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御堂山(光市牛島) [離島の山]

強風と波浪注意報が出ている中、牛島(うしま)へ渡る。室積港から船で20分。島の人口は現在58人。
ネットで検索すると三角点の山は「御堂山(みどうやま)」と言うようだが、行政作製図によると「殿様山」とあり、その東にある標高140mの、二つ目のピークあたりが御堂山とされている。
三角点ピークから東側を縦走したが、三角点の山以外はほとんど踏み跡もなく荒れている。(2014.11.03)
P1190336うしま丸.JPG牛島漁港に停泊中のうしま丸
御堂山2.jpg (1.2クリックで拡大)

●牛島港~遊歩道~峠鞍部~御堂山~峠鞍部

島の港に着き船を下りると、船荷を待っているお婆さんにさっそく山名のことを聞いてみた。ときどき尋ねる者がいるらしい。
御堂山へは途中まで遊歩道があるというので、道の取り付きを教えてもらった。
P1190167藤田・西崎の波止.JPG藤田・西崎の波止
P1190348.JPG案内板

波止場沿いに東方向へ数十メートル進み右折。ビニール管沿いに石段を上がる。寺の方へは向かわず道なりにさらに階段を上っていくと山道となる。
P1190168港沿いに路地を進み正面のT字路を右折.JPG正面のT字路を右折
P1190169ビニール管が敷設された石段を上がる.JPG管沿いに石段を上がる
P1190172階段・山道.JPG階段・山道

竹林から植林沿いのトラバース道となる。
P1190173竹林沿い.JPG竹林沿い
P1190174植林沿い.JPG植林沿い
P1190175左トラバース道.JPG左トラバース道
P1190176植林沿い.JPG植林沿い

丸木橋で谷を横切り、すぐに分岐を右折する。(直進するとすぐに行き止まりとなる)
P1190177丸木橋.JPG丸木橋
P1190178小尾根手前の分岐(右へ).JPG分岐を右へ

右のトラバース道を登り切ると、右側が竹林の小尾根の肩へ出る。
P1190179右へトラバース.JPG右へトラバース
P1190180小尾根を切る・竹林.JPG小尾根を横切る

そのまま越えると倒竹帯となる。明瞭な巻き道が続き、路傍に貯水用だったとみられる穴(一部は肥溜めとのこと)をいくつか確認しながら、峠状の鞍部へ着く。
明瞭道は峠を越えて南の浜方向へ下っている。お婆さんの話によると耕作地へ降りる道だったらしい。
P1190181倒竹林.JPG倒竹帯
P1190182倒竹林の巻き道.JPG倒竹林の巻き道
P1190183穴(水瓶).JPG
P1190185左トラバース道.JPG左トラバース道
P1190187峠・鞍部.JPG峠・鞍部
P1190189海側への下り道.JPG海側への下り道

ここで、右の尾根へ取り付くことにしたが、竹ヤブ等で荒れており、やや手前に戻った斜面から取り付いてみる。
踏み跡もなくツル性の植物に足を取られながら雑木のヤブ尾根登る。
P1190191尾根取り付き.JPG尾根取り付き
P1190193ツル性植物がはびこる尾根.JPGツル性植物がはびこる尾根

ササが現れ始め、右からの支尾根と出会う。
P1190195ササ交じり.JPGササ交じり
P1190196支尾根合流.JPG支尾根合流

左折し雑木ヤブ尾根を進み、掘削平坦地を過ぎると、倒木でやや荒れた150mピークへ着く。
P1190197雑木・灌木尾根.JPG雑木ヤブ尾根
P1190199掘削平坦地.JPG掘削平坦地
P1190200手前150mピーク.JPG150mピーク

山頂手前の鞍部へ下ると、前後斜面が少し掘削され平坦地となっている。
P1190202掘削鞍部南側(逆方向).JPG鞍部掘削斜面(北側)
P1190203掘削鞍部(北側).JPG鞍部掘削斜面(南側)

斜面を登りきるとササヤブのそばに二等三角点(基準点名:牛島)がある。御堂山山頂は雑木に囲まれ展望は得られない。
P1190204御堂山山頂部.JPG御堂山山頂
P1190205二等三角点.JPG二等三角点
P1190206山頂下の大木.JPG山頂下の大木

