SSブログ

中畑岳(△岡山)〈北山ルート〉(周南市須万) [県央部の山]

以前季刊誌「ゆうゆう」で「北山」として紹介されていた記憶があり、以来気になっていた山だ。登ってみたら山頂まで作業道が上がっており、「中畑岳」の標識まであって驚いた。しかし、これもどこかのネット記事で見たような気もするのだが…。
地元の方とお会いし少しお話をしたが、山あいの集落の行く末が思いやられる一日となった。(2019.3.24)
IMG_8454中畑岳.JPG舗装林道から中畑岳
中畑岳.jpg (1,2クリックで拡大)

●駐車地~北山集落
須万集落の北、新恵比須橋が架かる県道徳山本郷線沿いに駐車スペースがある。(離合箇所が少ないと思われるため、麓へ車を置くことにする。)
IMG_8328駐車地.JPG駐車地
IMG_8329恵比須神社.JPG恵比須神社

須万地区に残る「氏申し」行事の案内板(その一)を見て、舗装道を上がり、北山集落をめざす。
案内板によると、源平の合戦後、落武者となった廣實一族が、旧錦町側の向畑地区に逃れたが、時代を経て開墾により一族が周辺に散らばったことから、向畑地区と須万地区(田原、北山、高野)が6年ごと互いに訪問しあって接待を行い、一族のつながりを保ってきた行事のようだ。
IMG_8330分岐.JPG分岐
IMG_8331氏申し案内板①.JPG「氏申し」行事案内板①
IMG_8333石仏.JPG石仏

案内板(その二)を見ながら高野集落を過ごす。数戸の家があるが、どこも静かだ。
IMG_8334氏申し案内板②.JPG案内板②
IMG_8335須金の町並.JPG須金の町並
IMG_8336高野集落.JPG高野集落
IMG_8339舗装道.JPG舗装道
IMG_8340舗装道.JPG舗装道
IMG_8344石碑・石仏.JPG石碑・石仏

北山集落に入り、案内板(その三)で右折したところの民家で、地元の方と出会い山情報などを伺う。
IMG_8346北山集落入口.JPG北山集落入口
IMG_8348分岐.JPG分岐
IMG_8349氏申し案内板③.JPG案内板③
IMG_8350石祠.JPG石祠
IMG_8352金峰山.JPG金峰山

●~中畑岳
集落上方の神社(地元の方も神社名はご存知ないとのこと)に立ち寄り戻っていると、先刻の方々にふたたび出会う。山菜採りに行かれる皆さんと途中まで同行する。
IMG_8356神社取り付き.JPG神社取り付き
IMG_8358小社.JPG神社

作業道を右に過ごし、猿田彦大神のところで右の林道へ入る。
IMG_8361管理道分岐.JPG林道分岐
IMG_8362猿田彦大神・石仏.JPG猿田彦大神・石仏
IMG_8364管理道・山菜採りに向かう地元の方.JPG山菜採りに向かう地元の方

林道を登り切るとテレビ受信施設があり、終点となる。
IMG_8366管理道・落石.JPG林道
IMG_8368テレビ受信施設.JPGテレビ受信施設

林道を少し戻って雑木尾根に取り付く。わずかな踏み跡をたどると、右に古道があり、これをたどる。
IMG_8369尾根取り付き.JPG尾根取り付き
IMG_8370山道.JPG山道

まもなく分岐となる。地元の方から山頂までの途中に杵崎様の祠があると伺っていたが、明確な位置情報ではなかったので、これだろうかと左折したどってみると、小ピーク上に石祠があった。
『山口県風土誌』の須金村の項を見ると、北山には杵崎神社と黄幡神社があることが記されている。
IMG_8371山道分岐.JPG山道分岐
IMG_8372石祠(杵崎様).JPG石祠(杵崎様)

分岐へ戻り、先へ進む。
鞍部から斜面を登り返すとシダ等で道が不明瞭となるが、まもなくテープが現われ、踏み跡がふたたび明瞭となり、530m支尾根合流点へ着く。
IMG_8373山道.JPG山道
IMG_8374510m鞍部.JPG510m鞍部
IMG_8375雑木尾根.JPG雑木尾根
IMG_8376雑木尾根・テープ.JPG雑木尾根・テープ
IMG_8377530m支尾根合流点.JPG530m支尾根合流点

