黒河内山〈妙見社コース〉(山口市鋳銭司) [県央部の山]
先日、鎧ヶ峠から陶ヶ峠へ縦走した際、黒河内山山頂から西側の鞍部に小さな板の道標が木に付けられているのを発見。南麓の小森集落方面へ下る道が新たにできているようなので、さっそく歩いてみた。
国土地理院の地形図を見ると、黒河内山トンネル南口の上に破線道が延びており、これが登山口ではないかと踏んで現地へ向かったところ、みごと的中。破線道の終点に妙見社があり、ここから山頂まで新コースの山道が付けられていた。
途中の269mピークで、このコースを整備された地元のお二人に運よく出会い、整備中の苦労話を伺いながらしばし歓談した。(お名前を聞かなかったので便宜上「お二人」と呼ぶことにする)
数年がかりで少しずつ整備されたということで、山道の途中に鍬などの道具が置かれており、今でも時々登りながら整備を続けておられる。あちこちに展望地を開いたり、倒木や伐採木を利用した簡易ベンチを設置したりと、お二人で静かに地元の山を楽しんでおられ、あまりおおっぴらにしたくない様子だったが、一応お二人のご了解をいただき、ここに報告することにした。
コース上にはお二人が付けた新旧テープのほか、部分的に植林管理用(?)や他のハイカーによるものと見られるテープが付けられややわかりづらいところもあるが、山頂まで良好な道が整備されている。
なお、一週間後別ルートを探索しながら山頂へ上がったら、お二人がおられ、うれしい再会を果たした。(2019.12.08、12.15)
南西麓から269mピーク方向
整備登山中のお二人
(1,2クリックで拡大)
●駐車地~登山口~妙見社
新幹線と中国自動車道が交わる高架下のスペースに駐車。自動車道沿いの舗装道を進み、ガードをくぐって上方へ向かうと高速道路関連施設があり、ここが登山口となる。(ここにも駐車可能。なお、ガードはひとつ北側の「山口南14」の方を抜けた方が明るくて歩きよい。)
高架下駐車地付近
高速道沿いの舗装道
ガード「山口南13」
高速道路施設前の駐車地
未舗装の作業道を登ると尾根へ出たところに石鳥居がある。尾根上の斜面を階段状に削られた参道を登り切ると小広場へ出て、正面に妙見社の小社が座る。
整備されたお二人によると、自動車道のトンネルができる際、トンネルの真上に神社があるのは具合が悪いと地元からのクレームがあり、10mほど現在地へ移動したらしい。(小広場の西端に旧社の台座などが残っている)
参道
尾根上の参道
妙見社
● ~妙見山(仮称)
小境内の西端から整備山道が続いている。平坦な巻き道から要所に付けられたテープを確認しながらジグザグにたどると180m平坦ピークへ着く。
中央部にヤマモモの大木や石杭があり、木には「妙見山」の札が付けられている。お二人によると、「妙見社の上にある山なので妙見山とした。もともとの山名はわからない。」とのこと。よってここでは仮称とする。
整備中の山道(巻き道)
整備用の鍬
ジグザグ道
ロープ
180mピーク(妙見山)・ヤマモモの木
山名札
● ~後妙見山(仮称)
平坦尾根から少し登ると伐採展望地があり、南麓が見渡せる。
尾根道
尾根道
展望地から花ヶ岳・楞厳寺山(後方)
左へ巻きながら支尾根へ出ると巻き道が左に分岐するが、右へ支尾根上を登る。ピーク手前で分岐があり、右のシダ道を取ると展望地へ出る。
巻き道
雑木疎林尾根
ロープ
シダ尾根展望地から亀尾山・福西山
火の山連峰
斜面を少し登り切ると、269mピークで簡易ベンチに座って休憩中のお二人に出くわした。
シダ道側から上がって来たので驚かれたようだ。普通は左道を上がってくるらしい。
このコースを歩いてくる人はごく稀のようで歓待を受けた。以前北側の平川側から降りてきたハイカーがいて、一緒に整備道を南麓へ降り、車で平川まで送ったこともあるという。
この269mピークにも山名札があり、妙見山の背後にある山なので「後(うしろ)妙見山」と付けたとのこと。
