雄笠山・雌笠山・防迫の頭(下関市阿内) [県西部の山]
雄笠山・雌笠山は『防長山野へのいざない第3集』、中の嶽は同書第4集で紹介されているが、これら両山塊を結ぶ稜線は踏査したことがないので歩いてみた。取り付きの雄笠山と雌笠山はおよそ10年ぶりだ。
まずは林道地西線から雄・雌笠山のピークを踏み、豊関トンネルの東、264mピークの防迫(ぼうざこ)の頭まで縦走し、トンネル入口へ下った。縦走路のほとんどは植林境で、一部シダ被りや灌木箇所があるものの、地図読みをきちんとすれば案外楽に歩くことができる。
なお、高圧線鉄塔は廃線・変更により地形図と一部異なっている。(2015.03.15)
No.142鉄塔から防迫の頭
(1,2クリックで拡大)
県道沿いに駐車地を見付け、林道地西線へ入る。すぐに舗装切れとなり、少し進むと車止めがある。植林管理で利用されるのか道は荒れていない。
林道入口
鉄塔・林道
林道看板・コン橋
林道(直進)・車止め
スギ植林沿い
林道分岐
金属橋が沢に架かるところで巡視路コースを右に過ごし、林道終点までたどると、前方に堰堤を見る。谷方向に道がないので、少し戻り、境界杭とテープのある斜面に取り付く。
金属橋・巡視路分岐
巡視路分岐・窯跡(逆方向)
コン橋右(左岸)へ
林道終点
前方に堰堤
取り付き
踏み跡をたどるとすぐに右のスギ植林谷へ入る。市有林のコン杭と測量テープが続く谷を詰め、ヒノキ林境を登ると、支尾根上で右からの巡視路コースと合わさる。
スギ谷に入る
スギ谷
ヒノキ林境
ヒノキ林境
巡視路合流(右から)
左に炭焼窯跡を過ごし右へ巻き道を進むと道標のある主尾根鞍部へ着く。反対側の谷から市ヶ浴や鳥通からのコースがここで合わさる。
鞍部
市ヶ浴・雄笠山方向
雌笠山方向
ここで一旦雄笠山まで往復する。ロープが張られた急勾配の雑木尾根を登り切ると、航空燈台の建つ雄笠山山頂へ着く。山頂は小広場となり、中央部に二等三角点「雄笠山」を見る。切り開きがあり、西や南西方向の展望が得られる。
雑木尾根の急登
急登
雄笠山山頂・三角点
航空燈台(逆方向)
首かたげ山など
四王司山・勝山
鞍部へ戻り、次は雌笠山をめざす。巡視路を兼ねた明瞭な尾根道が続く。
途中、標柱を確認し、鉄塔No.35に立ち寄る。展望は期待できない。
溝状の尾根道
巡視路分岐(左)
No.35鉄塔
山道へ戻り、ヒノキ林沿いに平坦尾根をたどる。登り返し、右に巡視路(行者さんコース)を分けるとすぐに、鉄塔No.36の建つ雌笠山山頂へ着く。周囲の植林が伸び、残念ながら展望は得られない。
ヒノキ尾根
行者さんコース分岐
雌笠山山頂
いよいよアップダウンが続く縦走路に入る。北尾根へ向かい、両側ヒノキ植林の尾根を伝うと310mの平坦北ピークへ着く。
ヒノキ尾根
北ピーク
次の290mのピークでコンクリート杭「16」を確認し北西尾根を下る。ここからは左ヒノキ、右雑木の尾根道となり、随所に菊川町のコン杭を見る。
シダ・植林尾根
ヒノキ尾根
290mピーク
ヒノキ境
雄笠山
ヒノキ林境の道は左の巻き道に変わるが、そのまま直進方向へ雑木尾根を登ると289mピークに着く。
分岐を直登
289mピーク
ここで北方向へ雑木平坦尾根を進み、ふたたび左ヒノキ林境の尾根道を下っていくと、左ヒノキ林、右竹林の鞍部へ降り立つ。地形図上に破線道があるが、両方向に明瞭な山道は確認できない。
雑木尾根
北ピーク
植林境の下り
210m鞍部・右に竹林
登り返すとすぐに平坦ピークに着く。周囲が灌木ヤブとなっており、ここ数年中に一度伐採されたと思われる。
灌木の平坦ピーク
ふたたびヒノキ林境の平坦尾根を進み、登り切ると230mピークで、左右へ延びる明瞭な山道と出会う。右方向の先に「火の用心」マークがあり巡視路と思われるが、地形図上ではこの先東西に二本の高圧線が平行しており、南側は廃線となっている。したがって、この道が現在も巡視路として利用されているかどうかは定かでない。
ヒノキ林境の平坦尾根
ヒノキ林境の上り
途中の西側展望(首かたげ山)
230mピーク・巡視路?出会い
北東方向の尾根
北西方向の尾根
左折しヒノキ林境の道を登り返すと、標高230mあたりで平坦な裸地へ出る。以前はここに鉄塔が建っていたと思われる。
平坦尾根鞍部
ヒノキ林境上り
裸地(鉄塔跡?)
