矢筈ヶ岳・山上山(石鎚山)(防府市真尾) [県央部の山]
先日、牟礼峠から大谷山をめざした際、逆方向の矢筈ヶ岳に続く尾根に踏み跡があったので、新たなルートを期待して歩いてみた。帰路は山勘さんからのリクエストもあり、山頂から北北東に延びる尾根上にある山上山を、平成14年11月登頂以来、久しぶりに再訪した。
矢筈ヶ岳の牟礼峠ルートは、途中からテープが現れ歩きやすくなるが、測量関係で付けられたらしく、まもなく途絶える。山頂まで総じて雑木のヤブ尾根である。山上山への縦走尾根は、急勾配箇所や岩場があり、上りのコースとして取った方がよさそうだ。後半はシダが深いところがあるが、踏み跡やテープがあり、注意しながら歩けばよい。
山上山は、登山口から文字が消えかかった道標やテープが付けられ、少なからず登山者がいることがうかがわれる。
一ノ瀬集落から山上山
(クリックで拡大)
牟礼峠の林道東峠線終点標柱の建つところから尾根に踏み跡があり、これに入る。
取り付き
右ヒノキ林沿いの切り開きをたどると、右下に林道が見え隠れして続く。
切り開き
下に林道が見える
そのうち踏み跡が途絶えると、雑木ヤブの尾根を外さないように進み、鞍部へ何とか下る。
鞍部
左ヒノキ林沿いの尾根を登り、支尾根が左から合わさると、ササ交じりの雑木ヤブとなる。
ヒノキ林境
荒れ雑木尾根
尾根を右へ逃げながら登ると、平坦尾根に出る。右に岩が重なった小ピークがあるので、立ち寄る。最上段まで登れば展望が開けそうだが、中段まで上がって、樹上に大平山を覗く。
重ね岩
再び雑木尾根を登ると、右の支尾根からブルーのテープと踏み跡が現れ、歩きやすくなる。
平坦やせ尾根となり、時計まわりにゆっくり右へ回りこむ。
ヤセ尾根とテープ
途中、樹間越しに矢筈ヶ岳山頂部が見える。
樹間に山頂
テープと踏み跡が右の支尾根へ逃げると、再び雑木ヤブとなるので、雑木の間の歩きやすいところを縫いながら登る。大岩の右を巻きながら進むと鞍部に出る。
支尾根分岐・テープ右へ
雑木シダ斜面の歩きやすいところを選びながら上り、雑木が密集するヤブを分けると、やっと山頂の小広場へ抜け出る。
シダ雑木ヤブ
山頂手前の雑木ヤブ
山頂は三等三角点があるが、展望は得られない。
矢筈ヶ岳山頂
山頂からは南の敷山コースなどのほか、北側2方向に山道が延びている。北東側の踏み跡を選び、山上山への縦走にかかる。
雑木の中に明瞭な道がテープとともに下っている。
縦走路
大平山が望める展望地を過ぎると、まもなく急なシダ道の斜面となり、少し緊張する。
展望地から大平山
急斜面のシダ道(逆方向)
平坦なシダ尾根を進み、小岩の小ピーク手前で振り返ると山頂部が眺められる。
山頂
小岩を過ごすと、山上山が樹間に姿を現す。
山上山
岩場の続く斜面となり、岩の間をジグザグに縫うように下る。テープが頻繁に付いており、ここだけは例外的にテープの必要性を感じる。
岩場の斜面
雑木の平坦尾根が続き、やがてシダが深くなる。所々道が分かりづらくなるが、シダ被りの下に踏み跡が残っており、注意深く探せば見付かる。シダヤブの中にのコンクリート杭「防府」を見る。
雑木平坦尾根
深いシダ
コンクリート杭(防府)
途中、いくつか展望地があり、大谷山(真尾)などを眺めながら進む。山上山も近づく。
展望地から大谷山
山上山
左に石原集落の上ノ原墓地へ下る道を分けるとまもなく、山上山直下の鞍部に着く。道標が建ち、右に一ノ瀬コースを分ける。
鞍部道標
いよいよ山上山の直登にかかる。遠くから山容を眺めると、登頂は厳しそうで不安を感じるが、ロープや鎖が付けられているものの、必要とするほどではなく、ややあっけなく山頂に着く。
ロープ箇所
鎖場
山頂は平坦広場となっており、昭和二年の銘がある石祠が鎮座するほか、自然石風の灯籠?や手水鉢が散在し、祠の奥には「下駄を履いた神様」、役の行者の石仏が置かれている。風格のある石仏には「明和」や「真那尾村講中」の文字が読み取れる。
石祠(石槌様)
灯籠?