まだ話足らない気がしたが、先があるので「またお会いしましょう」と言って辞した。
269mピーク(後妙見山)
ピーク上の簡易ベンチ
● ~270m展望地~三越山(仮称)
一旦260m鞍部に下り、分岐で左谷方向へ下る道を過ごし、右側ヒノキ植林沿いの尾根を直進して登り切ると、270mピーク近くの展望地へ出る。
雑木尾根
240m鞍部
植林境尾根
270mピーク近くの展望地
展望地から亀尾山・福西山
分岐を右に取り、少し下った平坦尾根上でヌタ場跡の小穴を見る。
お二人の話によると「少し前までは水が溜まっていたが、人が入るようになったため、イノシシが逃げて涸れてしまったのかもしれない」と心配しておられた。
涸れたヌタ場
シダ尾根を右によけながら登っていくと300m支尾根合流点へ出る。「深いシダを長時間刈っていたら咳が出て1ヶ月ほど止らなかった。医者によると〇〇〇(農夫肺?)という病名らしい。」とお二人のうち背の高い方の方から伺った。
さらにロープも設置された急なシダ゙尾根となる。
整備箇所で所々見かけるロープはみな古いので、だいぶ前から設置されたのかと尋ねてみたら、「海岸でひろったロープを使っている」と聞いて思わず笑ってしまった。
植林尾根
シダ尾根・ロープ
シダ尾根・ロープ
尾根が緩み登り切ると350mピークへ着く。ここも南側が開かれ展望地となっている。北側には黒河内山山頂も望める。
山名札には「三越山」とあり、「山を三つ越えるので名付けた」と伺った。
350mピーク(三越山)
眼下に269mピーク
北側の黒河内山方向
● ~黒河内山
さらに尾根上の整備道をたどり、350mピーク手前でコン杭「一〇七」を過ごす。
雑木尾根
コン杭「一〇七」
360mピークを越え、鞍部から巻き加減に左の支尾根へ迂回しながら、尾根上へ戻る。(下山時に直進しやすいので注意を要する)
360mピーク
雑木尾根
山頂手前で左の巻き道に変わり縦走尾根上の小鞍部へ出ると、木に付けられた小道標を確認する。
巻き道
410m鞍部・縦走路合流点
板の道標
雑木尾根を右に少し登ると黒河内山山頂へ着く。山頂は南側が伐採され展望が広がる。
黒河内山山頂・二等三角点
楞厳寺山・花ヶ岳
三越山・亀尾山・福西山
火ノ山連峰
● ~林道出合い~駐車地
帰路は260m鞍部まで戻り、東の植林谷を下ってみた。間伐など植林管理時のものと思われるテープや踏み跡があり、やや荒れた林道に出る。八伏堤の堰堤付近の林道出口に関係者以外立入禁止の札と柵が設置されていたので、説明は省略する。現状ではエスケープルートとして利用するしかないだろう。
240m鞍部から東の植林谷
踏み跡
山道
林道跡
シダ・灌木ヤブの行き止まり
林道
林道
倒竹箇所
前方がやや開ける
舗装道へ抜ける
八伏堤
立入禁止柵
★(補足)270mピーク~240m鞍部
1週間後、黒河内山山頂でお二人に再会した際、帰路お二人の案内で270mピークから240m鞍部までの整備道を一緒に下ってみた。
お二人によるとこちらの道が自分たちの整備した道で、尾根上の道は間伐時に林業者が付けた道らしい。
シダの多い270mピークを回り込むように下っていくと、小広場を左に過ごし、南側の小展望地へ着く。前方に269mピークが望める。
トラバースしながら支谷を下るとケルンを二つ続けて見る。お二人の合作らしい。一度壊れたようだが、イノシシのしわざではないかとのこと。
少し登り返すと、鞍部へ上がり尾根道と合流する。
シダに囲まれた小広場
整備登山中のお二人
小展望地
展望地から後妙見山を望む
シダ道を下る
疎林谷
ケルン
240m鞍部から整備道(逆方向)
なお、古い山行記録を見ていたら、18年前に269mピークへ南西尾根側から登り、尾根伝いに黒河内山まで直登していたことがわかった。そのときは明瞭な道はなかったようだが、例によってまったく記憶にとどめていないのはなんとも情けない。