少し進むと250m平坦ピークへ着く。樹林に囲まれ展望は得られない。
ヒノキ林境
250m平坦ピーク
右折する感じで北西方向へ下ると、ここも伐採跡と思われる両側灌木ヤブの平坦尾根となり、道のわきに四等三角点「小野」を見る。ヤブが濃くなると分かりづらくなるだろう。眼前には鉄塔が望める。
ヒノキ林境
灌木ヤブの平坦尾根
四等三角点
前方の鉄塔
灌木帯を抜けるとヒノキ林となり、すぐにNo.142の鉄塔広場へ着く。周辺のカヤが刈られている。
ここで巡視路のひとつは南西方向へ向かうが、反対の北東方向への巡視路が定かではない。東側の谷へ踏み跡があるが、目印の「火の用心」マークが見当たらない。標柱は廃線前のものと思われ当てにできない。
ヒノキ林境
No.142鉄塔
鉄塔広場から中の嶽・264mピーク
巡視路(南西方向)
気にはなったが、そのまま北西方向の尾根道を下る。210m平坦ピークで左(北西)方向へ下ると鞍部へ着く。両側植林帯となり、それぞれ踏み跡がある。
ヒノキ植林境
210m平坦ピーク
190m鞍部
植林境を登っていくと境界杭等が並ぶ平坦尾根へ出る。右へ少し進んだところが最高所で、標高264mピークの「防迫の頭」である。山頂部は雑木に囲まれ、展望は得られない。
ヒノキ林境
ヒノキ林境
ピーク手前
境界石から264mピーク方向
264mピーク
境界石方向へ戻り、西へ延びる緩い尾根を下る。次の赤ポールのある250mピークで右折するとヒノキ植林帯の頂部へ着く。
西尾根のヒノキ林境
ヒノキ林境上り
250mピーク
ヒノキ植林頂部
西尾根方向へややシダが被る植林境を下る。
ヒノキ林境
ヒノキ林境・シダ
緩いアップダウンのあと濃いシダヤブを分けていくと、地籍図根三角点のある平坦小ピークへ着く。中の嶽、華山、四王司山、勝山などが見渡せる展望地となっている。
ヒノキ林境上り
シダ被りの上り
ピーク手前のシダ被り
地籍図根三角点
190m平坦ピーク
中の嶽・六万坊山
京ヶ嶽・華山
四王司山・勝山・表山
ここから踏み跡をたどってシダの薄い西方向へ一旦下るが、踏み跡が不明瞭となったので、下の車地峠をめざし雑木疎林をトラバースしながら下ると、切通しとなった峠のすぐ上へ出る。2mほどの高低差だったので、注意しながらそのまま峠へ降りたが、北方向へ少し迂回した方が無難かもしれない。
疎林・シダ斜面
疎林をトラバース
峠の上の境界杭
峠の下降地点(逆方向)
車地垰(阿内方向)
車地垰(七見方向)
峠の両方向に古道が残るが、あまり使われた様子はない。
北側(七見側)の谷
阿内側の植林谷
スギ谷に残る古道伝いに南方向へ下っていくと、コンクリート水路と出会う。前方の道はヤブ気味となるため、この水路を渡って対岸の斜面を上がると、作業道へ出た。そのまま草被りの道を下っていくと、豊関トンネルの入口近くで出る。
植林谷・古道
植林谷
コンクリート用水路
作業道へ出る
作業道を下る
トンネル近くの下山口(逆方向)
グリーンロードから県道へ出て駐車地へ戻る。
六万坊山・中の嶽が重なる
雄笠山(右奥)
289mピーク
230mピーク(中央奥)
■山名考
264mピークは阿内、七見、上田部の大字境の山で、『地下上申』の境目書には、それぞれ「ぼうざこの頭」、「岩なめり山」、「白ぐちなわの浴頭」とされている。また、『角川日本地名大辞典 山口県』「小字一覧」の阿内の項には、「防迫(ボウサコ)」が見える。
ここでは、阿内側の山名を採った。
なお、南に位置する246.1mの四等三角点「小野」の地番は、点の記によると小字名が防迫であることから、防迫は両ピークの南西にある谷付近の地名ではないかと推測する。
まずは林道地西線から雄・雌笠山のピークを踏み、豊関トンネルの東、264mピークの防迫(ぼうざこ)の頭まで縦走し、トンネル入口へ下った。縦走路のほとんどは植林境で、一部シダ被りや灌木箇所があるものの、地図読みをきちんとすれば案外楽に歩くことができる。