手水鉢
石仏(行者様)
また、高木のない山頂は絶好の展望地となっており、周辺の山々が満喫できる。
綾ヶ岳
大谷山(真尾)・大平山
矢筈ヶ岳
右田ヶ岳・三谷山
八幡岳・山口尾
鞍部まで戻り、一ノ瀬側へ下る。
下山道
こちらにもシダ道に長々とロープが付けられているが、それほどの急斜面ではない。
ロープ
支谷に出会い、沢を渡り、対岸の小尾根を越えると再び植林谷に下りる。
沢を渡る
植林帯の中、棚田跡の平坦巻き道を進み、右からの山道と出会うと、そのまま下り、舗装道終点部の近くへ出る。
植林帯
山道
舗装道近くの尾根取り付き(逆方向)
下山口の車道合流点には、消えかかった字で、「石槌山登山口」と記された道標が立つ。
下山口・道標
帰路は林道堀溝線を歩いて戻ったが、途中、新しい林業用作業道がヒノキ林に付けられていたので、これを歩いてみた。峠から取り付く代わりに、この作業道を利用し、最頂部手前の谷から雑木疎林を詰めて尾根に上がれば(現在のところ踏み跡はない)、歩き始めのヤブは回避できるだろう。
なお、作業道の牟礼峠側出口にはロープが張られ、傍の看板には「公社造林綾ヶ峰事業地」とある。
作業道入口
植林帯に付けられた作業道
牟礼峠の作業道入口
■山名考
「山上山」の山名は、はじめてこの山に登ったときに、北麓石原集落のお年寄りから伺った。山上山の名は「三上山」とともに周辺に散在するが、霊峰大峯山の山上ヶ岳に由来するのではないかと考える。一ノ瀬集落側からの登山口の道標には「石鎚山」と記されているが、いずれも修験道の祖、役小角に因んだ名である。
矢筈ヶ岳の牟礼峠ルートは、途中からテープが現れ歩きやすくなるが、測量関係で付けられたらしく、まもなく途絶える。山頂まで総じて雑木のヤブ尾根である。山上山への縦走尾根は、急勾配箇所や岩場があり、上りのコースとして取った方がよさそうだ。後半はシダが深いところがあるが、踏み跡やテープがあり、注意しながら歩けばよい。
山上山は、登山口から文字が消えかかった道標やテープが付けられ、少なからず登山者がいることがうかがわれる。
一ノ瀬集落から山上山
(クリックで拡大)
牟礼峠の林道東峠線終点標柱の建つところから尾根に踏み跡があり、これに入る。
取り付き
右ヒノキ林沿いの切り開きをたどると、右下に林道が見え隠れして続く。
切り開き
下に林道が見える
そのうち踏み跡が途絶えると、雑木ヤブの尾根を外さないように進み、鞍部へ何とか下る。
鞍部
左ヒノキ林沿いの尾根を登り、支尾根が左から合わさると、ササ交じりの雑木ヤブとなる。
ヒノキ林境
荒れ雑木尾根
尾根を右へ逃げながら登ると、平坦尾根に出る。右に岩が重なった小ピークがあるので、立ち寄る。最上段まで登れば展望が開けそうだが、中段まで上がって、樹上に大平山を覗く。
重ね岩
再び雑木尾根を登ると、右の支尾根からブルーのテープと踏み跡が現れ、歩きやすくなる。
平坦やせ尾根となり、時計まわりにゆっくり右へ回りこむ。
ヤセ尾根とテープ
途中、樹間越しに矢筈ヶ岳山頂部が見える。
樹間に山頂
テープと踏み跡が右の支尾根へ逃げると、再び雑木ヤブとなるので、雑木の間の歩きやすいところを縫いながら登る。大岩の右を巻きながら進むと鞍部に出る。
支尾根分岐・テープ右へ
雑木シダ斜面の歩きやすいところを選びながら上り、雑木が密集するヤブを分けると、やっと山頂の小広場へ抜け出る。
シダ雑木ヤブ
山頂手前の雑木ヤブ
山頂は三等三角点があるが、展望は得られない。
矢筈ヶ岳山頂
山頂からは南の敷山コースなどのほか、北側2方向に山道が延びている。北東側の踏み跡を選び、山上山への縦走にかかる。
雑木の中に明瞭な道がテープとともに下っている。
縦走路
大平山が望める展望地を過ぎると、まもなく急なシダ道の斜面となり、少し緊張する。
展望地から大平山
急斜面のシダ道(逆方向)
平坦なシダ尾根を進み、小岩の小ピーク手前で振り返ると山頂部が眺められる。
山頂
小岩を過ごすと、山上山が樹間に姿を現す。
山上山
岩場の続く斜面となり、岩の間をジグザグに縫うように下る。テープが頻繁に付いており、ここだけは例外的にテープの必要性を感じる。
岩場の斜面
雑木の平坦尾根が続き、やがてシダが深くなる。所々道が分かりづらくなるが、シダ被りの下に踏み跡が残っており、注意深く探せば見付かる。シダヤブの中にのコンクリート杭「防府」を見る。
雑木平坦尾根
深いシダ
コンクリート杭(防府)
途中、いくつか展望地があり、大谷山(真尾)などを眺めながら進む。山上山も近づく。
展望地から大谷山
山上山
左に石原集落の上ノ原墓地へ下る道を分けるとまもなく、山上山直下の鞍部に着く。道標が建ち、右に一ノ瀬コースを分ける。
鞍部道標
いよいよ山上山の直登にかかる。遠くから山容を眺めると、登頂は厳しそうで不安を感じるが、ロープや鎖が付けられているものの、必要とするほどではなく、ややあっけなく山頂に着く。
ロープ箇所
鎖場
山頂は平坦広場となっており、昭和二年の銘がある石祠が鎮座するほか、自然石風の灯籠?や手水鉢が散在し、祠の奥には「下駄を履いた神様」、役の行者の石仏が置かれている。風格のある石仏には「明和」や「真那尾村講中」の文字が読み取れる。
石祠(石槌様)
灯籠?
