大嶽・大滝山(柳井市平郡) [離島の山]
平郡島での山行二日目。東浦から北西方向に望める断崖絶壁、大嶽をめざす。そのあと後方の最高部、大滝山まで足をのばすことにした。
なお、大嶽の登山コースは柳井市のホームページでも紹介されている。(2014.10.26)
船上から大滝山
大嶽
(1,2クリックで拡大)
海岸沿いに北西方向へ向かうと海童神社の石鳥居があり、ここから集落の路地へ入る。
盛り鼻
浄光寺
早田八満宮石鳥居ガスがかかる大滝山
海童神社石鳥居
分岐をいくつか過ごし、まずは海童神社をめざす。
分岐(直進)
分岐(右折)・石仏2体
分岐(直進)
石垣沿いの小道
神社石段の手前で左に山道が分かれるが、ここは一旦神社に参拝し、神社西側から再び山道と合流する。
山道分岐(左)・石段
海童神社
神社西側の建物
山道出合い(右折)
旧耕作地の石垣沿いに山道が続く。途中数箇所に板製の道標が設置され、道はおおむね明瞭だが、時期的にあまり人が歩かないのか草被りのところや小崩落箇所もある。
石段の山道
石垣の間を行く
谷沿いの道
山道
板製の道標
石垣沿い
段差の大きい石垣上の道
平郡東港を遠望
カズラのトンネル
小崩壊箇所
カヤのトンネル
道標
溝状の山道
峠状の鞍部へ着き、道標に従い左折、尾根へ取り付く。
峠状の鞍部
尾根取り付き
道標
ところどころ道標やテープもあり、明瞭な山道が続く。雑木尾根の左をやや巻き加減に登り、まもなく尾根上へ出る。
山道・倒れた電柱?
左巻き加減の山道
山道・道標
尾根上の道となる
ゆっくり高度を稼ぎながら登っていくと、勾配が緩むあたりから集塊岩が現われ始め、平坦部で大きな集塊岩を右に過ごすと左の巻き道となる。
溝状の道
山道
やや勾配のある道となる
集塊岩
勾配が緩む
集塊岩(左)
集会岩(右)
左方向へ
集塊岩沿いに明瞭な山道をたどり緩い谷あいを進むと、左方向に高度差のある断崖絶壁が突然現われ、思わず声が出る。
集塊岩沿いの巻き道
緩い谷あいを進む
山頂下の絶壁
山頂下の鞍部でテープに従い左折し、大嶽山頂をめざす。
集塊岩の狭い間を縫って少し登っていくと、上空が小さくぽっかりと開け、すぐに展望岩となっている大嶽山頂へ抜け出る。なぜかカラスの大群が山頂上空を舞い、ガアガアとかまびすしい。
山頂への分岐
集塊岩の間を登る
山頂下の道標?
山頂空間のカラス
頭上のカラスの群
大嶽山頂
あいにくの曇天で遠望はきかなかったが、岩上に立つと眼下に平郡東港を一望できる。
平郡東港
大滝山山頂方向
南東方向の221mピーク
東方向161mピーク
掛津島
鞍部へ戻り、287mピークの大滝山をめざす。地形図記載の破線道方向にテープが続いており、たどっていくと、破線の巻き道と合流するあたりでテープを見失う。どうもテープは287mピークをめざしているのではなさそうだ。
踏み跡・テープ
踏み跡・テープ
テープ?
そこで進行方向を北へ変え、平坦尾根沿いに山頂へ向かう。左側は段々畑の名残りで段状になっており、その縁を目安に進む。明瞭な踏み跡はないが、疎林でヤブ漕ぎするほどではない。
石積み
石積み沿いの平坦地
平坦地
標高260mの平坦ピーク手前で、尾根を横切り右方向へ向かったところ、偶然コンクリート施設跡を見つける。「YMD特設ブログ所」さんのホームページで紹介されたものと同じもののようだ。そばに石積みもある。
尾根の右側へ
コンクリート施設跡
同上
同上(レンガ部分)
石積み
すぐ西側の270m平坦ピークへ出て、平坦尾根を北へ向かうと尾根分岐点に着く。287m平坦ピークの大滝山山頂である。やや雑木ヤブ気味で展望はない。
270m平坦ピーク
石積み
287mピーク(大滝山)
平坦尾根を探索しながら破線道分岐付近まで戻る。
塹壕風の溝?
平坦道
段状の石積み
そのまま南東方向へ下ると尾根伝いに続く石積みと出合い、石積み沿いに下るとすぐに右方向からの山道と合わさる。地形図上の破線道だろうか?