国土地理院の地形図を見ると、黒河内山トンネル南口の上に破線道が延びており、これが登山口ではないかと踏んで現地へ向かったところ、みごと的中。破線道の終点に妙見社があり、ここから山頂まで新コースの山道が付けられていた。
途中の269mピークで、このコースを整備された地元のお二人に運よく出会い、整備中の苦労話を伺いながらしばし歓談した。(お名前を聞かなかったので便宜上「お二人」と呼ぶことにする)
数年がかりで少しずつ整備されたということで、山道の途中に鍬などの道具が置かれており、今でも時々登りながら整備を続けておられる。あちこちに展望地を開いたり、倒木や伐採木を利用した簡易ベンチを設置したりと、お二人で静かに地元の山を楽しんでおられ、あまりおおっぴらにしたくない様子だったが、一応お二人のご了解をいただき、ここに報告することにした。
コース上にはお二人が付けた新旧テープのほか、部分的に植林管理用(?)や他のハイカーによるものと見られるテープが付けられややわかりづらいところもあるが、山頂まで良好な道が整備されている。
なお、一週間後別ルートを探索しながら山頂へ上がったら、お二人がおられ、うれしい再会を果たした。(2019.12.08、12.15)
南西麓から269mピーク方向
整備登山中のお二人
(1,2クリックで拡大)
●駐車地~登山口~妙見社
新幹線と中国自動車道が交わる高架下のスペースに駐車。自動車道沿いの舗装道を進み、ガードをくぐって上方へ向かうと高速道路関連施設があり、ここが登山口となる。(ここにも駐車可能。なお、ガードはひとつ北側の「山口南14」の方を抜けた方が明るくて歩きよい。)
高架下駐車地付近
高速道沿いの舗装道
ガード「山口南13」
高速道路施設前の駐車地
未舗装の作業道を登ると尾根へ出たところに石鳥居がある。尾根上の斜面を階段状に削られた参道を登り切ると小広場へ出て、正面に妙見社の小社が座る。
整備されたお二人によると、自動車道のトンネルができる際、トンネルの真上に神社があるのは具合が悪いと地元からのクレームがあり、10mほど現在地へ移動したらしい。(小広場の西端に旧社の台座などが残っている)
参道
尾根上の参道
妙見社
● ~妙見山(仮称)
小境内の西端から整備山道が続いている。平坦な巻き道から要所に付けられたテープを確認しながらジグザグにたどると180m平坦ピークへ着く。
中央部にヤマモモの大木や石杭があり、木には「妙見山」の札が付けられている。お二人によると、「妙見社の上にある山なので妙見山とした。もともとの山名はわからない。」とのこと。よってここでは仮称とする。
整備中の山道(巻き道)
整備用の鍬
ジグザグ道
ロープ
180mピーク(妙見山)・ヤマモモの木
山名札
● ~後妙見山(仮称)
平坦尾根から少し登ると伐採展望地があり、南麓が見渡せる。
尾根道
尾根道
展望地から花ヶ岳・楞厳寺山(後方)
左へ巻きながら支尾根へ出ると巻き道が左に分岐するが、右へ支尾根上を登る。ピーク手前で分岐があり、右のシダ道を取ると展望地へ出る。
巻き道
雑木疎林尾根
ロープ
シダ尾根展望地から亀尾山・福西山
火の山連峰
斜面を少し登り切ると、269mピークで簡易ベンチに座って休憩中のお二人に出くわした。
シダ道側から上がって来たので驚かれたようだ。普通は左道を上がってくるらしい。
このコースを歩いてくる人はごく稀のようで歓待を受けた。以前北側の平川側から降りてきたハイカーがいて、一緒に整備道を南麓へ降り、車で平川まで送ったこともあるという。
この269mピークにも山名札があり、妙見山の背後にある山なので「後(うしろ)妙見山」と付けたとのこと。
まだ話足らない気がしたが、先があるので「またお会いしましょう」と言って辞した。
269mピーク(後妙見山)
ピーク上の簡易ベンチ