なお、高圧線鉄塔は廃線・変更により地形図と一部異なっている。(2015.03.15)
No.142鉄塔から防迫の頭
(1,2クリックで拡大)
県道沿いに駐車地を見付け、林道地西線へ入る。すぐに舗装切れとなり、少し進むと車止めがある。植林管理で利用されるのか道は荒れていない。
林道入口
鉄塔・林道
林道看板・コン橋
林道(直進)・車止め
スギ植林沿い
林道分岐
金属橋が沢に架かるところで巡視路コースを右に過ごし、林道終点までたどると、前方に堰堤を見る。谷方向に道がないので、少し戻り、境界杭とテープのある斜面に取り付く。
金属橋・巡視路分岐
巡視路分岐・窯跡(逆方向)
コン橋右(左岸)へ
林道終点
前方に堰堤
取り付き
踏み跡をたどるとすぐに右のスギ植林谷へ入る。市有林のコン杭と測量テープが続く谷を詰め、ヒノキ林境を登ると、支尾根上で右からの巡視路コースと合わさる。
スギ谷に入る
スギ谷
ヒノキ林境
ヒノキ林境
巡視路合流(右から)
左に炭焼窯跡を過ごし右へ巻き道を進むと道標のある主尾根鞍部へ着く。反対側の谷から市ヶ浴や鳥通からのコースがここで合わさる。
鞍部
市ヶ浴・雄笠山方向
雌笠山方向
ここで一旦雄笠山まで往復する。ロープが張られた急勾配の雑木尾根を登り切ると、航空燈台の建つ雄笠山山頂へ着く。山頂は小広場となり、中央部に二等三角点「雄笠山」を見る。切り開きがあり、西や南西方向の展望が得られる。
雑木尾根の急登
急登
雄笠山山頂・三角点
航空燈台(逆方向)
首かたげ山など
四王司山・勝山
鞍部へ戻り、次は雌笠山をめざす。巡視路を兼ねた明瞭な尾根道が続く。
途中、標柱を確認し、鉄塔No.35に立ち寄る。展望は期待できない。
溝状の尾根道
巡視路分岐(左)
No.35鉄塔
山道へ戻り、ヒノキ林沿いに平坦尾根をたどる。登り返し、右に巡視路(行者さんコース)を分けるとすぐに、鉄塔No.36の建つ雌笠山山頂へ着く。周囲の植林が伸び、残念ながら展望は得られない。
ヒノキ尾根
行者さんコース分岐
雌笠山山頂
いよいよアップダウンが続く縦走路に入る。北尾根へ向かい、両側ヒノキ植林の尾根を伝うと310mの平坦北ピークへ着く。
ヒノキ尾根
北ピーク
次の290mのピークでコンクリート杭「16」を確認し北西尾根を下る。ここからは左ヒノキ、右雑木の尾根道となり、随所に菊川町のコン杭を見る。
シダ・植林尾根
ヒノキ尾根
290mピーク
ヒノキ境
雄笠山
ヒノキ林境の道は左の巻き道に変わるが、そのまま直進方向へ雑木尾根を登ると289mピークに着く。
分岐を直登
289mピーク
ここで北方向へ雑木平坦尾根を進み、ふたたび左ヒノキ林境の尾根道を下っていくと、左ヒノキ林、右竹林の鞍部へ降り立つ。地形図上に破線道があるが、両方向に明瞭な山道は確認できない。
雑木尾根
北ピーク
植林境の下り
210m鞍部・右に竹林
登り返すとすぐに平坦ピークに着く。周囲が灌木ヤブとなっており、ここ数年中に一度伐採されたと思われる。
灌木の平坦ピーク
ふたたびヒノキ林境の平坦尾根を進み、登り切ると230mピークで、左右へ延びる明瞭な山道と出会う。右方向の先に「火の用心」マークがあり巡視路と思われるが、地形図上ではこの先東西に二本の高圧線が平行しており、南側は廃線となっている。したがって、この道が現在も巡視路として利用されているかどうかは定かでない。
ヒノキ林境の平坦尾根
ヒノキ林境の上り
途中の西側展望(首かたげ山)
230mピーク・巡視路?出会い
北東方向の尾根
北西方向の尾根
左折しヒノキ林境の道を登り返すと、標高230mあたりで平坦な裸地へ出る。以前はここに鉄塔が建っていたと思われる。
平坦尾根鞍部
ヒノキ林境上り
裸地(鉄塔跡?)