帰路は支尾根分岐まで戻り、北東方向の支尾根へ下ってみた。雑木尾根を下ると踏み跡が現れ、やがて竹林となる。
P1190213支尾根合流点から北東尾根.JPG北東側の支尾根
P1190214竹が現われる・踏み跡.JPG竹林となる
P1190215竹林尾根の踏み跡.JPG竹林尾根

そのまま下っていくと、左に穴を見て、尾根の肩のところで往路の山道に出会う。
P1190216山道合流点・穴.JPG山道合流点・穴
P1190217山道合流点(逆方向).JPG山道合流点(逆方向)

●~140m西ピーク~140m東ピーク~竹ヤブ鞍部

峠の鞍部まで戻り縦走にかかる。東側の尾根に取り付く。こちらも踏み跡はなく雑木灌木の尾根が続く。
P1190218縦走路鞍部からの取り付き.JPG峠鞍部からの取り付き
P1190219やや荒れた雑木灌木尾根.JPGやや荒れた雑木灌木尾根
P1190221ノシラン?.JPG雑木尾根

竹林が現れると竹が繁茂する140m西ピークに出る。
P1190226 140m西ピーク.JPGタケヤブの140m西ピーク

再び雑木尾根となり平坦尾根を進むと次の140mピークに着く。
P1190228平坦尾根鞍部.JPG平坦尾根鞍部
P1190231 140m東ピークへの緩い上り.JPG東ピークへの緩い上り
P1190232 140m東ピーク.JPG140m東ピーク
P1190234東ピーク(北側から).JPG東ピーク(北側から)

ヤブ気味の段状斜面を下っていくと倒竹帯の段上へ出て、少し下ると左からの幅広山道と出会う。
道はタケヤブの鞍部で掘割り状となり、不明瞭となる。
P1190236段状のヤブ斜面.JPG段状のヤブ斜面
P1190238倒竹帯.JPG倒竹帯
P1190240段状鞍部手前.JPG段状のタケヤブ
P1190241左からの幅広道.JPG左の谷からの幅広道
P1190242峠鞍部の穴.JPG峠鞍部の穴
P1190243タケヤブの峠鞍部.JPGタケヤブの峠鞍部

●~140mピーク~148mピーク~鞍部

再びヤブ気味の雑木尾根となりササも現れる。
P1190244縦走路取り付き.JPG縦走尾根取り付き
P1190246ヤブ尾根.JPGヤブ尾根

勾配が緩むあたりで幅広の道となり、削平された140m平坦ピークに出る。南端に石杭があり、判読しづらいが「国○○有地」と読めそうだ。
P1190247コンクリート杭「町」.JPGコンクリート杭「町」
P1190248幅広道.JPG幅広道
P1190249 140mピーク削平地・石杭.JPG140mピーク削平地
P1190250南端の石杭(文字不明).JPG南端の石杭

緩い平坦尾根を下り、登り返すとコン杭「町」を見て148mピークへ着く。展望はない。
P1190251草被りの平坦鞍部.JPG草被りの平坦鞍部
P1190253緩い斜面.JPG緩い斜面の上り
P1190254コン杭「町」.JPGコン杭「町」
P1190255 148m平坦ピーク.JPG148m平坦ピーク

崩落した斜面を横切り、岩盤を掘削した段状のヤブ斜面をなんとか下ると平坦鞍部となり、土塁を見る。
P1190256崩落斜面.JPG崩落斜面
P1190257ササヤブの掘削段状斜面.JPGササヤブの段状斜面
P1190260段状の斜面.JPG段状の斜面
P1190262鞍部.JPG鞍部
P1190263竹ヤブ鞍部.JPG竹ヤブ鞍部
P1190265鞍部の土塁.JPG鞍部の土塁

●~120mピーク~鞍部~竹ヤブ鞍部~平坦道~平茂海岸

緩いヤブ尾根を進み120m小ピークで南東尾根へ向かう。
P1190266ヤブ斜面.JPGヤブ尾根
P1190267 120mピーク.JPG120mピーク
P1190268南東方向のヤブ尾根.JPG南東方向のヤブ尾根
P1190271平坦ヤブ尾根.JPG平坦ヤブ尾根