550m、570m①、570m②の支尾根合流点を確認しながら雑木尾根をたどっていくと、突然明瞭な作業道へ降り立つ。
IMG_8378雑木平坦尾根.JPG雑木平坦尾根
IMG_8379巻き道.JPG巻き道
IMG_8380540m鞍部.JPG540m鞍部
IMG_8381550m支尾根合流点.JPG550m支尾根合流点
IMG_8382小ピーク.JPG小ピーク
IMG_8383小ピーク.JPG小ピーク
IMG_8384平坦尾根.JPG平坦尾根
IMG_8385平坦尾根.JPG平坦尾根
IMG_8387570m支尾根合流点①.JPG570m支尾根合流点①
IMG_8389雑木平坦尾根.JPG雑木平坦尾根
IMG_8390570m支尾根合流点②.JPG570m支尾根合流点②
IMG_8391作業道出合い.JPG作業道出合い

作業道を右折し少し登ると小伐採された山頂へ出る。
IMG_8392山頂手前・作業道.JPG山頂手前・作業道
IMG_8393中畑岳(岡山)山頂.JPG中畑岳山頂

山頂には三等三角点「岡山」のほか、「中畑岳」の山名標識が立てられ、直下の作業道上には道標があり、「→中畑1.6km、高崎~田原林道1.6km、←弁慶の重ね岩0.6km」と記されている。
展望は樹間越しにしか得られない。
IMG_8395山頂・三等三角点「岡山」.JPG山頂・三等三角点「岡山」
IMG_8396山名標柱.JPG山名標柱
IMG_8394道標.JPG道標
IMG_8397山頂(北側から).JPG山頂(北側から)

●~弁慶の重ね岩
「弁慶の重ね岩」と作業道が気になったので、予定を変更し重ね岩へと向かう。
尾根沿いに続く作業道をたどり、分岐で道標に従い直進すると、尾根上に小岩が重なるところへ着く。そばに「弁慶の重ね岩」の標柱があり、由来の説明が柱に記されている。
IMG_8399作業道.JPG作業道
IMG_8400旧錦町境尾根.JPG旧錦町境尾根
IMG_8401作業道分岐①.JPG作業道分岐①
IMG_8411道標.JPG道標
IMG_8402作業道.JPG作業道
IMG_8403弁慶の重ね岩・案内柱.JPG弁慶の重ね岩・案内柱
IMG_8410重ね岩(裏側).JPG重ね岩(裏側)

●~舗装林道出合い
分岐まで戻り、道標に「岡山造林地」とあり、こちらの方向だろうと南方向の作業道を下る。
分岐②を右に過ごし、S字状に下ると突然作業道が終わる。ここで山頂まで戻り作業道をたどってみるか思案したが、下方の谷に小さなテープが付けてあったので、下ってみることにする。
IMG_8412作業道.JPG作業道
IMG_8413作業道分岐②.JPG作業道分岐②
IMG_8414作業道(折れ点).JPG作業道(カーブ地点)
IMG_8415作業道終点.JPG作業道終点

間遠いテープに従い雑木疎林谷を下っていくと、右側植林帯となり、植林沿いに支尾根を下るようになる。ところどころ古いプラ杭があるが、テープはいつの間にか消失する。
IMG_8416雑木疎林谷.JPG雑木疎林谷
IMG_8417雑木疎林.JPG雑木疎林
IMG_8418植林出合い.JPG植林出合い
IMG_8419植林沿い.JPG植林沿い

支尾根先端部で右の植林谷へ下ると沢と出合い、前方に石積を見る。すぐ下に小滝①がある。
IMG_8420プラ杭・小ピーク(右の谷へ).JPG支尾根先端小ピーク
IMG_8422沢出合い・石積.JPG沢出合い・石積
IMG_8423小滝①.JPG小滝①

滝の下部で対岸へ渡る。谷沿いは倒木等で歩きにくいので、植林斜面をトラバースしながら下る。
IMG_8424左岸へ渡る.JPG左岸へ渡る
IMG_8426植林斜面.JPG植林斜面