少し進むと250m平坦ピークへ着く。樹林に囲まれ展望は得られない。
ヒノキ林境
250m平坦ピーク
右折する感じで北西方向へ下ると、ここも伐採跡と思われる両側灌木ヤブの平坦尾根となり、道のわきに四等三角点「小野」を見る。ヤブが濃くなると分かりづらくなるだろう。眼前には鉄塔が望める。
ヒノキ林境
灌木ヤブの平坦尾根
四等三角点
前方の鉄塔
灌木帯を抜けるとヒノキ林となり、すぐにNo.142の鉄塔広場へ着く。周辺のカヤが刈られている。
ここで巡視路のひとつは南西方向へ向かうが、反対の北東方向への巡視路が定かではない。東側の谷へ踏み跡があるが、目印の「火の用心」マークが見当たらない。標柱は廃線前のものと思われ当てにできない。
ヒノキ林境
No.142鉄塔
鉄塔広場から中の嶽・264mピーク
巡視路(南西方向)
気にはなったが、そのまま北西方向の尾根道を下る。210m平坦ピークで左(北西)方向へ下ると鞍部へ着く。両側植林帯となり、それぞれ踏み跡がある。
ヒノキ植林境
210m平坦ピーク
190m鞍部
植林境を登っていくと境界杭等が並ぶ平坦尾根へ出る。右へ少し進んだところが最高所で、標高264mピークの「防迫の頭」である。山頂部は雑木に囲まれ、展望は得られない。
ヒノキ林境
ヒノキ林境
ピーク手前
境界石から264mピーク方向
264mピーク
境界石方向へ戻り、西へ延びる緩い尾根を下る。次の赤ポールのある250mピークで右折するとヒノキ植林帯の頂部へ着く。
西尾根のヒノキ林境
ヒノキ林境上り
250mピーク
ヒノキ植林頂部
西尾根方向へややシダが被る植林境を下る。
ヒノキ林境
ヒノキ林境・シダ
緩いアップダウンのあと濃いシダヤブを分けていくと、地籍図根三角点のある平坦小ピークへ着く。中の嶽、華山、四王司山、勝山などが見渡せる展望地となっている。
ヒノキ林境上り
シダ被りの上り
ピーク手前のシダ被り
地籍図根三角点
190m平坦ピーク
中の嶽・六万坊山
京ヶ嶽・華山
四王司山・勝山・表山
ここから踏み跡をたどってシダの薄い西方向へ一旦下るが、踏み跡が不明瞭となったので、下の車地峠をめざし雑木疎林をトラバースしながら下ると、切通しとなった峠のすぐ上へ出る。2mほどの高低差だったので、注意しながらそのまま峠へ降りたが、北方向へ少し迂回した方が無難かもしれない。
疎林・シダ斜面
疎林をトラバース
峠の上の境界杭
峠の下降地点(逆方向)
車地垰(阿内方向)
車地垰(七見方向)
峠の両方向に古道が残るが、あまり使われた様子はない。
北側(七見側)の谷
阿内側の植林谷
スギ谷に残る古道伝いに南方向へ下っていくと、コンクリート水路と出会う。前方の道はヤブ気味となるため、この水路を渡って対岸の斜面を上がると、作業道へ出た。そのまま草被りの道を下っていくと、豊関トンネルの入口近くで出る。
植林谷・古道
植林谷
コンクリート用水路
作業道へ出る
作業道を下る
トンネル近くの下山口(逆方向)
グリーンロードから県道へ出て駐車地へ戻る。
六万坊山・中の嶽が重なる
雄笠山(右奥)
289mピーク
230mピーク(中央奥)
■山名考
264mピークは阿内、七見、上田部の大字境の山で、『地下上申』の境目書には、それぞれ「ぼうざこの頭」、「岩なめり山」、「白ぐちなわの浴頭」とされている。また、『角川日本地名大辞典 山口県』「小字一覧」の阿内の項には、「防迫(ボウサコ)」が見える。
ここでは、阿内側の山名を採った。
なお、南に位置する246.1mの四等三角点「小野」の地番は、点の記によると小字名が防迫であることから、防迫は両ピークの南西にある谷付近の地名ではないかと推測する。
2015-03-21 19:32
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