次の鞍部で主尾根から離れ、左巻き加減に雑木支尾根を下ると竹ヤブの鞍部へ出る。
P1190272 110mピーク手前鞍部.JPG110mピーク手前鞍部
P1190273左へトラバース.JPG左へトラバース
P1190274樹間に平茂海岸.JPG樹間に平茂海岸
P1190275トラバース.JPGトラバース道
P1190276尾根を下る.JPG尾根を下る
P1190278タケヤブの鞍部.JPGタケヤブの鞍部

竹のわずかな合間から抜け出し、支尾根斜面を下っていくと谷が近くなるあたりで平坦巻き道へ出る。
P1190279タケヤブの間から下降.JPGタケヤブの間から下降
P1190280支尾根の下り.JPG支尾根の下り
P1190282倒竹をよけながら進む.JPG倒竹をよけながら下る
P1190283平坦道の巻き道に出会う(右方向).JPG平坦道の巻き道に出会う

右折し巻き道を進む。下の谷は湿地帯となっている。(水田跡か?)
P1190284平坦道を右へ進む.JPG平坦道を右へ進む
P1190285下方の湿地帯(水田跡?).JPG下方の湿地帯
P1190286平坦道がヤブ気味となる.JPGヤブ気味となる

倒木を越えると突然道が消失する。波音がするので浜は近いようだが、ササヤブ等で前方の海は全く見えない。どれくらいヤブが濃いかわからないので、ヤブを抜けながら薄そうなところを探していると、わずかに明るい隙間が見えたので、突っ込むと運良く浜へ出た。平茂(ひらも)海岸だ。
P1190287倒木地点で消失(逆方向).JPG倒木地点で道消失(逆方向)
P1190288海岸方向のササヤブ.JPG海岸方向のササヤブ
P1190289タケヤブを下る.JPGタケヤブを下る
P1190290ヨシが茂る隙間に脱出箇所発見.JPG密生するヨシの隙間発見
P1190291前方に海岸.JPG前方に浜
P1190292脱出箇所(右).JPGヨシヤブの脱出箇所

砂浜ではなく小石の海岸で、前方に長島、佐合島、馬島、上盛山、皇座山、大星山などがくっきりと見渡せる。
P1190298平茂海岸.JPG平茂海岸(南方向)
P1190299.JPG北方向
P1190302北側の海岸.JPG岩礁と北側の海岸
P1190306皇座山・上盛山.JPG皇座山・上盛山
P1190307大星山・佐合島.JPG大星山・佐合島
P1190308馬島.JPG馬島

●~山道~牛島港

海岸は岩礁を挟んで約900mあり、山側はササやヨシのヤブとなっている。地形図上では北側に波線道が2箇所降りているので、まず手前側から探してみたがヤブに覆われ明瞭な降り口は見あたらない。北側のもうひとつを探してみると見付つかった。
P1190310山道入口.JPG山道入口
P1190311山道入口.JPG山道入口

浜から明瞭な峠越えの道が続いている。
P1190315.JPG山道
P1190316.JPG山道

峠へ出て、分岐を左に過ごし、竹林や植林沿いに下る。
P1190318峠.JPG
P1190319山道(下り).JPG山道
P1190321.JPG竹林沿い
P1190322.JPG植林沿い

途中、海岸へ下る分岐が2箇所あるが直進し、レンガ造りの炉がある小屋を左に過ごすと、浜からの道と合流。
P1190324分岐.JPG分岐
P1190326分岐(逆方向).JPG次の分岐(逆方向)
P1190328小屋(レンガの炉).JPG小屋
P1190329分岐(逆方向).JPG浜からの道と合流(逆方向)

まもなく山道が終わり堤防沿いの道へ出る。
P1190330ガードレール・山道.JPGガードレール付きの山道
P1190332堤防へ出る・旧小中学校.JPG堤防と出会う

時間があったので港の先の牛島八幡宮まで足を延ばした。
P1190335.JPG休校中の牛島小中学校
P1190337牛島八幡宮.JPG牛島八幡宮
P1190339尾島.JPG尾島
P1190166モクゲンジ案内板.JPGモクゲンジ案内板
P1190346カラスバト案内板.JPGカラスバト案内板