右に小滝②を過ごし、沢を渡り、植林谷を沢沿いに下っていくと、取水箇所があり、ビニール管が沢沿いに設置してある。このあたりから踏み跡が明瞭となる。
IMG_8428小滝②(逆方向).JPG小滝②(逆方向)
IMG_8429右岸へ渡る.JPG右岸へ渡る
IMG_8430植林谷・薄い踏み跡.JPG植林谷・薄い踏み跡
IMG_8431植林谷.JPG植林谷
IMG_8432取水管・明瞭な踏み跡.JPG取水管・明瞭な踏み跡

小滝③を左に過ごし、取水ホース沿いのそま道を緊張しながら下ると、字が消えかかった「公社造林三ツ岩事業地」を見て、舗装林道へ降り立つ。田原集落近くの谷へ出たようだ。
IMG_8433小滝③(逆方向).JPG小滝③(逆方向)
IMG_8434丸木橋・そま道.JPG丸木橋・そま道
IMG_8435そま道・取水ホース.JPGそま道・取水ホース
IMG_8437舗装林道出合い.JPG舗装林道出合い
IMG_8438公社造林看板.JPG公社造林看板
IMG_8439下降箇所(逆方向).JPG下降箇所(逆方向)

●~駐車地
左折し舗装道をたどる。途中作業道が三つほど分岐する。二つ目の作業道(標柱によると「陰浦作業道」)あたりから、地形図上には表記されていない道が続き、高崎集落で地形図に表記された従来の道と合わさる。舗装林道は新設という感じはしなかったので、ここしばらく地形図が更新されていないようだ。
IMG_8440舗装林道.JPG舗装林道
IMG_8441作業道分岐①.JPG作業道分岐①
IMG_8442作業道分岐②(陰浦作業道).JPG作業道分岐②
IMG_8443道標.JPG標柱「陰浦作業道」
IMG_8444舗装林道.JPG舗装林道
IMG_8446高崎集落(逆方向).JPG高崎集落(逆方向)
IMG_8452大峠.JPG大峠
IMG_8453馬糞ヶ岳.JPG馬糞ヶ岳
IMG_8456石仏3体.JPG石仏3体

途中「徳山百樹」の看板を見る。説明によると幹周り5mほどのサカキがあるようだが、周辺にはそれらしき大木は見当たらない。道路から中へ入ったところにあるのだろうか?
IMG_8457徳山百樹.JPG徳山百樹看板
IMG_8458石仏4体.JPG石仏4体

道路際で休憩をとっていると、杖をついたお年寄りが高崎集落の方向からやって来られた。
話をすると昔は猟師をしていたという。猟師はどのようにして現在地を確認するのか常々疑問に思っていたので、伺ってみた。基本は山のピークと、尾根や谷をおさえることだそうで、私たちがやっていることとあまり違いはないなと思った。鞍部は獣の通り道となるので特に注意を払うとのこと。
舗装車道(旧国道)へ出る手前でもとの方向へ戻って行かれた。
IMG_8459石仏.JPG石仏
IMG_8460車道出合い(逆方向).JPG車道出合い(逆方向)

◆山名について
「北山」は集落名で山名ではない。
北山集落の方によると、「三角点ピークの山の名は、はっきりとは知らないが、ただ『岳』と言っている。『岡の山』とか言うのかもしれない。最近おじいさんが山頂に標識を立てたと思う。」とのこと。
下山時、出合った高崎集落のお年寄りにも「中畑岳」の山名について伺ったが、ご存知なかった。南麓の中畑集落(一世帯のみとのこと)の名前を付けたのものと思われる。ここでは便宜上「中畑岳」を採ることにした。
なお、「岡山」は「点の記」によると山頂地番の字名であるが、「岡山造林地」の名から推測すると、この山一帯の地名と思われるので、「岡山」の山名を採ってもよいかもしれない。

コメント(2) 

コメント 2

大谷 勝馬

何時も感心しながら拝見させてもらっています。
今回の中畑岳に関係する事ではありませんが、
竜文寺山の記事を検索しましたが出てきません。
きっと登られていると思うのですが・・・・。
探し方が悪いのでしょうか?
by 大谷 勝馬 (2019-03-28 15:57) 

gomen

コメントありがとうございます。
竜文寺山は21年前に2ルートを歩いて以来遠ざかっています。
したがってこのブログでは報告していません。

金光さんの『防長山野へのいざない第4集』で紹介されているので、参考にされるとよいと思います。
by gomen (2019-03-28 19:56) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。