● ~270m展望地~三越山(仮称)
一旦260m鞍部に下り、分岐で左谷方向へ下る道を過ごし、右側ヒノキ植林沿いの尾根を直進して登り切ると、270mピーク近くの展望地へ出る。
雑木尾根
240m鞍部
植林境尾根
270mピーク近くの展望地
展望地から亀尾山・福西山
分岐を右に取り、少し下った平坦尾根上でヌタ場跡の小穴を見る。
お二人の話によると「少し前までは水が溜まっていたが、人が入るようになったため、イノシシが逃げて涸れてしまったのかもしれない」と心配しておられた。
涸れたヌタ場
シダ尾根を右によけながら登っていくと300m支尾根合流点へ出る。「深いシダを長時間刈っていたら咳が出て1ヶ月ほど止らなかった。医者によると〇〇〇(農夫肺?)という病名らしい。」とお二人のうち背の高い方の方から伺った。
さらにロープも設置された急なシダ゙尾根となる。
整備箇所で所々見かけるロープはみな古いので、だいぶ前から設置されたのかと尋ねてみたら、「海岸でひろったロープを使っている」と聞いて思わず笑ってしまった。
植林尾根
シダ尾根・ロープ
シダ尾根・ロープ
尾根が緩み登り切ると350mピークへ着く。ここも南側が開かれ展望地となっている。北側には黒河内山山頂も望める。
山名札には「三越山」とあり、「山を三つ越えるので名付けた」と伺った。
350mピーク(三越山)
眼下に269mピーク
北側の黒河内山方向
● ~黒河内山
さらに尾根上の整備道をたどり、350mピーク手前でコン杭「一〇七」を過ごす。
雑木尾根
コン杭「一〇七」
360mピークを越え、鞍部から巻き加減に左の支尾根へ迂回しながら、尾根上へ戻る。(下山時に直進しやすいので注意を要する)
360mピーク
雑木尾根
山頂手前で左の巻き道に変わり縦走尾根上の小鞍部へ出ると、木に付けられた小道標を確認する。
巻き道
410m鞍部・縦走路合流点
板の道標
雑木尾根を右に少し登ると黒河内山山頂へ着く。山頂は南側が伐採され展望が広がる。
黒河内山山頂・二等三角点
楞厳寺山・花ヶ岳
三越山・亀尾山・福西山
火ノ山連峰
● ~林道出合い~駐車地
帰路は260m鞍部まで戻り、東の植林谷を下ってみた。間伐など植林管理時のものと思われるテープや踏み跡があり、やや荒れた林道に出る。八伏堤の堰堤付近の林道出口に関係者以外立入禁止の札と柵が設置されていたので、説明は省略する。現状ではエスケープルートとして利用するしかないだろう。
240m鞍部から東の植林谷
踏み跡
山道
林道跡
シダ・灌木ヤブの行き止まり
林道
林道
倒竹箇所
前方がやや開ける
舗装道へ抜ける
八伏堤
立入禁止柵
★(補足)270mピーク~240m鞍部
1週間後、黒河内山山頂でお二人に再会した際、帰路お二人の案内で270mピークから240m鞍部までの整備道を一緒に下ってみた。
お二人によるとこちらの道が自分たちの整備した道で、尾根上の道は間伐時に林業者が付けた道らしい。
シダの多い270mピークを回り込むように下っていくと、小広場を左に過ごし、南側の小展望地へ着く。前方に269mピークが望める。
トラバースしながら支谷を下るとケルンを二つ続けて見る。お二人の合作らしい。一度壊れたようだが、イノシシのしわざではないかとのこと。
少し登り返すと、鞍部へ上がり尾根道と合流する。
シダに囲まれた小広場
整備登山中のお二人
小展望地
展望地から後妙見山を望む
シダ道を下る
疎林谷
ケルン
240m鞍部から整備道(逆方向)
なお、古い山行記録を見ていたら、18年前に269mピークへ南西尾根側から登り、尾根伝いに黒河内山まで直登していたことがわかった。そのときは明瞭な道はなかったようだが、例によってまったく記憶にとどめていないのはなんとも情けない。
2020-01-03 19:51
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