注意報が続く中、室積港まで戻る。
P1190355.JPG船室から甲板越しに牛島
P1190353.JPG同上
P1190362室積港から牛島.JPG室積港から牛島を遠望

◆山名考
島の山名としては、『防長風土注進案』の牛島の項に「大佐古」、「佐古」、「大平」の名が見えるが、「大平」以外は現在その名前では通じない。ただ島民の方との話の中で、山側の地名として「大迫」や「北ヶ迫」の名前が出た。

今回、三名の島民の方に山名などを尋ねてみた。
ここでは便宜上Aさん、Bさん、Cさんとする。Aさんは70代の女性。Bさんも70代の男性。Cさんは、絶壁上も含め島内を隈なく歩いたという40代の男性で野鳥等にも詳しい。

三角点の山については、三者とも「御堂山(みどうやま)」という回答で一致した。

島の北側、標高95mの山は、Aさんによるとジンジュウ山。漢字は不明だが寺の名が由来らしい。昔は島の北側に集落があり、火事により廃れたという。注進案にも「山の北の方海澨に人家これあり」との記述がある。Bさん・Cさんによれば、この山は「観音山」とのこと。これも寺由来の名だろうか。

次の標高101mのピークを中心とする山は、Aさんによると「ボンズ山」。Bさんは「北ヶ迫」。Cさんによると北ヶ迫は山の谷側の地名で、山の方は亀の形に似ていることから「亀の甲」とのこと。

その西側に派生する50mの小山は、Bさん・Cさんとも「金山(かねやま)」との答えで一致。ちなみに注進案には、続日本紀に昔牛島で銅を採掘した記載があることや、金山というところに採銅所があったという言い伝えが紹介されている。

次に、西に折れて島の中央部にあたる148mピークあたりの山については、Aさん・Bさんとも山名の話は出ず、Cさんによれば、これが「殿様山」という。

さらに、御堂山の東に位置する140mの二つのピークがあるが、Bさんの話からすると、東側のピークが「殿様山」、西側が「ボンズ山」と推測されるが定かではない。一方、Cさんによると、両方のピークを合わせて「ボンズ(坊主)山」と言うようだ。これも寺に由来するらしい。ただ現在島にある教念寺は、島民に請われて明治四年に本土から移転されたものなので、ここで言う寺がいつの頃のものかは不明だ。

御堂山の西に位置する山は、三者とも「大平(おおびら)」で一致した。

なお御堂山、ボンズ山、殿様山とも寺や領主に由来した山名のようだが、案外同一の山をいろいろな名で呼んだ可能性もある。

P1190340観音山.JPG観音山
P1190341亀の甲・金山.JPG亀の甲、金山(手前の小山)
P1190342殿様山.JPG殿様山?
P1190343坊主(ボンズ)山.JPGボンズ(坊主)山?
P1190344御堂山.JPG御堂山
P1190345大平(オオビラ).JPG大平
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コメント 6

山勘

高校の集団宿泊訓練の内1日で牛島に渡りました。その海岸でカレーの飯ごう炊さんを行いました。
by 山勘 (2014-11-09 20:09) 

gomen

有明海に面したところで育ったせいか半島や島への憧れが強いようです。
牛島もいつかまたゆっくりと歩いてみたい島のひとつとなりました。
by gomen (2014-11-09 22:35) 

御前の娘

両親の里です。渡に渡れない遠い距離で拝見した際、両親も親戚も大変喜んでいます。懐かしい風景をありがとうございました。
by 御前の娘 (2015-03-06 14:26) 

gomen

御前の娘さま

うれしいコメントありがとうございます。励みになります。
わたしも今回初めて渡島しましたが、島の数名の方からお声をかけていただき、いろいろと情報をいただいて助かりました。

対岸の祝島からも美しい島影が眺められ、また渡島したくなります。
ご両親にもよろしくお伝えください。
by gomen (2015-03-07 00:04) 

みさこ

ばあちゃんに
会いたくなりました


by みさこ (2015-09-20 18:40) 

gomen

わたしも昨日調べものをしたついでに、祖母が最後に住んでいた家の庭の草刈りをしてきました。少しは喜んでくれたでしょうか。
by gomen (2015-09-21 00:19) 

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