手水鉢
石仏(行者様)
また、高木のない山頂は絶好の展望地となっており、周辺の山々が満喫できる。
綾ヶ岳
大谷山(真尾)・大平山
矢筈ヶ岳
右田ヶ岳・三谷山
八幡岳・山口尾
鞍部まで戻り、一ノ瀬側へ下る。
下山道
こちらにもシダ道に長々とロープが付けられているが、それほどの急斜面ではない。
ロープ
支谷に出会い、沢を渡り、対岸の小尾根を越えると再び植林谷に下りる。
沢を渡る
植林帯の中、棚田跡の平坦巻き道を進み、右からの山道と出会うと、そのまま下り、舗装道終点部の近くへ出る。
植林帯
山道
舗装道近くの尾根取り付き(逆方向)
下山口の車道合流点には、消えかかった字で、「石槌山登山口」と記された道標が立つ。
下山口・道標
帰路は林道堀溝線を歩いて戻ったが、途中、新しい林業用作業道がヒノキ林に付けられていたので、これを歩いてみた。峠から取り付く代わりに、この作業道を利用し、最頂部手前の谷から雑木疎林を詰めて尾根に上がれば(現在のところ踏み跡はない)、歩き始めのヤブは回避できるだろう。
なお、作業道の牟礼峠側出口にはロープが張られ、傍の看板には「公社造林綾ヶ峰事業地」とある。
作業道入口
植林帯に付けられた作業道
牟礼峠の作業道入口
■山名考
「山上山」の山名は、はじめてこの山に登ったときに、北麓石原集落のお年寄りから伺った。山上山の名は「三上山」とともに周辺に散在するが、霊峰大峯山の山上ヶ岳に由来するのではないかと考える。一ノ瀬集落側からの登山口の道標には「石鎚山」と記されているが、いずれも修験道の祖、役小角に因んだ名である。
2012-03-04 23:32
コメント(7)
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ありがとうございました
あの山頂からの展望はぜひ動画で公開していただきたいものです。
某氏がしないうちに
しかし、インディアンピークから鞍部へのくだりはかなり困難だったようなきがしますが、取り付きをまちがえているのだろうか
鎖場なんかあったかな
むう、こちらにすべきか、I山にすべきか迷う
by 山勘 (2012-03-05 07:12)
デジタルカメラで動画というのを初めて撮りました。
どうにかなるだろうとたかをくくって、マニュアルも見ずに即席でやったところ、どうしたら撮影が始まるのか、どうやったら終了するのか分からず、山頂で悪戦苦闘してしまいました。
帰宅して開いたら、一応は撮れていたのですが、容量が大きすぎて…。
ここは下手なものを載せるより、慣れた方にお任せしましょう。
確かに鎖は以前はなかったと思います。ただ、記事にも書いていますが、なくても登れます。山勘さんの次くらいに高所恐怖症の私が言うのだから、まず間違いありません。
なお、大島行きの予定は今のところありません。申し訳ない。
by gomen (2012-03-05 19:38)
容量は?
まさかmpeg4
by 山勘 (2012-03-05 20:49)
MOVファイルというやつです。容量は50~80MBくらいあります。
変換ソフトがあるようですが、いずれにしても自分で登って撮ることをお勧めします。
by gomen (2012-03-06 00:53)
2015年位から一ノ瀬~山上山~矢筈ヶ岳~牟礼峠~一の瀬周回コースをしばしば整備登山してきました。最近知人3人をこのコースへ案内しました。この時の山行記をブログに書く予定です。当方はGPSを持っていませんので、貴ブログ記載の地図を当方ブログに転載させていただければ助かります。宜しくお願い致します。
by ヤマちゃん日記 (2017-02-14 22:20)
ヤマちゃん日記 様
貴ブログを時々拝見させていただいています。お一人で整備されているご苦労が伝わってまいります。
ご依頼の地図は年数が経ち情報が古くなっているところもあるかと思いますが、お役に立てるのであれば遠慮なくご活用ください。
by gomen (2017-02-15 19:13)
早速地図転載をご承諾いただきありがとうございました。
本日2月16日 弊ブログに転載させていただきました。
なかなか文と写真だけではコースルート判りにくいのですが、この地図のお陰で今まで多発(?)していたコース間違いが相当減ると思います。
gomen様から弊ブログを観て戴いていると知り有り難く感激しました。貴ブログ山へgomenは楽しく拝見させていただいております。当方の気に入ったルートは概ねgomen様が2,3年も先行されている感あります。
by ヤマちゃん日記 (2017-02-16 10:32)