石積み
右からの山道出合い
まもなくテープがふたたび現われ始める。大嶽の下山ルートとして付けられたもののようだ。
明瞭な踏み跡が雑木尾根上に続いており、どんどん下っていくと、最後はやや迷走気味のトラバース道となり、市道分岐近くへ降り立つ。
山道
山道
山道
山道
左方向へトラバース
巻き道
巻き道
巻き道
峠の下降口(逆方向)
就航の午後2時までまだ余裕があるので、五十谷・三島の方へ降りてみた。
峠分岐
八島
深山・長崎・黒崎
舗装道
三島
分岐道標
夏場は海水浴場となり、突端に三つの小島が並ぶ風光明媚なところで、「大嶽」、「蛇の池」と合わせて平郡三景と呼ばれている。
海岸近くは放牧場となっており、砂浜の海岸を背に牛たちがのんびりと草を食んでいる様は心が和む。三島とは現在堤防で結ばれている。
四等三角点(基準点名:三島)があることに気付き探してみると、トイレのある広場の海側にあった。
浜の放牧
同上
221mピーク・放牧
三島
草むらの三角点
山越えし、早田八幡宮に立ち寄りながら平郡東港へ戻り、一時間ほどのちに就航した。
盛り山
石鳥居
早田八幡宮
盛り鼻
三島
深山
黒崎・深山
長崎
阿高側から深山
平郡西港・長深山
長深山
長深山・深山
櫛崎
八島
平郡島
◆山名考
『防長風土注進案』平郡島の山川之形勢の項に、「深山當嶋東西之央、是より東に連り候山を今越と申、夫より大滝山、嵯峨深山、盛り山に連り申候」とあり、287mピークの山塊が大滝山にあたると考えられる。
山名は271mピークの「大嶽」に拠ると思われ、同項に「東に當り神出川水上は大滝下より出末は羽仁村に流レ東北之海に入申候」とあることから、大嶽は、もともと「大滝」と呼んでいたのではなかろうか。
(注記)
帰宅してGPSトラックを地形図に表示してみて気が付いたが、大嶽周辺の地形図は現状の地形と若干相違があるようだ。
地形図に落としたトラックでは、大嶽山頂手前の分岐は斜面上にあるが、実際は緩い鞍部上にある。
別に行政が作製した詳細図を見ると、こちらの方が現状を反映していると思われる。
なお、大嶽の登山コースは柳井市のホームページでも紹介されている。(2014.10.26)
船上から大滝山
大嶽
(1,2クリックで拡大)
海岸沿いに北西方向へ向かうと海童神社の石鳥居があり、ここから集落の路地へ入る。
盛り鼻
浄光寺
早田八満宮石鳥居ガスがかかる大滝山
海童神社石鳥居
分岐をいくつか過ごし、まずは海童神社をめざす。
分岐(直進)
分岐(右折)・石仏2体
分岐(直進)
石垣沿いの小道
神社石段の手前で左に山道が分かれるが、ここは一旦神社に参拝し、神社西側から再び山道と合流する。
山道分岐(左)・石段
海童神社
神社西側の建物
山道出合い(右折)
旧耕作地の石垣沿いに山道が続く。途中数箇所に板製の道標が設置され、道はおおむね明瞭だが、時期的にあまり人が歩かないのか草被りのところや小崩落箇所もある。
石段の山道
石垣の間を行く
谷沿いの道
山道
板製の道標
石垣沿い
段差の大きい石垣上の道
平郡東港を遠望
カズラのトンネル
小崩壊箇所
カヤのトンネル
道標
溝状の山道
峠状の鞍部へ着き、道標に従い左折、尾根へ取り付く。
峠状の鞍部
尾根取り付き
道標
ところどころ道標やテープもあり、明瞭な山道が続く。雑木尾根の左をやや巻き加減に登り、まもなく尾根上へ出る。
山道・倒れた電柱?
左巻き加減の山道
山道・道標
尾根上の道となる
ゆっくり高度を稼ぎながら登っていくと、勾配が緩むあたりから集塊岩が現われ始め、平坦部で大きな集塊岩を右に過ごすと左の巻き道となる。
溝状の道
山道
やや勾配のある道となる
集塊岩
勾配が緩む
集塊岩(左)
集会岩(右)
左方向へ
集塊岩沿いに明瞭な山道をたどり緩い谷あいを進むと、左方向に高度差のある断崖絶壁が突然現われ、思わず声が出る。
集塊岩沿いの巻き道
緩い谷あいを進む
山頂下の絶壁
山頂下の鞍部でテープに従い左折し、大嶽山頂をめざす。
集塊岩の狭い間を縫って少し登っていくと、上空が小さくぽっかりと開け、すぐに展望岩となっている大嶽山頂へ抜け出る。なぜかカラスの大群が山頂上空を舞い、ガアガアとかまびすしい。
山頂への分岐
集塊岩の間を登る
山頂下の道標?
