絵図上では湯野の垰の東側に内山、西側に五毛山があることからこれらの2座が特定できる。
残る西端の1座については、地下上申の戸田村側では「さやが垰山」と「清兵衛山」とが残るが、絵図にはいずれも記載されていない。そこで「さやが垰山」は「さやが垰」手前の平坦尾根あたりを示すものと考え、319.4mピークを「清兵衛山」と推定した。
『地下上申』より時代が下がる『風土注進案』には、合壁山として「苔谷山」、山野として「内山」の名が見える。苔谷山の位置は不明だが三角点「苔谷」の山としてもよいかもしれない。
なお、湯野村側の山名についても同様に「さやが垰山」を対象から外し、残る3山を西側からわりふることができる。
2023-03-03 19:19
コメント(0)