山頂空間のカラス
頭上のカラスの群
大嶽山頂
あいにくの曇天で遠望はきかなかったが、岩上に立つと眼下に平郡東港を一望できる。
平郡東港
大滝山山頂方向
南東方向の221mピーク
東方向161mピーク
掛津島
鞍部へ戻り、287mピークの大滝山をめざす。地形図記載の破線道方向にテープが続いており、たどっていくと、破線の巻き道と合流するあたりでテープを見失う。どうもテープは287mピークをめざしているのではなさそうだ。
踏み跡・テープ
踏み跡・テープ
テープ?
そこで進行方向を北へ変え、平坦尾根沿いに山頂へ向かう。左側は段々畑の名残りで段状になっており、その縁を目安に進む。明瞭な踏み跡はないが、疎林でヤブ漕ぎするほどではない。
石積み
石積み沿いの平坦地
平坦地
標高260mの平坦ピーク手前で、尾根を横切り右方向へ向かったところ、偶然コンクリート施設跡を見つける。「YMD特設ブログ所」さんのホームページで紹介されたものと同じもののようだ。そばに石積みもある。
尾根の右側へ
コンクリート施設跡
同上
同上(レンガ部分)
石積み
すぐ西側の270m平坦ピークへ出て、平坦尾根を北へ向かうと尾根分岐点に着く。287m平坦ピークの大滝山山頂である。やや雑木ヤブ気味で展望はない。
270m平坦ピーク
石積み
287mピーク(大滝山)
平坦尾根を探索しながら破線道分岐付近まで戻る。
塹壕風の溝?
平坦道
段状の石積み
そのまま南東方向へ下ると尾根伝いに続く石積みと出合い、石積み沿いに下るとすぐに右方向からの山道と合わさる。地形図上の破線道だろうか?
石積み
右からの山道出合い
まもなくテープがふたたび現われ始める。大嶽の下山ルートとして付けられたもののようだ。
明瞭な踏み跡が雑木尾根上に続いており、どんどん下っていくと、最後はやや迷走気味のトラバース道となり、市道分岐近くへ降り立つ。
山道
山道
山道
山道
左方向へトラバース
巻き道
巻き道
巻き道
峠の下降口(逆方向)
就航の午後2時までまだ余裕があるので、五十谷・三島の方へ降りてみた。
峠分岐
八島
深山・長崎・黒崎
舗装道
三島
分岐道標
夏場は海水浴場となり、突端に三つの小島が並ぶ風光明媚なところで、「大嶽」、「蛇の池」と合わせて平郡三景と呼ばれている。
海岸近くは放牧場となっており、砂浜の海岸を背に牛たちがのんびりと草を食んでいる様は心が和む。三島とは現在堤防で結ばれている。
四等三角点(基準点名:三島)があることに気付き探してみると、トイレのある広場の海側にあった。
浜の放牧
同上
221mピーク・放牧
三島
草むらの三角点
山越えし、早田八幡宮に立ち寄りながら平郡東港へ戻り、一時間ほどのちに就航した。
盛り山
石鳥居
早田八幡宮
盛り鼻
三島
深山
黒崎・深山
長崎
阿高側から深山
平郡西港・長深山
長深山
長深山・深山
櫛崎
八島
平郡島
◆山名考
『防長風土注進案』平郡島の山川之形勢の項に、「深山當嶋東西之央、是より東に連り候山を今越と申、夫より大滝山、嵯峨深山、盛り山に連り申候」とあり、287mピークの山塊が大滝山にあたると考えられる。
山名は271mピークの「大嶽」に拠ると思われ、同項に「東に當り神出川水上は大滝下より出末は羽仁村に流レ東北之海に入申候」とあることから、大嶽は、もともと「大滝」と呼んでいたのではなかろうか。
(注記)
帰宅してGPSトラックを地形図に表示してみて気が付いたが、大嶽周辺の地形図は現状の地形と若干相違があるようだ。
地形図に落としたトラックでは、大嶽山頂手前の分岐は斜面上にあるが、実際は緩い鞍部上にある。
別に行政が作製した詳細図を見ると、こちらの方が現状を反映していると思われる。
2014-11-02 11:19
コメント(4)
『山口県柳井市平郡島史』 境吉之丞 S35.11刊 なお、著者によれば
S27に執筆した物に補筆して刊行
「第8章 太平洋戦争においての郷土の出来事
第3部 軍事施設等について
(1) 大嶽の松と蛇の池のこと
大嶽の軍事施設の探照燈照射に大嶽の松のため支障がある。依って伐採して
ほしい又伊保庄陸軍部隊より蛇の池の土堤を切り上陸用舟艇の避難地に使用した
い旨申入れがあったけれども村民の意向もあって見送りとなり終戦となった。
(中略)
(5) 海軍施設の概要
大滝山に兵舎1棟、兵員20数名、隊長1名、発電所1棟、無線通信、探照
燈、見張所その他ポンプ所1棟、溜池1ヶ所、用水井戸部落ないに2ヶ所
五十谷に電波方向探知機
兵員宿舎浄光寺本道兵員20数名、隊長1名」
「年表
1943(昭和18年) 大嶽に海軍軍事施設を備え海軍駐屯警備につく」
とあります。
また、真偽は不明ですが、豊笑家倶楽部『柳井お宝マップ』に、大嶽に「千畳敷」と称する奥の広い洞窟がある。大戦中には海軍の施設が設置されていた
なお、ブログを移転します。一部画像は首傾げでご覧ください。
by 山勘 (2014-11-03 17:42)
情報ありがとうございます。
『平郡島史』については図書館で借りる予定でした。
大嶽の洞窟については、ネットで検索していたら、中央大学民俗研究会の「怪異・妖怪伝承データベース」に興味ある話がいくつか掲載されています。
谷詰めで登ると洞穴があるのかもしれませんね。
いつか行ってみますか?あの絶壁を見ただけで足がすくみますが…
by gomen (2014-11-03 20:57)
現在平郡島に住んでいます。公民館の嘱託主事ですが、3年前よりJRウォーク「タコ飯作りと大嶽登山」を始め、今年度のツアー(11/29)のための登山道開設を行いました。登り始めの藪は通りやすくしました。また目印テープも追加しました。大嶽ルートはいくつかあるようですが今はほとんど使っていないようです。何かアドバイスがあればいただけると嬉しく思います。羽仁峠尻のルートも昨年テープを巻いてみました。長深山・深山ルートの確定も考えてますが、手伝い待ちの状況です。
by 松川潤 (2014-11-15 16:36)
コメントありがとうございます。
出航時間が気になっていたところ、大嶽からの帰路思いがけずテープ道があり、おかげで五十谷まで足をのばすことができました。
アドバイスをするほど才も知もなく、島内での山歩き経験も少ないですが、「個人的な思い」ということでよければ以下参考にしてください。
(1)登山道をどこまで整備するかというのは、どのレベルの登山者を想定するのかで違ってくると思います。人的・財政的な問題もあり、なかなか悩むところでしょう。やたらとテープを付けるのは個人的には好みませんが、ベテランと称する人でも地図読みがきちんとできる人はごく少数であることからすると致し方ないのかもしれません。大嶽の場合、現状から判断すると、分岐等要所への道標設置、不明瞭箇所へのテープ付け、崩落等危険箇所の定期的な管理といったところでしょうか。(現在やっておられることなので、敢えて書く必要もないかもしれません)
(2)大嶽の立岩だけでも魅力的で山頂岩からの展望も絶景ですが、さらに話題提供する。たとえば、
① 立岩の洞窟探し。『平郡島史』によると、「岩の一部の穴に千畳敷と称する所があって昔岩屋権現を奉祀してあった所と伝う 其の他に一番ヱゴ(穴) ゴットンヱゴもある。」
② 登山道沿いにある集塊岩の名前付け。「ゴジラ岩」、「入道岩」など。
③ 軍事施設跡の探索。こちらは大滝山の方になりますが…。
④ 石垣、石塁の探索
(3)まずは周回ルートを確立する。将来的にはバリエーションルートも加える。たとえば、
① せっかち直登コース(谷詰めで立岩下へ出る道があったと推測しているので、この復元)。
② わんぱく冒険コース。大滝山まで足を延ばし、軍事施設跡などを探索する。
③ よくばり大周回コース。嵯峨深山、盛り山まで縦走する(できれば五十谷にも足をのばす)一日がかりのコース。
(4)長深山から深山の縦走コースについて。個人的には思い出深いルートですが、島内宿泊が必要になることもあり、現状ではよほどのマニアでなければ歩く人はいないと思われます。過去二度歩きましたが、長深山から先は人跡未踏といった感じで、最近は測量の人も入ってはいないのではないでしょうか。展望箇所もなく、平坦尾根が多く茫洋としており、雑木類もツルが絡み、アオキが繁茂するといった状況なので、正直言ってどこに魅力があるのかと言ってみたくもなります。まあ、そこが魅力と言えば魅力なのでしょうが…。
一つの解決策として、長深山と深山の間に南西側へ下るエスケープルートを新たに設け、まずはそれぞれの山の単独周回ルートを開発する。しかし地形図から判断すると急勾配で荒れている感じですね。
by gomen (2014-11-16 22:24)